1999年2月21日(日)PM2:00〜大阪フェスティヴァル・ホール
グノー 歌劇「ロメオとジュリエット」より「私は夢に生きたい」 秋吉 邦子(s) ベートーヴェン交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」 金 聖響/大阪シンフォニカー フェスティヴァル・ホールに行くのは10年ぶりくらいでしょうか。大きいホールはほぼ満員の盛況で、2階席は高く、左膝が完治していない私はなんとなく高所恐怖症気味。風邪気味のため服用した薬の眠気がひどく、目を開けているのも一苦労・・・・と情けない状態。 このホールは、大きいですけど音響には定評があるんですよね。やっぱり生演奏は気持ちがいい。金 聖響さんて、1970年生まれというからまだ30歳になっていない。大阪生まれだそうで、ある意味故郷に錦を飾ったかたちでしょうね。若くてハンサム、かっこういい。となりのおじさんが「まるで音楽家になるために生まれたような名前だな、黄金の聖なる響き」とはなしていたことに同感でした。 チケットが安いせいもあるでしょうが、この不況時にこんなにたくさんの音楽を楽しむ人々がいて、マナーのよさ、拍手の暖かさも出色。ガサツと云われる大阪も捨てたもんじゃない。
まず、秋吉さんのコロラトゥーラ・ソプラノの前半から。最初の曲はまだのどが暖まっていなかったせいか、フラットぎみでした。だんだんに調子が出てきて、高温も良く伸びるようになりますが、中低音の歌がどうも不安定。 「セミラーミデ」はロッシーニのなかでももっとも好きな序曲で、速いテンポでリズムもキリリと引き締まっていました。最初の曲だけハープが入るのですが、ホールに良く響くので感心しました。 大阪シンフォニカーのメンバーは、女性が目立ちます。6本のコントラバスのうち4人が女性。全体でも半数くらい女性かな。アンサンブルは、ちょっと信じられないくらい立派でよく整っています。技術的にもまったく危なげなくて、ホルンも最後まで一度も音がひっくり返らない。
「英雄」は、速いテンポで勢いのあるスッキリとした響きでした。全体として弦の響きより、管楽器が目立つのは編成のせい?(第1ヴァイオリンは12名でした)ちょうど、昨今の古楽器による演奏の成果を受けた一連の新しい録音を連想させます。 正直云って、日本のプロの演奏水準の高さに驚きました。CDで聴けば、細かいアラや表現の工夫の不足を感じるかも知れませんが、ホールの響きに直接身体を預ける快感は特別です。帰りにレコード屋さんに寄りましたが、CDを買う気になれず。 「朝日名曲コンサート」はあと4回ありますが、私は転居してしまうのでこれで聴き納めとなりました。残りのチケットはどなたかにさしあげましょう。転居先の岡山市には「シンフォニー・ホール」があるらしいので、楽しみにしています。
その後若手指揮者 金 聖響さんからメールをいただきました (本人の了承を得て以下掲載)
金聖響です。
朝日新聞シリーズの批評、ありがとうございます。
あの演奏会は一日2回演奏という事で、精神的にしんどいもんがありましたが、楽しんで頂いたかたがいると知るだけで、やってよかったと思いました。
失礼しました!では、また。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 私のヤクザなHPを見ていただけるなんて感激。私は岡山に転居してしまったので、当面の演奏会には行けませんが、1970年大阪生まれの若手指揮者をこれからも応援しちゃう!
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