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岡山交響楽団 第36回定期演奏会


2002年11月17日(日)PM 2:30〜岡山シンフォニー・ホール 招待券いただいちゃいました

Mozart 歌劇「魔笛」序曲
Smetana 交響詩「ボヘミアの森と草原から」
Brahms 交響曲第2番ニ長調

杉本 賢志/岡山交響楽団

 あれ?招待券いただいた、当のM女史は出番がなかったのかな?(メールいただきました。「ボヘミア」のシンバルに参加とのこと。どうも意識を失っていたらしい)コン・ミスの片山さん、セカンドに座っていて、なんやらジ〜ンと来ちゃいました。(こんなこと書いていいのかな?でも、感動した)じつは、前回の定期でも、片山さんは次席に座って若い辻さんに譲っていたでしょ?ちゃんと見てました。片山さんがカラダを揺すってアンサンブルをリードしてたことを。

 今回は、三上さんをコン・マス席に座らせていましたもんね。ワタシみたいな外部の者、しかも面識がなくてもそれは気付いていました。ああ、暖かい気持。それと、話しが変わるが、一番前の席真ん中で陣取っていた白シャツ男、第1曲目から誰よりも早く、まだ曲の残響が消えないウチに(傍若無人に)拍手してましたね。第2曲目でも。でも、ラストBrahms はあまりの熱き盛り上がりに、白シャツ男の(余計なる)パーフォーマンスもかき消されました。会場万雷の拍手が圧倒的。

 1000人くらいですかね、お客は。立派です。ワタシはいつも通り「親から子へ伝える岡山の食文化を否定するhayashiを糺す会」会長とともに、今回は(珍しく)2階席向かって左バルコニー席(かなり高い)に陣取りました。岡山シンフォニー・ホールは残響が長すぎて、ちょっと音が分散するイメージがありました。ところが、高い位置だとちゃんと響きの中に芯が感じられる。

 医者であり、チェリストでもある福島さんの懇切丁寧な楽曲解説は素晴らしい。Brahms 第4楽章はたしかにMahler に聞こえますよね。

 さて「魔笛」序曲が始まりました。上手い。弦の厚みが素晴らしい。オーソドックスで安定したテンポだけれど、暖かい響きがありました。オーボエの女性は、なんて艶やかな音色なんでしょう。今回はね、ちょっと訳あって3人の女性ティンパニ(曲ごとに変わる)に注目していたんだけど、ここでの若い女性はちょっとソロリソロリ状態だったかな?Mozart って、むずかしいんでしょ?

 名作「わが祖国」のなかでも、ちょっと地味な印象のある「ボヘミアの森と草原から」〜コレ難曲だと思います。まとまりを付けるのはとても難しい。同行した「親から子へ(中略)糺す会」会長によると「ああ、これWagnerの影響あるね」とのこと。次々と旋律が受け渡され、ちょっと濃厚な旋律が厚みを持って表現されます。

 件のティンパニがね、赤澤さん?川崎記念管なんかで「フツウの主婦」っぽい名人とワタシが高く評価した人じゃないの。いやはや、相変わらずですね。淡々としたパーフォーマンスながら、余裕の名人芸ぶり。コレ、完全にアンサンブルのカナメになっていますよ。

 この曲、ちょっと軽視していたので、真面目に聴き直します。


 「Brahms のキモはチェロとホルン」と「(中略)」会長に、したり顔に事前コメントしたが、まさにその通り。いつも思うんだけれどBrahms の交響曲って、CDで聴くイメージよりずっと楽器編成が小さい感じ。(2管編成っていうの?)今回は向かって左(上)に陣取ったでしょ?チェロが真正面だし、岡響名物美人コントラバス軍団(なんかちょっとメンバーが違う?〜メールこれもいただいて、メンバー変わっていませんよ。とのこと、見る位置関係とワタシのド近眼乱視問題らしい)も全貌拝見可能。

 何度もCDじゃ聴いている曲だけれど、これほど細部まで堪能したのは初めてでしょ。チューバの大嶋さんが、ほとんどヒマそうにして、ぼ〜っとしているが、第1楽章、最終楽章で彼がアンサンブルに加わるとたしかに厚みが倍加します。コレ、ナマならではの発見でした。提示部を繰り返して、じっくり聴かせてくれるのも嬉しい。

 フルート、オーボエ、各々2本だけど、ほとんど一本ずつで馴染みの旋律をのびのびと表現します。フルートの爽やかなる音色は絶品、オーボエは「魔笛」女性とは違う男性だけれど、技量になんの不満あるものか。ホルンも5〜6人いらっしゃったが、ソロがけっこうあるんですね。ヴィヴラートが効いて美しいこと。

 チェロがね、やっぱり活躍してます。チェロが主旋律で、ヴァイオリンが伴奏、みたいなイメージがある。弦は、中低音が充実してたいへんな前進ですね。4年前でした?第3番やったときより、ずっと洗練されてアンサンブルが溶け合っていました。素敵な演奏です。

 ティンパニは、また別の女性でした。Brahms って、勇壮でスケール大きな印象があるけれど、もの凄く抑制されて無駄なく各楽器は使っているのね。ティンパニも例外ではない。福島さんの楽曲解説では「遠雷」って表現していたけど、けだし名言。ほか、最低限の楽器編成で、充分なる成果を上げる、ということが証明された演奏でしたね。

 終楽章。ワタシはカルロス・クライバー/ウィーン・フィル(の演奏)が頭にありました。燃えないとね。美しいアンサンブルそのままに、こんな興奮させて下さって感謝の気持ちで溢れました。さっき言ったでしょ?白シャツ・フライング拍手男も存在価値を失ったって。会場皆充分堪能しました。


 アンコールは「主よ、人の望みの歓びよ」〜コレ、ワタシの一番好きな旋律です。幸せな気分を抱えたまま「(中略)」会長と一時間ほどお酒を飲んで演奏会の余韻を楽しみました。ご招待、ありがとう。 


 翌日、数人の団員の方々からメールをいただきました。(抗議の、違うか)「白シャツ・フライング拍手男」のパフォーマンス大受けだったそうです。

 それにしても「岡響専属コメンテイター」であるワタシには、(招待券以外)なんの見返りもない・・・・いえいえ、素敵な音楽を聴かせていただけるだけでも充分でございます。4年間ほぼ皆勤賞なのに。(単なる愚痴でした)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi