瞑想のための音楽(1)(2)


2枚組(1,200円)

PILZ 160338-2

(1)Albinoni 「アダージョ」 ナヴァロ/シュトゥットガルト放送交響楽団
(2)Vivaldi 「2台のチェロのための協奏曲ト長調」より「ラルゴ」 コンラッド・フォン・デア・ゴルツ室内管弦楽団
(3)Bach 「G線上のアリア」 マーク/カラス(or)
Gluck「オルフェオとエウリディーチェ」より
(4)ラルゲット
(5)精霊の踊り
カイテル/南西ドイツ室内管弦楽団
(6)Mozart フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315  タートゥ(fl)/シュナイダー/ザルツブルク・モーツァルト・ソロイスツ
(7)Schumann 「トロイメライ」 カポヴァ(p)
(8)Handel 「セルセ」より「懐かしい木陰」 リードリンガー(or)
(9)Liszt 「コンソレーション」 カポヴァ(p)
(10)Mozart 「グラスハーモニカのためのアダージョ ハ長調 K.356(K.617a)」 演奏者不明
(11)Liszt 「愛の夢」 カポヴァ(p)
(12)Mozart 「アヴェ・ヴェルム・コルプス」 演奏者不明(弦楽アンサンブルによる)

PILZ 160339-2

(1)MASSNET 「タイスの瞑想曲」 シップウェイ/ロイヤル・フィル
(2)Bach /Gounod 「アヴェ・マリア」 リードリンガー(or)
(3)Chopin 「子守歌」作品57 演奏者不明
(4)Bruckner 弦楽五重奏曲ヘ長調より「アダージョ」 メロス四重奏団+サンティアゴ(va)
(5)Mahler 交響曲第5番より第1楽章  演奏者不明
(6)Chopin 「練習曲 変ホ長調」 演奏者不明
(7)Schubert 交響曲第8番「未完成」より第2楽章 演奏者不明

 2004年数年ぶりの再聴。「漂泊の音源=PILZ」もさまざまなレーベル名で(または演奏家名も変えつつ)出現しているようです。こんな怪しげなるCDに@1,000も(これはたまたま600円だけれど)払っていたなんて!でもね、やっぱりこういう肩の凝らない、気軽に聴ける音楽というか、寄せ集めCD好きです。「アダージョ・カラヤン」だって悪くない(はず。安ければ)。つい先日もLASERLIGHTで「MEDITATION」5枚組(35840 1,780円)を買ったばかり。

 「瞑想」系音源には欠かせない作品、というがありまして、Albinoni 「アダージョ」、「タイスの瞑想曲」辺りですか。「アダージョ」は大好きな曲だけれど、オリジナルじゃないんでしょ?復元曲みたいな感じか。ほとんどGiazotto (1910-1998)という方の労作(たしかに、バロック!つう感じじゃないけどね) 途中、詠嘆のようなソロがあるんだけど、ふつうヴァイオリンでしょ?ここでは、オルガン・ソロなんです。ガルシア・ナヴァロ/シュトゥットガルト放響という組み合わせも貴重・・・というか、ほかには二度と目撃したこともない〜なかなか厚みのあるアンサンブルでした。

 コンラッド・フォン・デア・ゴルツ室内管〜この団体もなかなかのアンサンブルでした。曲が深刻で、この選曲はなかなかの慧眼。「G線上のアリア」は「二台のオルガン」というのが怪しくて、同じくPILZ系音源のサッケッティ(or 44 7458-2)と同一か?と確認したが、まったく異なるもの。編曲ものとは思えぬ荘厳な雰囲気ありますね。「精霊の踊り」もしっとりとしたフルートが快い。

 フルートといえばMozart のK.315「アンダンテ」という選曲はまったく渋い。普段、意外と聴く機会がないでしょ?「Mozart に駄作なし」という大原則通りの伸びやかな旋律が清々しく、タートゥ(という日本語表記がある)の豊かなソロも一流です。「グラスハーモニカ」はもっと貴重か。演奏者不明だけれど、かそけき音色が美しい、グラスハーモニカのみでの録音は滅多にないはず。(ブルーノ・ホフマンのみ?おそらくこの音源)ペーター・マーク盤ではチェレスタを使っていました。

 Lisztの「愛の夢」はともかく「コンソレーション」の知名度は少々落ちるが、これも負けず劣らず甘い旋律を誇ります。カポヴァと言う人は実在かどうか不明。

 二枚目です。「タイス」のシップウェイ/ロイヤル・フィルの音源は、もうほんまにあらゆるところに!的使われ方をしているものでして、ヴァイオリン・ソロはハンス・カラフスとのこと。上手いもんです。なぜかBrucknerの珍しい作品が入っていて、しかも正真正銘のINTERCORD音源。借りてきたのかな?「瞑想」的作品としては大穴。

 Mahler はやはり「アダージエット」を収録すべきで、第1楽章では少々構えが大きすぎて瞑想できません。ナヌート/リュブリャナ放響でしょうか?「未完成」第2楽章ともども立派な演奏です。間に挟むピアノとオルガンが快い気分転換となります。(2004年1月24日)以下、このサイト開設当初(1998年)の文書そのまま。

   


 これは凄い選曲の妙。ナヴァロの「アダージョ」はオルガンが活躍する、しっとりとしたもの。リードリンガーがバロックやモーツァルトをオルガンに編曲したものは、オリジナルと見まがうばかりのしゃれた雰囲気。「タイスの瞑想曲」は選曲としては安易ながら、一段と雰囲気を盛り上げる。

 後半は大曲続き(演奏はイマイチ)で、マーラーの5番でアダージエットを選ばなかったのは英断と云うべきか、単なる過ちか。Brucknerの室内楽が出ているのは、単に交響曲の音源がなかっただけかも。(のち全曲を購入)
 モーツァルトのフルート曲が他のCDとダブッているのは微苦笑ものですが、演奏は多彩なカデンツァが立派。ところどころのピアノ小曲もじつに全体のバランスを取っています。グラス・ハーモニカのかそけき音色は白眉。

「アダージョ・カラヤン」(は、聴いたことないが)より、じゅうぶん楽しめる(はず)、まさに「瞑想」のひととき。音質も良好です。

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi