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川崎記念管弦楽団第2回演奏会


1999年12月12日(日)PM2:00〜早島町総合会館「ゆるびの舎(や)」

Wagner ジークフリート牧歌
Bach 2挺のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV1043
Beethoven 交響曲第5番ハ短調 作品67

河田文忠/川崎記念管弦楽団/村上直子・守屋美枝子(v)

 入場料無料でした。「川崎記念管弦楽団の母体である川崎医大室内管弦楽団」と、リーフレットに書いてあるところを見ると、OBを中心とした別団体なんでしょうか。それなりに年輩の人も見受けられました。
 早島町は、岡山からJR瀬戸大橋線で三つか四つ目ながら、なんか凄い田園地帯で、東京大阪の感じから云えば充分(どころか近すぎる)通勤圏。珍しく同行した女房が「一戸建てを買っても安いはず」と目星をつけました。自宅から車で25分くらい。

 「ゆるびの舎(や)」とはすてきな名前を付けたもんですが、600名くらい入るこじんまりとした素敵なホールで、きっとバブルの時に建てたんじゃないかな。でもお客は150人くらい。もったいな〜い。音響もなかなか。

 「ジークフリート牧歌」は難曲。ヴァイオリンのピッチが甘いし、管楽器もまだまだ調子が出ていない。「コンサートの第一曲目は準備運動である」(はやし語録)との真理は当たっているみたいですね。それでも、弦のしっとりとした旋律が一巡したあと、フルートが入るところなんか鮮やか。危惧したホルンも無難にこなしてくれました。

 バッハが凄い。一曲目が終わって、舞台を整理するじゃないですか。指揮台を引っ込めたので「?」と思っていたら、大幅に人数を減らして(たしか13人)指揮者もなし。
 ソリストはアルシェ弦楽四重奏団のメンバーで、さすがプロ。目で合図して演奏が始まりましたが、もう圧倒的な技量と緊張感、バッハの魅力的な旋律にノックアウトされましたね。ナマの楽しみって、よく知っている曲でも、実際に演奏している姿を目撃すること。二人のヴァイオリニストは、主旋律を交互にとって、バックの演奏かと思ったら一緒に弾いていたり、とじつに興味深い。

 凄い名曲。じ〜んときました。(ふだん音楽に縁のない女房も凄い、と)

 Beethoven の有名な第5交響曲。これだけ有名でも、ナマで聴くのは初めてで、やっぱり発見がありましたね。2管編成で、繰り返しをちゃんとしてくれるもの嬉しい。クラリネット、フルートは出色で、ホルンの迫力も衝撃的。

 この曲は(今更ながら)リズム命。「タ・タ・タ・タ〜ン」のリズムが全編を支配していて、200年前にこんな革新的な曲が存在したこと自体が奇跡。ヴァイオリンの弱さは少々気になったものの、オーケストラはよく鳴っていて、気持ちよかったですね。ティンパニが控えめながら、効果的でよく考えられているのにも感心。
 最終楽章はトロンボーンも加わって、華々しく盛り上がって満足できました。河田さんの指揮ぶりは明快でわかりやすい。

 会場の問題もあるかもしれないけれど、無料だし、もっとお客さんはたくさん入って欲しいもの。お客さんのマナーは極上でした。小学生くらいの子もおとなしくしてました。

 アンコールはエルガーの「愛の挨拶」。洒落てます。



その後、このオーケストラでフルートを吹いていたIさんからメールをいただいて感激。

「お便りのページ」に掲載しました。川崎記念管弦楽団 I さんからのメール


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written by wabisuke hayashi