「コンサートへ行こう」へ

川崎医大室内管弦楽団第27回定期演奏会


1999年10月11日(月)PM2:30〜倉敷市芸文館大ホール

Mozart 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲 K527
福島 達夫 指揮

ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K219「トルコ風」
村上直子(v)

Bizet 交響曲ハ長調
河田文忠/川崎医大室内管弦楽団

チケット代500円。

 ワタシもまだ転居して間がないので、あまり詳しくはないんですが、岡山市が人口60万で倉敷市が40万ほど。この二つの市はほんとうに近くって、JRの快速で13分ほど、自宅から車で30数分。倉敷はメジャーな観光地で夏休みにも行ってみましたが、そのとき途中で大きな大学が見えていて、それが川崎医科大学(ほか福祉大とかいろいろあるらしい)でした。

 先日の岡山フィル演奏会の時に、この演奏会のチラシをもらっていたのですが、いかんせん場所がわからない。で、調べながらおそるおそる車で走ったら、すぐわかりました。芸文館大ホールって、美観地区のすぐ側なんですね。当日券を買って入場。
 席数860そこそこながら、こじんまりして素敵なホールでした。バブルのときに日本のあちこちに、こんな立派なホールができて、きっと数十年単位できっと大きな役割を果たしてくれると信じます。

 お客の入りが悪くて半分くらいかな。それに隣のお婆さん二人組がものすごいおしゃべりで、まぁ、演奏中は大人しいからいいんじゃない、と思ったら、とうとう全奏時におしゃべりを再開。少々閉口。
 開演までの30分じっくりとパンフレットを読んだけど、まさに学生のノリで、20年ほど先輩(別の大学だけど)のワタシの学生時代となんら変わらない青春ですね。楽しそう。うん、若さって、なにも所有していないように見えて、じつはすべてが揃っている素晴らしい時代。(と、今になってしみじみ思う。閑話休題)

 福島さんは、OBで川崎医大でお医者さんをしているとのこと。本来チェロだけど、熱烈なカープ・ファンらしく、私設応援団でトランペットも吹いているらしい趣味人。(人生こうでなくちゃ)生初体験の「ドン・ジョヴァンニ」は、お腹にしみましたよ。ヴァイオリンのピッチが悪いことなんて、メじゃないでんすよ。いや、学業のかたわらなのに立派だこと。

 ヴァイオリン協奏曲は、村上さん(青いドレスが素敵)のヴァイオリンがなんと朗々として美しい。モーツァルトの協奏曲は、いつも「人の声」を思い起こさせますね。美しいソプラノが眼前に現れるような演奏。なんという名曲、天才の技。

 ビゼーのエレガントな交響曲が聴けたのも楽しい。
 第1ヴァイオリンの薄さ、オーボエやホルンの技術的な危うさは気になります。誤解のないように云っておきますが、「気になる」のは、「嗚呼、なんとかここは無事に乗り切って欲しい」という気持ちでいっぱいの意味なんですよ。ウ〜ン、例えていえば最下位で低迷する阪神タイガースの応援団か(ちがうかな?ごめん)。深い愛情と、感情移入。

 この曲は以前から好きでしたが、旋律の楽器ごとの受け渡しや、不思議なサウンドの秘密(例えば第3楽章冒頭のヴィオラとファゴットの重ね)が見えて、もっと好きになりました。

 パンフレットを見ると、初めて楽器をさわった人もいるみたいなんで、練習しながら演奏会までこぎ着けたんでしょう。50名もいないのかな、心から応援したくなる演奏会でした。
 もっと、宣伝してたくさんお客さんを集めないと、もったいないですよ。祝日だけど、日程が悪かったのかな。岡山でも演奏会は宣伝してね。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi