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Haydnの交響曲ぼちぼち聴いてます(2)


 前回はセットもの+PILZ系音源などを振り返りました。で、「怒濤のBOOF・OFF時代」(2000年以降)のHaydn入手音源を振り返りましょう。「安ければ買う」といった廉価盤原理主義なもんで、知らず知らずHaydn交響曲も貯まりましたね。ワタシはあちこち”回り道”+”道草”しないと、音楽に目覚めないんです。まず、世の中のココロある音楽ファンなら絶対に触れない「駅売海賊盤」から・・・

1974年 英DECCA録音 ANC-20 250円●交響曲第94/96/100番〜ドラティ/フィルハーモニア・フンガリカ(1974年 英DECCA録音 ANC-20 250円)・・・アダム・フィッシャー以前、全集完成の偉業を達成したドラティに敬意を表して〜というわけでもないが、オーソドックスでアンサンブルがきりりと整った演奏でした。ちょっとおカタい、洗練されないオーケストラの響きもエエ感じ。録音も優秀。

「やや速めのテンポ、引き締まったアンサンブル、硬質で硬派な響き、聴き続けると、やや肩が凝るくらいの集中力が素晴らしい。フィルハーモニア・フンガリカって、こんな優秀なオーケストラだったっけ?色気には不足するけど、このテンションの高さはなんとも言えぬ魅力・・・全集もこんな感じですか?(聴いているウチにBeethoven が脳裏に木霊しました)」(音楽日誌)

「躍動するアンサンブルが感銘深いですね。当時の英DECCAの全集作成演奏者起用判断はまったく正しい。ウィーン・フィル(この場合複数の指揮者の起用となったでしょう)だったら、オーケストラの味わい(それが典雅なものであったとしても)前面で、作品を生(き)のまま味わうには少々独自の色が付きすぎるか、と思います。(もちろん、多忙なるウィーン・フィルの都合、なにより経費問題が基本だろうが)ドラティは時に、素っ気ないほどドライな表現で少々ガックリくることもあるけれど、ここではオーケストラ・コントロールも万全、各楽章表情の変化も楽しく、最終楽章打楽器大活躍の大団円を迎えました」(音楽日誌)

英DECCA録音 GRN-590 250円●交響曲第94番〜モントゥー/ウィーン・フィル(1959年)/第96/100番〜ミュンヒンガー/ウィーン・フィル(1959年)(英DECCA録音 GRN-590 250円)・・・英DECCAは、ウィーン・フィルで他クリップス、カラヤンでもHaydnを録音してますね。やや珍妙なるコンピレーションだけれど、演奏は文句なく優雅で美しい。正直、このCDが一番聴く機会が多いかも。

●交響曲第94/101番〜ヨッフム/ロンドン・フィル(DG録音 1972/3年 CC-1036 250円)・・・以前から存在だけは知っていたけれど、わりと最近確認したもの。驚くべきほどの躍動感に溢れ、暖かく、ウキウキするような感興が横溢しました。機会があれば全録音が欲しいところ。

●交響曲第100番〜マーク/イタリア放送ミラノ交響楽団(1979年ミラノ・ライヴ)/交響曲第103番〜デルマン/イタリア放送ローマ交響楽団(1980年ローマ・ライヴ)(ANF LCB-093 いただきもの)・・・駅売海賊盤ではないが、筋金入りの海賊ライヴ録音(LIVE CLASSIC)中のジミな一枚。マーク晩年の成熟がはっきりと残されていて、昨今の古楽器系のテイストさえ感じさせる、軽快かつ粗野なインパクト溢れる演奏。音質はまぁまぁか。デルマンのほうはおまけっぽいが、これもしっかりメリハリのあるもので立派。

ま、こんなヤクザなCDじゃなくても、中古でちゃんとしたものは手に入るものです。

●交響曲第88番/100番〜ワルター/コロムビア交響楽団(1961年 CBS/SONY 28DC 5032 333円)・・・最晩年の録音で音質も極上。ゆったりふっくらとした、明るく、余裕の語り口でとろけるような味わいが楽しい。良い意味で、やや昔風〜良き時代を彷彿とさせる・・・演奏か。なぜかこの世代の人々は第88番「V字」の録音が残ってますよね。どうしてだろう?

●交響曲第94(1981年)/101番(1979年)〜コリン・デイヴィス/コンセルトヘボウ管弦楽団(PHILIPS GCP-1035 250円)・・・これも世評高い録音。指揮者/オーケストラとも”いかにもHaydnにピタリ”的組み合わせだけれど、ワタシはちょっと楽しめませんでした。フツウというか、よく様子が見えなかったのは、たまたま聴いた時の体調故でしょう。機会を見て、再び確認します。

●交響曲第39番(ハンス・マルティン・シュナイト 1993年)第44番(エストマン 1994年)第71番(若杉弘 1987年)〜南西ドイツ放送交響楽団(ARTENOVA BVCC-6008 350円)・・・ワタシは既に全集を所有しているが、通常は聴く機会が少ない作品だと思うんです。音楽を愛する者として、こういったCDは必ず入手すべき!演奏は手堅くしっかりしたものでして、やや生真面目風か。アダム・フィッシャー全集と聴き比べてみたけれど、そちら快速溌剌躍動演奏。各々味わいが異なるのも楽しいものです。

●交響曲第94/104/100番〜カラヤン/ベルリン・フィル(1982年)(DG UCCG-3165/6 2枚組950円)・・・ああ、御大カラヤンのがありましたね。正直、集中して聴いておりません。絶賛されている方が(BBS上で)いらっしゃったが、音楽は嗜好品だから好みがあって当然!ワタシは少々ゆるくて、ゴージャスで、そして少々雑じゃないか・・・と罰当たりな感想を持ったものです。

CCC 0001122CCC 5枚組1,000円で購入したウチの一枚●交響曲第97/94/98番〜ヘルビッヒ/シュターツカペレ・ベルリン ((p)1977 CCC 0001122CCC 5枚組1,000円で購入したウチの一枚)アダム・フィッシャー全集には申し訳ないが、深みのあるオーケストラの違いに愕然とする魅力の差。ヘルビッヒは地味だけれど実力派。オーソドックスかつあわてず、必要にして充分な表現力をもって、曲の魅力を自ずから生かすような演奏ぶり。ちょっとザラリと鈍く輝く弦、管楽器の艶消しで奥行きのある音色、Haydnはコレ!といった確信を感じさせる、しっとり系オーケストラの魅力横溢。(CLASSIC ちょろ聴き(9)」より

●交響曲第96/97/100番〜ヘルビッヒ/ドレスデン・フィル(DeutscheSchallplatten TKCC-70272)
●交響曲第101/102番〜ヘルビッヒ/ドレスデン・フィル(DeutscheSchallplatten TKCC-70274)
●交響曲第103/104番〜ヘルビッヒ/ドレスデン・フィル(DeutscheSchallplatten TKCC-70275)
各中古@508にて購入。(1974年録音)ウィーン・フィルの典雅な、シュターツカペレ・ドレスデンのくすんで深い響きも素敵だけれど、少々融通の利かない、ドレスデン・フィルのおカタく、洗練されない響きもHaydnに似合います。巧まざるユーモアも・・・ここがMozart と違うところか。なにより勢いたっぷり。こうしてみるとARTENOVAの一枚を除いて、どうしても後期作品に偏りますね。そういえば・・・

●交響曲第50番/87番/89番〜ビョルリン/カペラ・コロニエンシス(LASERLIGHT 15 830 1983/85年録音 1,000円(?)で購入)古楽器による演奏だけれど、響きは豊かで存分楽しめる(知名度低い、非・後期)作品でした。目に付くものをさらりと触れたが、歴史的録音その他がまだ登場しません。ほかにも落ち穂拾い的に、在庫はまだあるはず。これは次回に。ほんま恥さらし在庫ですな。

 

(2005年7月8日)


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written by wabisuke hayashi