To CLASSIC ちょろ聴き


CLASSIC ちょろ聴き(25)

2004年クラシックCD買い初め


 ええっ、と本年もしょうもないこと書いてます。12月30日にお仕事終わって、翌日から急激に体調崩しました。元旦に北海道の両親のところに帰ったが、状況ますます悪化。1月3日は高校3年生時のクラス会があって、先生も来たし、精神力で三次会まで(楽しく)つき合いました。でも、やっぱり風邪(だと思う)症状は進行して、やっとこさ岡山に戻りましたね。

 昨年一年間の「音楽日誌」を年末にしみじみ読み返したんだけど、体調悪かったよね、かなりの比率で。いまも咳が酷いんだけど、昨年のこの季節も似たような症状でした。カラダの鍛え方とか、日常の精進とかの問題なんだけど、風邪で強制的に休むのも、きっと大切なホメオスタシスかもしれません。でも、なんとか今年も乗り切らないと。


 ほんまは「買い初め」じゃなくて、ちゃんと「聴き初め」しないとね。でも、慎ましく、お安いCD買っても良いじゃないですか、正月だし。既に音楽日誌にも書いているけど、ちょっと膨らませましょう。ほぼ繰り返しだけれど。(完全防備コタツ中、机上にはノートパソコン)

 いつものBOOK・OFF岡山今店は、昨年もテンション(つまりクラシック在庫質量価格)落ちず。12月中旬には@250で10枚購入しております。元旦から「@250CD三枚で500円」「@500CD三枚で1,000円」セールがあるから、待てば良さそうなもんだけれど、そうはいかない。

 売れちゃうんですよ。油断すると。じつはシュヴァルツコップ二枚、ノーマンの歌曲集とで計三枚@250CDを買い残したが、大晦日には売れていましたね。(数年間ワタシのサイトでこの店を宣伝した成果か)でも、未練なし。既に購入した10枚↓@250(2003年買い納めか)にはハズれなかったしね。


● Mozart 弦楽四重奏曲第16/17/18/19番〜ジュリアード弦楽四重奏団
CBS録音だけれどSEEM(AM-014/015 二枚 1962年録音)海賊盤。切れ味とリズムがウリの現代的演奏か。ひさびさ、名曲の極みであることを再確認。有名な録音(のはず)だけれど、(ネットで検索してみたけれど)意外と手に入らない。



● Beethoven 「春」「クロイツェル」〜ハスキル/グリュミオー(PHILIPS PHCP-9549 1957年録音)
若々しく華やいだ演奏で、ワタシはとくに「春」が大好きです。ちょっと金属的モノラル録音だけれど、音質もまぁまぁ。



● イ・ムジチ合奏団〜「アイネ・ク」「パッヘルベルのカノン」「アルビノーニのアダージョ」+α(PHILIPS 420 816-2)
「いかにも」名曲集的一枚は1982/83年のカルミレッリ時代の録音。いきいきとした永遠のスタンダード。こういうCDをバカにしたらあかんよ。



● Brahms 交響曲第4番/大学祝典序曲〜ストコフスキー/ニュー・フィルハーモニア管(RCA BVCC-38006 1974年録音)
ラスト・ライヴとほぼ同時期の録音。老衰とは無縁の自由闊達自在演奏に驚嘆。ライヴでもスタジオ録音でもその雄弁なる歌い口に変わりはない。「大学祝典序曲」の推進力にも文句なし。



● ブレンデルのBach アルバム〜(PHILIPS PHCP-9584 1976年録音)。
発売時にずいぶんと話題になった記憶有。抑制が効いて、自然体の演奏ぶり、けっして”知”のみ勝った演奏ではないでしょ。同じピアノであってもBusoni編曲の「イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ」BWV639、「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659のに作品の”濃度”が違っているのがおもしろい。



● Wagner 「トリスタンとイゾルデ」(抜粋)〜ベーム/バイロイト・フェスティヴァル/ニルソン/ヴィットガッセン(DG 439 469-2 1966年)
かつて「極め付き」と言われた名盤。ニルソンの最盛期でしょうか。想像以上にベームの演奏はアツくて、自信に充ちておりました。ワタシのような根性なしには抜粋がありがたい。



● Mozart コロネーション・ミサK.317・証聖者の荘厳晩課 ハ長調K.339〜デローグ/ヴィルティオージ・デ・プラガ/プラハ室内合唱団(DISCOVER  DICD 920260 1994年録音)
最近見かけませんね、DISCOVERレーベル。この団体は上手いんだよね。驚くほど。集中力もあります。表情明るく、まっすぐに演奏した正攻法的表現か。喜び溢れ、神聖なる気持ちにもなりました。ヴェルネロヴァ(s)の清潔なこと!



● Musica Barocca 〜イル・ジャルディーノ・アルモニコ (TeldecClassics 8573-85557-2 WE810 2001年録音)

Bach 管弦楽組曲第三番をメインに、バロック有名作品を集めたもの。古楽器系の最先鋭の演奏成果で、既にエキセントリックさを感じさせない、新鮮なアンサンブルと”ノリ”を堪能させていただけます。これが一番の出物かな?



● Liszt ピアノ協奏曲第1/2番〜リヒテル/コンドラシン/ロンドン交響楽団(エールディスク GRN-564 1961年PHILIPS録音)
これは十数年間に渡って「いつかは買おう」と思っていた馴染みの、しかも定評ある録音。海賊盤でごめんなさい。いや、もうこれはコメント不要のモウレツ情熱演奏でした。ライヴの熱狂的支持を背景に、別途正式録音されたものだと記憶しております。集中力が凄い。瑞々しい!セクシー!Lisztは苦手!なんて有無を言わせぬ怒濤の迫力テクニックの輝き魅力横溢。コンドラシンのバックがまた(良い意味で)濃厚。


 10枚くらいの一気買いだとちゃんと消化できますね。その峰を越えるともうダメ、数年間眠っているCDもあることでしょう。(罰当たりめ)で、新年は無事開け、北海道に旅立つワタシ。その前に地元BOOK・OFFへ。狙いは「@500CD三枚1,000円セール」。これが”買い初め”だ。


● Beethoven 交響曲第5/8番〜クレンペラー/フィルハーモニア管(EMI HS-2088 1959/57年)
まったく明晰で、細部まで主張が明確な、ややゆるり目のテンポが快い。重量級の演奏だけれど、重苦しくはないんです。但し、録音の尻軽さ、乾き気味なのは気に食わない。(いつものEMI録音の典型)ちょっと感動しました。苦手方面作品だけれど。
(追加)アンサンブルの乱れなどは気にしないし、堂々たる貫禄が全編に横溢する説得力に感服!俗っぽさの欠片もない。でも、この録音の悪さ、というか音の汚さ、濁りはなに?1980年のザンデルリンクとの録音でもそうだったもんなぁ。フィルハーモニア管が可愛そう。



● ミシャ・エルマンのお気に入りアンコール集(VANGUARD 08 8029 71 1959/66年)
一部図書館で借りたことがあって、ワタシにとっては中学生時代(放送室に25cmLPがあった)以来の忘れじの演奏。技術的な危うさ、ワンパターンの甘い風情なんのその、無条件でじ〜んと来ちゃいましたね。二回分の録音、収録は18曲のお徳用。



● MacDowell ピアノ協奏曲第1/2番〜ヴィヴィアン・リフキン(p)/ディクソン/ウィーン国立歌劇場管(MCA/Westminster MCAD2-9842 1958年?録音)
もしかして以前所有していて、早々に売り払った音源かも知れない。妙に親しみを感じる演奏メンバー。オーケストラはフォルクス・オーパーかな?時代相応のステレオ録音。(ソロ中心でオーケストラが美しく録られていない)曲の雰囲気はRachmaninov 風甘美有。従って演奏もそうとうにヴィルティオーゾ風であって、華やかにリリカルに弾いております。粒の揃った音色で、相当なる技巧派。ヴィヴィアン・リフキンって、検索すると歴史的録音辺りで録音がありますね。拾いものの一枚。



● Janacek 「シンフォニエッタ」「タラス・ブーリバ」〜ロジェストヴェンスキー/BBC交響楽団
Janacek 「ブラニークのバラード」 Martinu 二群の弦楽合奏とピアノ、ティンパニのための二重協奏曲〜マッケラス/BBC交響楽団/レスター(p) 
(BBC RADIOCLASSICS CRCB-6045 1981年ライヴ)
好きな作曲家だけれど、マッケラスのほうのみ聴いてみたけれど、意外と不調。他は未聴。



● Beethoven 交響曲第3/8番、第4/7番+「シュテファン王」序曲〜セル/クリーヴランド管(SONY SBK 46328/48158)
Beethoven は苦手、と言いつつ新年早々三枚も買っちゃった。でもさ、セルだったら見逃せないでしょ。未聴。

以上、計6枚=2,000円で買い初め。これからちゃんと体調整えつつ全部聴きますよ。


 正月は北海道へ。体調不良ながら、雪(とくに今年は)少ないのを見計らって親父のクルマで登別BOOK・OFFへドライブ。ほら@250コーナーがあるじゃない。でも、購入したのは厳選一枚のみ。


「展覧会の絵」〜ジュリーニ/シカゴ響(1976年)「マ・メール・ロワ」「スペイン狂詩曲」ロサンゼルス・フィル(1979年) DG POCG-9262 @250
上手いオーケストラだね。ジュリーニは細部までカッチリ、ていねいに歌う人で、この輝かしいヴィルティオーゾ軍団と組合わせると、尋常でないテンションと効果が持続します。いや、もう、切れ味抜群。いつものシカゴ響に+しっとりとした「味わい」も出ます。続く「マ・メール・ロワ」「スペイン狂詩曲」はロサンゼルス・フィル〜この陽気な西海岸のオーケストラが、ここまで繊細な響きに変貌するのも驚くばかり。だけれど、正直、いまひとつ”粋”じゃないか。どうしてDG時代のジュリーニ録音はちゃんと系統的に復刻されないのでしょうか。

 札幌へ移動して、タワーレコードを覗きました。


● ユージン・リスト(EUGENE Liszt 1918-1985)協奏曲三枚組 Tchaikovsky第1番、Rachmaninov 第2番、Grieg、Liszt第1番、ハンガリー幻想曲、ヘクサメロン、Mozart 第20/26番(VOX CDX3 3504 三枚組1,145円 1960年代〜70年代録音)
バックは、クンシュ/シュトゥットガルト・フィル、トポルスキ/ウィーン・トーンキュンストラー管、トポルスキ/ウィーン室内管、ランドー/ヴェストファリャ響(リックリンハウゼン)など超渋系。正直あまり上手くない。

 この人、1962年にアメリカ人初のチャイコフスキー・コンクールの審査員になっているし、ホワイトハウスでも演奏しているから、名を為した方だと思います。しかし、日本語はもちろん、英語表記でも、Googleの検索に引っかからない。一通り聴いた感想は「指は良く回るが、薄味」。有名どころはもちろん、「いかにも」的レパートリーであるLiszt三曲(たしかにこの収録中、もっとも自信に充ちているが)〜一転、Mozart 二曲。ドキドキするような、個性的な味わいを感じません。ああ、もう一度聴いてみたいな、と思わせるような。正直、Tchaikovsky辺りは平板で・・・これはバックと録音問題もあるのかな?。

 これはポイント1000円分使ったから200円少々の出費。ことしもこんな感じでワン・パターンか。

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi