デア・フェルネ・クラング第5回定期演奏会
(角田鋼亮指揮/2019年9月22日愛知県芸術劇場コンサートホール)


Schreker

大オーケストラのための舞踏劇「ロココ」

R.Strauss

歌劇「サロメ」より「7つのヴェールの踊り」

Mahler

交響曲第6番イ短調「悲劇的」

角田鋼亮/デア・フェルネ・クラング

 音楽は生演奏体験してこそ画竜点睛、Mahlerは第4番第7番第10番未体験なんです。交響曲第6番は2回め、前回は19年前でした。無為無策な連休中、季節も落ち着いてきたし、マチネだし、意を決して(名前のムツかしい)アマオケの演奏会に出掛けました。あいかわらず芸術劇場のエアコンは寒かったけれど、演奏はモウレツに熱いものでした。

 かなりマニアックな音楽を聴いているつもりだけどFranz Schreker(1878ー1934墺太利)の「ロココ」は初耳。濃厚な後期浪漫風爛熟した響き、そのままMahlerや新ヴィーン楽派へつながっていきそうな感じ。けっこう有名なR.Strauss(セクシーな作品)だって実際に聴いたのは初めてでした。意欲的な選曲でっせ。

 Mahlerの第6番はその異様なスケール+怪しい風情に最近敬遠気味の作品でした。第2楽章に「Andante moderato」を配置。これは強烈!打楽器計8人、時に舞台裏に二人引っ込んでカウベルの遠い響き、第1楽章ラストあたりでトライアングルは4人掛かり、終楽章ではシンバル4人でっせ。時々ティンパニも二人になるし、大太鼓はほとんど出ずっぱり!ヘリを叩くのはなんですか?ドラはもちろん、皆さんご存知、ラスト渾身のハンマー2爆発!待ってました。

 ハープ2台はもちろん、チェレスタも二人。豪華4管編成、フルートはピッコロ含めて5人、金管木管いったい何人!一斉ベルアップは楽譜の指示ですか?ホルン、トランペット、オーボエ一箇所ミスったけどそれがどーした!ものすごく気持ちよく朗々とガンガン鳴らしてましたよ。弦も美しく分離して(第2楽章「Andante moderato」絶品)迫力充分、低音良う響いて、テンポの変化もみごとに縦線を揃える若き角田さんの統率は端正でした。

 こんなん聴いちゃうと自宅オーディオなんて屁みたいなもの、生演奏たっぷり堪能しました。

(2019年9月22日)

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written by wabisuke hayashi