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川崎記念管弦楽団第3回演奏会


2000年12月10日(日)PM2:00〜早島町総合会館「ゆるびの舎(や)」 入場無料

Faure 組曲「マスクとベルガマスク」 作品112

Beethoven 交響曲第3番 変ホ長調作品55「英雄」

河田 文忠/川崎記念管弦楽団

 一年は早い。今年行く予定の演奏会もこれにて打ち止め。フルートのIさんから「12月10日は演奏会ですよ」と、わざわざ出席確認もありましたので、ちゃんと出掛けましたよ。ゆるびの舎は、ウチから車を飛ばすと30分かからないんです。お昼を食べてひとやすみ、ゆっくり出掛けると4時過ぎには自宅に戻ってこられる計算。

 昨年が150人くらいのはずだったから、もう少し観客は増えていました。この会場は小さいけど、座席もすべて木製だし親密な響きで気に入っております。昨日、岡大響でフォーレを聴いたばかりなのに、連続して聴いてしまいました。レパートリー的には珍しいと思います。

 40名ほどの楽団なので、弦が少々薄く感じるのはしかたがないでしょうか。繊細さが要求される曲ですが、とくに木管群が立派な演奏でした。雰囲気で聴かせがちの曲ですが、河田さんの指揮ぶりはいつもながら明快。

 15分の休憩後は、ワタシ、ナマでは3度目の「英雄」。川崎記念管は「川崎医大室内管のOB会」みたいなもので、集まって練習する機会も限られているみたいだし、技術的云々は仕方がないと思うのです。でも、この演奏は出色の熱演でした。散々聴いた、お馴染みの名曲がまた新鮮に蘇りました。

 もしかして会場が狭くて、演奏者が眼前で音を出している熱気が伝わりやすいのかも知れない。でも「お、川崎記念管、腕を上げたな」といった感想。第1楽章から気合い充分、提示部を繰り返してくれたのも嬉しい。第2楽章は、遅めのテンポでダメ押しの力強さがある。低弦部、ホルン(岡響の指揮者、杉本さんも出張されておりました)の迫力。

 スケルツォもノリノリで、木管群は細かい音型をこなしてくれて申し分なし。ティンパニの女性とトランペットがかみ合って、じつに効果的。終楽章はオーケストラ全体が怒濤の盛り上がりで、思わずカラダが揺れました。フォーレでは気になった弦の薄さも、熱演です。チェロのトップはお医者さんの福島さんでしょ?ヴィオラのトップ(都築さん?)は、いつも微笑みを浮かべて、楽しそうにイキイキと弾いていらっしゃる。

 アンコールは、ブラームスのハンガリー舞曲第1番でしたが、こんなに心にしみたのは初めて。哀愁に満ちて、とうとうと、確かめるようにテンポを揺らせて最高でした。・・・・・また、呼んで下さい。来年は会場をいっぱいにしましょうね。


お薦めCD〜というか、自宅に帰ってから余韻をたしかめるために取り出したCD。

Faure
組曲「ペレアスとメリサンド」作品80
歌劇「ペネロープ」前奏曲
組曲「マスクとベルガマスク」 作品112

Debussy
小組曲(ビュッセル編)

アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(1961年録音)
FIC ANC-155 667円で購入(海賊盤で済みません)〜サラリと雰囲気で聴かせる演奏。メカニック的にどうの、とかいう評論はあるが、このけだるい味わいは現代では消滅してしまったもの。録音も良好。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi