From Paris to Vienna
Unforgettable Melodies From The Golden Age of Light Music(CD10)


DOCUMENTS 233095 Bizet

歌劇「カルメン」第4幕前奏曲(エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団)

Josef Strauss

円舞曲「反作用」作品184(ヘルベルト・カラヤン/ウィーン・フィル)

Delibes

バレエ音楽「コッペリア」前奏曲(エルネスト・アンセルメ/コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団)

J.Strauss

アンネン・ポルカ(ロベルト・シュトルツ/ウィーン交響楽団)

Josef Strauss

ポルカ「休暇旅行で」作品133(クレメンス・クラウス/ウィーン・フィル)

Robert Stolz

プレスボール・ワルツ(Presseball-Walzer)(ロベルト・シュトルツ/管弦楽団)

Offenbach/Rosenthal編

バレエ音楽「パリの喜び」(ジョージ・ショルティ/コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団)

DOCUMENTS 233095/10

 音楽に貴賎なし。流行歌(はやりうた)も好きだし、Jazzとか亜米利加の西海岸の音楽とかけっこう昔から好きでした。Classic音楽は保ちがよろしくて、自分にとっては1980年以降ディジタル録音だったら”新しい”と感じます。ここ最近、ずっと苦手としてきたShostakovichが最近妙に気に入って聴き続けているけれど、彼(か)の音楽ばかり続けると気が滅入ってくるもの。CDはかなり処分が進んで棚はがらがら、From Paris to Vienna Unforgettable Melodies From The Golden Age of Light Music(10CD)はマニアックなパブリック・ドメイン音源のコンピレーション、これは手許に確保してありました。なんせ楽しい音楽てんこ盛り。「パリからウィーンへ」というまとめ方も小粋でしょう。

 カラヤンの音源は1940年台、戦後まだ公の活動ができなかった頃のEMI録音。Robert Stolz(1880ー1975墺太利)の音源は出目はいずれようわかりません。(正規盤でも)残りは1950−60年ころの英DECCA録音、おそらくはLP復刻、音量レベルが高くてわかりやすいけれど、どれも少々ヒスっぽくて聴き疲れします。ま、激安だったから我慢しましょう。「反作用」と「プレスボール・ワルツ」が初耳作品。

 「カルメン」第4幕への前奏曲はわずか2:09、この10枚組ラストの始まりの意味でしょう。1958年の英DECCA録音にしてはたいした音質じゃないけれど、アンセルメの躍動に文句ありません。ワルツ「反作用」はとろりと甘い優雅な旋律、緩急自在なテンポは表情豊かな1946-49年カラヤン40歳前後壮年の記録、音質はまずまず。(7:49)バレエ音楽「コッペリア」から有名な「マズルカ」はアンセルメにしては珍しいコヴェントガーデンの録音(1959年)リズムはノリノリ、浮き立つような賑々しい音楽でした。たしか名手ケネス・ウイルキンソンの録音のはずだけど、ちょいと響きが濁るのは残念。(4:18)

 「アンネン・ポルカ」は1966−1970年頃のステレオ録音。Robert Stolz(1880−1975墺太利)は往年の作曲家、オペレッタの名手は雰囲気はあってもいま一歩のデリカシーが欲しいとことろ。(3:54)ポルカ「休暇旅行で」はもちろんモノラルだけど、これが一番音質状態はよろしいでしょう。小粋な風情漂う軽快なポルカ最高。個人的にはウィンナ・ワルツは結局クレメンス・クラウスに行き着くと思います。(2:15)Stolz自作自演の「プレスボール・ワルツ」はムーディでゴージャス、ほとんど往年のイージー・リスニングやら映画音楽風、音質はちょいとデリカシーに欠けるもの。(2:25)

 ラストはお馴染み「パリの喜び」。これも珍しいショルティとコヴェントガーデンの顔合わせ、録音は1960年となります。これは音質状態もかなりよろしいし、強面ショルティに似つかわしくない演目に、想像通りきちんとアンサンブルを整えて、力強い熱血演奏ぶり。別に堅苦しいことはなくて、あちこち誰でも知っている知っている旋律を、パワフルなメリハリもたっぷり、時に優雅に楽しませてくださいました。金管炸裂!オーケストラも上手いですね。「カンカン」なんて若い人は知らんのかな。(37.43)

 音質やら演奏の質ばらつきさておき、From Paris to Vienna Unforgettable Melodies From The Golden Age of Light Music(10CD)は気軽に楽しめる作品ばかり。(CD4) 「ウィンナ・ワルツ覚え書き」〜変遷(第13集) 

(2020年2月15日)

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written by wabisuke hayashi