Debussy 幻想曲/Honegger ピアノ・コンチェルティーノ/
Milhaud ピアノ協奏曲第1番(ファビエンヌ・ジャッキノー(p))
Debussy
ピアノと管弦楽のための幻想曲(ウェストミンスター交響楽団1953年)
Honegger
ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ
Milhaud
ピアノ協奏曲第1番 作品127
ファビエンヌ・ジャッキノー(p)/アナトール・フィストラーリ/フィルハーモニア管弦楽団(1951年)
NMLにて拝聴
Fabienne Jacquinot(1927-仏蘭西)はネットでも情報は少なくて、上記掲載した写真も類似の復刻盤でした。日本語呼称もこれに確定しておりません。戦時中は反骨を貫いた人だったらしい。これは作品が好きだったし、かなり以前偶然に出会って、幾度愛聴していた音源でした。Debussyはオーケストラが怪しいですね、録音用の臨時編成か既存オーケストラの変名でしょう。フィルハーモニア管弦楽団はもちろんEMI録音か。それなり聴きやすいモノラル録音、ピアノ・ソロのタッチはしっかり聴き取れます。伴奏も優雅な雰囲気、色彩の変化もたっぷり。
Debussyの幻想曲は彼唯一のピアノ協奏的作品。初演はアルフレッド・コルトー(1919年)Stravinskyのバレエ音楽「火の鳥」(1919年版)と同時期なんですね、それに比べるとずいぶんと保守的優雅な風情漂う名曲でっせ。第1楽章「Andante ma non troppo」は気紛れ、かつ華やかなピアノとオーケストラの掛け合いがゴージャス(8:28)。続けて演奏される第2楽章「Lento e molto espressivo」 - 第3楽章「Allegro molto」は、静謐に甘い囁きから始まって遣る瀬なくもデリケート、やがて快活軽快な疾走に至っても表情は涼やか、力強く明快に音楽は展開します。途中夢見るようにしっとり優しい場面に油断させて、ラスト再びの疾走と朗々たるオーケストラのピアノの呼応が華麗にに締めくくりました。(15:22)
達者な技巧、華やかな切れ味を感じさせるピアノはもちろん、怪しげな?オーケストラの技量も文句なし。
Honeggerのコンチェルティーノはさっぱり人気はないようだけど、大のお気に入り。先月もマルグリット・ウェーバーを聴いておりました。フィストラーリのオーケストラが快活に歯切れよくノリノリ、モノラルでも各パート解像度が高い。”まるで機械仕掛けのおもちゃのように楽しく、ピアノは無機的に調子外れ風に淡々として、モダーンなテイスト”作品をたっぷり堪能させてくださいます。ジャッキノーのほうが小粋に揺れ動く風情、ジャズの風情を強調して作品にいっそう映えておりました。(9:32)
Milhaudのピアノ協奏曲はあまり馴染んでおりません。多作家である彼には5曲もあったのですね(おそらく未聴)第1楽章「Tres vif(極めて活発に)」は無定見に華やか、そして前衛的、カスタネット?打楽器の扱いも奔放にピアノは快活に踊っております。(3:59)第2楽章「Barcarolle(舟歌)」は怪しい管楽器の合奏に乗って、素っ頓狂な旋律があちこち漂う、といった風情でしょう。(5:18)第3楽章「Finale」は一変して金管の勇壮なファンファーレで始まって、ピアノは闊達に自在な音形、かなりの技巧を要求されそうなところ。明るい暴力性も感じさせて、前2作品より時代が進んでいることを感じさせました。(4:24)
(2020年9月27日)
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