Krommer/Reicha ファゴットのための室内楽
(ジョン・ハード(fg)/ヴェロニカ弦楽四重奏団)
Krommer
ファゴット、2台のヴィオラ、チェロのための四重奏曲 変ロ長調 作品46-1
ファゴットと弦楽のための四重奏曲 変ホ長調 作品46-2
Reicha
ファゴットと弦楽四重奏のための五重奏曲(調性不明/変ロ長調と類推)
ジョン・ハード(fg)/ヴェロニカ弦楽四重奏団
IMP/CarlTON 30367 02602 1997年アメリカ/オハイオ州での録音 中古250円
聴き馴染みのない作品のトライは、”音楽生活”を楽しく、長く継続するための必須事項。ワタシが廉価盤に固執するのも”大胆な冒険”(んな大袈裟な!)のために大きな出費としないためです。購入したきり”放置プレイ”は深く反省いたしましょう。
John Heardはネットで検索しても、NMLで一枚ヒットするのみ。解説によるとアメリカで活躍する実力派らしい(現代楽器)。Krommer(クロンマー/クラマーシュとも)は1759-1831だから我らがMozart と同世代でもあり、Beeやんとも活動時期が重なっております。Reicha(1670-1830 レイハ、ライヒャとも)も同様。情報リンク先にはファゴット作品が登場しません。
どれも未知なる作品に出会う、といった音楽の醍醐味をたっぷり味わせて下さる名曲。ファゴットの技巧はスムースであり、良く歌い。どんな速いパッセージも余裕で軽々とこなします。ほとんど超絶技巧也。Krommerの変ロ長調 作品46-1は、ヴィオラが2台といった珍しい編成。中低音のみということですね。いつもながらユーモラスで快活な世界が広がって、アンダンテはシミジミとしてソロが際だちました。
変ホ長調 作品46-2は、しっとり情感が漂うような穏健な雰囲気に溢れます。鼻歌でも歌うかような軽妙なる味わいもたっぷり。こちらはヴァイオリンが高音に控えるので、ファゴット・ソロと競い合うように絡み合ってひと味違いました。
Reichaは表情豊かで、陰影のある旋律は(素朴な)Krommerとは違った魅力に溢れます。時代がもう少し進んでいるのか(調査の結果。変ロ長調らしい)第2楽章「レント」には切ない表情が出現いたしました。快活なる第3楽章「メヌエット」、ずんずんとリズム良く行進するよう。雄弁に朗々と歌う終楽章には”暗転”もちゃんとあって、弦とソロの対話(複雑な絡み合い)が多彩で楽しい。最終盤、いや増すファゴットの技巧に酔いしれましょう。 (2009年5月29日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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