「コンサートへ行こう」へ

岡山交響楽団 in 建部 クラシック・コンサート


2001年6月17日(日)PM2:00〜建部町文化センター大ホール  500円

Smetana 交響詩「モルダウ」
歌劇「売られた花嫁」より「ポルカ」「フリアント」「道化師の踊り」

Tchaikovsky  バレエ音楽「白鳥の湖」より
序曲、第1幕情景、ワルツ、第2幕情景、チャールダッシュ、ナポリの踊り、フィナーレ

杉本 賢志/岡山交響楽団

 いつもながらワン・パターンのワタシの演奏評なんかどうでも良いが、こんな幸せになった気分は久々・・・というか、初めてかも〜という小話を一席。お時間まで。

 え〜、世の中には「追っかけ」と称する人々もいるみたいで、お気に入りのアイドルをどこまでも追いかけて一筋。ワタシも岡響を追いかけて岡山市から北へ30km、「あぐりの故郷」御津郡建部町まで行って参りました・・・なんてやや大ウソで、ここは八幡温泉の関係で何度も行っていたので、知っている会場だったんです。

 前日(土曜日なのに)出張で、早朝6:30に出て山口県中を走り回って、岡山駅に帰ってきたのが夜の8:00。クタクタで死んだように眠った翌朝、HP原稿をまとめつつ自宅を出発したのが11:30。会場には12:30に到着、旭川沿いの道を、天気も良くて気持ちの良いドライブしました。30分ほど温泉に浸かって(極楽)、会場の食堂で親子どんぶりを食いつつ開場を待ちました。

 まず結論から。演奏会の演目が終わって花束贈呈。指揮者の杉本さんには妙齢の女性が、コンサート・ミストレルの片山みずえさんには中年の男性から大きな花束が・・・。ここまではいつもの風景でしょう?その後、一番前の席に陣取っていた中学生くらいの女の子(たくさんいたウチの)ふたりが、小さめの花束を掲げて舞台の上へ・・・。

 事件はその時起こりました。フツウの女の子が、花束を指揮者に、そしてコンサート・ミストレルにプレゼント。その直後、ふたりは揃ってバレエの仕草で〜手を後ろに引いて、腰を落として〜礼をしたのです。なんという不意打ちの可愛らしさ。会場 の拍手の中、小さなどよめきが起こりました。ワタシ、中年のおっさんで恥ずかしいが、感動で少々涙ぐみました。

 じつは8月25日(土)夜6:00から、コウワバレエ公演で「白鳥の湖」(全幕)が上演され、我らが岡響が伴奏を務めるんです。件の花束の娘等はバレリーナの卵なんでしょう。そういえば、えらくスタイルの良い数人の若い女性も会場にはいましたね。本公演を控えて、岡響を応援に来たのでしょう。帰りのドライブ中、ずっと幸せな気持ちでした。こうやってHPの原稿を書いていても、笑みがこぼれます。


 この会場は3年ほど前に建てられたとのことですが、とても立派です。600人くらい入るのかな、2階席もあって田園地帯には相応しからぬ(失礼)きれいな会場。でも、壁がタイル張りで、予想通り金管や打楽器が響きすぎる。弦のバランスが弱くて、乾いた音質なんです。館長さんの挨拶によれば「こういったクラシック音楽のフル・オーケストラ公演は初めて」とのこと。

 観客は300人程かな。小さい子供もたくさんいて、中には赤ちゃんを抱いた若い夫婦とか、ベビーカーまで来ていたけれど、演奏中の雑音はほとんど気になりませんでした。観客の熱意が伝わるような演奏会。CDとナマでは、サバのミソ煮缶と関サバの刺身くらい違うんです。(サバのミソ煮も捨てがたいのはもちろんだけれど)

 モルダウは前回定期の演目だけれど、デッドな響きに合わせたせいかテンポは速め。「売られた花嫁」は、少々アンサンブルが荒れて聞こえるのは会場のせいか、難曲故か。

 団員のホルンの女性が行き届いた説明をしてくれて、休憩を挟んだ後半では、各パートの演奏紹介もしてくれました。「白鳥の湖」はトランペットの熱演、情景におけるオーボエの妙技も聴けて熱演でした。但し、全奏では金管と打楽器が響きすぎて音が濁ります。ま、いつものことだけれど、この迫力、音量は絶対にCDでは聴けないもの。

 ハープはなくて、シンセで代用していたけれど、まったく不足を感じさせないので感心。アンコールの「スペインの踊り」のカスタネットもずばりキマっておりました。

 ワタシ、花束の少女に、そして岡響に敬意を表して、コウワバレエ公演にも行く決意を固めました。8月25日(土)PM6:00開演。自由席1,000円。どなたかご一緒しませんか。その後、岡山で飲みましょう。嗚呼、幸せ。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi