Mozart ピアノ協奏曲第9/27番
(イェネ・ヤンドー(p)/リゲティ/コンチェントゥス・ハンガリクス)


NAXOS 8.550203   1989年録音(5枚組2,300円で購入したウチの一枚)

Mozart

ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調K.271「ジュノーム」
ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調K.595

イェネ・ヤンドー(p)/リゲティ/コンチェントゥス・ハンガリクス

NAXOS 8.550203  1989年録音(5枚組2,300円で購入したウチの一枚)

 ワタシには「安く見かければ、ほとんど無条件に購入する」〜そんなお気に入り作品が存在します。Mozart のピアノ協奏曲はその代表格で、多種多様な演奏で、幾度聴いて飽きることはない。CDの価格は日々信じられないほど安くなって、ワタシはもう湯水の如く=既に物理的時間的に消化できないくらい、たくさん購入してしまいました。そんな”罰当たり行為”と、”音楽への謙虚なる感動”は無縁であって、やがて「在庫整理」すべき時が近いのかも知れません。(ムリか)ヤンドーの全集は地味な存在かも知れないが、全集を見掛けたときには、どうしても欲しい!と感じたものです。

 ヤンドーは、向かうところ敵なしの膨大なる録音を誇るが、メジャー・レーベルではない、という理由だけで軽んじられ、評価されないようにも思えます。なんども来日して、ファンは多いことでしょう。着実的確安定した技巧を誇るが、例えばとろけるような美音とか、神経質なくらい細部入念なる彫琢とか、派手なパーフォーマンス!とは縁がないから、CDを聴いていてもコメントがしにくい・・・(かなり以前に第26/5番を掲載したが、エエ加減ですな)。

 ワタシは演奏の個性や、ましてや天才Mozart 作品に好みの優劣を付ける術(すべ)を持たないが、「ジュノーム」という作品の華やかさ、可憐さは筆舌に尽くしがたい魅力。意味のない先入観だけれど、女性による演奏が望ましい・・・それは、例えばハスキルとか、リリー・クラウスへの愛着によるものかも知れませんね。(LP時代にはヘブラーもお気に入りだった)

 ほとんど特別な色付けがない、軽快で淡々と進むピアノ。リキみも濃厚な情感の揺れもない、テンポは常に適正を感じさせ、激昂しない、強面にならない、叩かない・・・ていねい明快だけれど、神経質ではない。さほどの艶やかな美音でもない。自在かつ正確な技巧を誇るが、聴き手にそれを意識させることはない。結論的に、ほとんどMozart の素の魅力が表出して、銘水を味わうかのような、ひんやり清冽な悦びに充たされました。(これは協奏曲全曲通して、ほとんど例外がない)

 「ジュノーム」は清楚なお嬢様のようにチャーミングな作品故、この奥床しい表現がいっそう映えましたね。じゃ、ラストのピアノ協奏曲 変ロ長調の達観した世界にはさぞやピタリ!か、というと、そんなことはなくて、つまりはどれもスタイルが変わらない。抑制に過ぎず、枯れ過ぎず、けっしてジミな味わいでもない。いや、むしろしっかりとした足取りと、リズムを感じさせ(やはり)恬淡としてるが、ほのかな明るさが存在しました。淡々と感情の起伏が少ない。

 さほどの艶やかな美音でもない〜そう先に書いたけれど、冷涼なるブルー系の響きは粒が揃って清潔であり、やがて胸を打ちました。コンチェントゥス・ハンガリクスのバックも同様の味わいがあって、立派なものでししょう。録音も良好、Mozart をして語らしめる〜演奏者の個性を前面に据えない、魅力ある一枚。

(2005年10月28日)


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written by wabisuke hayashi