岡大響 第46回定期演奏会1999年12月4日(土)PM6:30〜岡山シンフォニー・ホール
シューベルト 「ロザムンデ」序曲 保科 洋/岡山大学交響楽団
サマーコンサートに行ってからもう4ヶ月も経ったんだなぁ。危うく行くのを忘れるところでした。当日券800円を払って、開演30分前に入場。(スポーツクラブに行ってました) 岡大響の演奏会はお客さんがいっぱい入るし、若い人がたくさん来るので楽しみなんですよ。前回より多かったんじゃないかな。お客のマナーも極上。それにしても、自宅から車で25分くらい、駐車料金も750円で安いし、これが地方都市の良さですね。 「ロザムンデ」。→もとより学生オーケストラに緻密なアンサンブルなど求めて来ていませんが、まだまだ緊張してみんな身体が硬いようで、管楽器なんか息が合わないみたい。それ、頑張れ!でないとオレは眠るぞ。
「軍隊」→この辺りでいつもと違う「音」に気づきました。今回の席は、指定席だったらA席かS席でしょ?ワタシがいつも上階の中央に陣取るのは、オーケストラの全体(演奏者のひとりひとり)を見渡したいからなんですよ。でも、我がS席は指揮者やコンマス(ハンサムボーイ)、チェロやコントラバスの手前側の人くらいしかちゃんと見えないのが不満。
ハイドンは弾むようなリズムが身上だと思うけど、むしろ優雅にゆったりめのテンポで聴かせてくれますね。それとこの曲、打楽器が4人も頑張っていて、ハイドンさんの工夫が生きてます。アレグレットで、マーラーの5番みたいなトランペット・ソロのあと打楽器が大活躍。 で、驚愕の「オケ・コン」→どう考えたって難曲じゃないですか。はっきり云って期待してなかったんですよ。だいたいこの曲、上手いオーケストラほど演奏が映えるはず。(シカゴ、クリーヴランドとかベルリン・フィルとか、ね)ところが!
冒頭、コントラバスの振幅の大きな東洋的旋律から「ん、これは」という期待が高まって、フルートから始まる木管群もいい感じ。「バルトークに駄作なし」の原則を適用しても余りある最高傑作、いままで聴いていたCDなんかメじゃないくらい感動しました。 第1ヴァイオリンは、むしろ伴奏に回っていて、なんか素人にはよくわからない高音を多用した複雑で幻想的な響きがたまらない。(チェロの荒々しいピツィカート・・・・かき鳴らすような・・・・あれもかっこいい)そして「ここぞ」という出番での(例のややオタッキー風色男コン・マスを先頭に)ボウイングを大きく取った「キメ」。 木管群のアンサンブルも抜群、途中で気づいたんですが、例のサマーコンサートでも頑張っていた、ノリノリのクラリネットのお姉さんが見えましたよ。相変わらずの、身体でリズムを取って熱気が伝わってくるようなパフォーマンスでしたが、技術的に格段と前進している。フルートもオーボエも(顔は見えなかったが)上手い。 ティンパニ(体育会系柔道部所属風のお兄さん)の決まりかたの鮮やかさ(ドラが出てくると嬉しいな)、姿は見えなかったが小太鼓の乾いた響きの妙、ハープの効果的な使われ方、金管も後半になればなるほど調子が出てきて、迫力に圧倒されます。(例のフタ・・・・弱音器?・・・・をつけたり外したりで、細かい調整をしているんですね) 最終楽章は、いかにも速いテンポの見せ場でしょ?ここが決まらないと画竜点睛を欠く。CDでもここがイマイチな演奏は存在します。(A.フィッシャー/ハンガリー国立交響楽団 NINBUS NI1771なんか、ね)→で、やってくれましたよ。熱気あふれる爆発。会場と演奏者が一体となった感動。「ロザムンデ」の時を思うと、演奏者も本番一発勝負に賭けて勝利したんですね。 もう、これは鳥肌もの。で、終了30秒前にワタシは決意しました。いままで自ら禁じていた「ブラヴォー」を。あれ、かん高い調子外れの「ブラヴォ〜・・・・」を拍手の渦の中に入れると気恥ずかしいんです。曲が終わって、拍手が始まる一瞬の間をとらえて、低い声で控えめに「ブラヴォ」と・・・・・・・そう、あれはワタシです。 翌日、スクロヴァチェフスキ/ミネソタ管(VOX CD3X 3015)で、この名曲を噛みしめ直しました。 う〜ん、みんなよくやったねぇ。感動しちゃいました。私たちの街に、このオーケストラがあることを誇りに思います。
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