「コンサートへ行こう」へ

川崎医大室内管弦楽団第28回定期演奏会


2000年10月15日(日)PM2:30〜早島町町民総合会館「ゆるびの舎」にて

Mozart 歌劇「劇場支配人」序曲 K486
Beethoven ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58
Haydn 交響曲第100番 ト長調 Hob 100

河田 文忠/川崎医科大学室内管弦楽団/竹内京子(p)

当日券500円でした。

 倉敷市に存在する「川崎医科大学」の学生さん達のオーケストラです。昨年の定期演奏会も行ってみましたが、ことしは早島町「ゆるびの舎(や)」(ワタシの自宅から車で25分ほど)での開催。いつもながら宣伝には不熱心で、ワタシ自身、数日前に職場の近所でポスターを見かけて急ぎ駆けつけたもの。ま、学業は忙しいでしょうが、もっとちゃんと宣伝して下さいよ。ことしもお客は少なかったなぁ。残念。

 ここ最近「歴史的録音」ばかり聴いていたせいか、やはりナマはいいな、とつくづく感じましたね。このさい弦のピッチが悪かったり、オーボエの音が出なかったり、ホルンの音がひっくり返ってばかり、なんてのはどうでも良いことで、若い人たちの真摯な姿勢が胸を打ちました。(イヤミじゃありません。ホント)

 「劇場支配人」序曲は、はじめからテンションが高くて勢い充分な演奏。河田さんの指揮は明快で、演奏者も一生懸命その意図を汲み取ろうとしていました。つまり、ちょっと中腰から大きな身ぶりで指示が出ると、オーケストラが爆発します。

 Beethoven のピアノ協奏曲は、ナマ演奏初体験。竹内さんはもちろんプロで「こないだまでウィーンに演奏会に行っていた」(という話しに、団員がビビっていたそう)という大学の先生。青いドレスが素敵でした。(去年の定期のヴァイオリン・ソロも青いドレスだった記憶がある)演奏会では、かならず協奏曲をひとつ入れるそう。

 静かで諄々と諭されるような第1楽章。竹内さんのピアノは音色が明るくて、華やかな印象でした。(楽器はスタインウェイ・・だったはず)カデンツァは誰のでしょう(真剣に考えたことはない)、けっこう長くて聴きどころ多し。第2楽章は、こうして改めて聴いてみると、ずいぶんと革新的で無機的な旋律の寄せ集め。中間部でソロのテクニックの披露があります。たしか、途中でヴィオラが美しい伴奏をしたはず、初めて気付きました。

 春の目覚めのような終楽章は、いつ聴いても美しい。ピアノの音量が大きすぎて、少々濁りが感じられるのは会場の問題でしょうか。力強く、芯のあるソロに満足。オーケストラも一生懸命付けていました。

 15分の休憩の後、Haydnの「軍隊」。これは昨年、岡大響の演奏会で一度聴いていました。この曲、全パートの休止や打楽器を4人を揃えたりと、なかなか当時としては先鋭的な試みが感じられます。いつもそうですが、第2楽章の牧歌的な旋律が耳から離れない。フルートとかトランペットがけっこう良い感じで頑張っていました。

 元気があって、演奏会映えする曲・演奏。なかなかの熱演で、ハイドンはまず元気で、イキイキしていることは必須の条件なんです。

 アンコールは、指揮の河田さんが曲を説明してくれたけど、聴き取れず。とても楽しい曲でした。アンコールで何人か演奏に加わったけど、もしかしてこれで卒業していくメンバーかな。

 1970年結成というから、もう30年の歴史があって、これだけ演奏会を続けているのは立派でしょう。でも、なんとかお客さんは増やしていきたいもの。この演奏が、200〜300人しか聴いていないというのはもったいない。ワタシが学生の時は勉強もせず「自主活動」ばかりでヒマなもんでしたが、医療福祉関係の学生さんは忙しいんでしょうねぇ。

 そこをなんとか、工夫していただきたい。ワタシも応援します。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi