J.Strauss ウィンナ・ワルツ集
(フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン放送交響楽団)
J.Strauss
喜歌劇「こうもり」序曲
アンネン・ポルカ
皇帝円舞曲
トリッチ・トラッチ・ポルカ
美しく青きドナウ
ハンガリー万歳
ウィーンの森の物語
ラデツキー行進曲
フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン放送交響楽団
エールディスク 1961年録音 GRN-547 DGの駅売海賊盤(非ライセンス盤)/中古@250也
年末は第九、メサイヤ、クリスマス・オラトリオ。正月はウィンナ・ワルツにMozart 、パターンにはまった音楽生活も悪くないものです。どこのBOOK・OFFにでも転がっている駅売海賊盤(非ライセンス盤)で申し訳ないが、LP以来待望の入手をしたのが2007年8月8日五反田にて、とレシートが残っております。けっこう昔(LP時代)からの愛聴盤也。
オーケストラに甘い響きは期待できないが、溌剌と颯爽躍動してリズム感良く、ヤワさ皆無。選曲もエエですよね。冒頭「こうもり」からノリノリだし、「アンネン・ポルカ」の揺れには節度がある。「皇帝円舞曲」はテンポの対比が極端(ルバートが上手いですよ!)で効果的。元気一杯に賑々しい「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の疾走、大爆発・・・
もちろん、言うまでもなく雰囲気タップリで(これもかなりのルバート)ちょっと粗野で鄙風「美しく青きドナウ」・・・嗚呼、キリがない。音質は(きっとLP板起こしだから)ちょっとモヤ付いているが、ちゃんと音楽を楽しめる水準でしょう。「ハンガリー万歳」は指揮者の母国に敬意を表したものか。そして、ゆったりとしたテンポで開始され、軽快にテンポを上げていく「ウィーンの森の物語」の快い笑顔の歌。やや躓いたような特有のワルツのリズムも本格的でしょう。 とは「ウィンナ・ワルツ覚え書き」〜また再会(第9集)のコメントです。
”本場もん”に固執するつもりはないんだけれど、尊重したい気持ちはありますね。ハンガリーの指揮者がベルリンのオーケストラで”ワインナ・ワルツ”というのも一興、リズムのキレもあってなかなか楽しい、立派な演奏に仕上がっております。「ハンガリー万歳」を添えているのは指揮者のこだわりだろうし、「皇帝円舞曲」「美しく青きドナウ」「ウィーンの森の物語」という売れ筋外さず、リズムと勢いに溢れた選曲。オーケストラは少々無骨、しかも硬派で楷書の演奏だけれど、意外と粋なんですよ。なんせリズム感がしっかりしていてよろしい。大爆発時の響きの濁りは録音のせいか。
「こうもり」始まりました。まさに正月に相応しい賑々しい旋律、そしてウキウキするような勢い。歯切れの良いフレージング、テンポの揺れも自在でアンサンブルはぴたりと決まっちゃう。「アンネン・ポルカ」は躊躇いがちの”タメ”も優雅で、少々生真面目に、しっかりとリズムを刻んでおります。「皇帝円舞曲」に細部迄曖昧さ皆無、かっちりと描き込んで、序奏から主部の円舞曲に入ると華やかな雰囲気が溢れました。
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」は快速大躍進!「美しく青きドナウ」は優雅で大柄な歌、間に、きびきびとしたリズムが刻まれて力強い。「ハンガリー万歳」は精気漲(みなぎ)る、全力ポルカであります。少々やかましいほどの勢い有。「ウィーンの森の物語」は、序奏のホルン、木管、チェロ、そして(控え目なる/テンポかなり遅い)ツィターがしみじみ優雅で美しい。ワルツ主部に入ると例の如し、テンポは揺れ、たっぷりタメが頻出して、これが見事に決まっている。朗々と歌って、”弱い”音楽ではない。ヤワじゃないんです。硬派で立派な演奏は、少々堅苦しいですか?
ラスト当然「ラデツキー行進曲」となります。これは正統派独逸のリズムであって、これほどティンパニが見事に決まった演奏は聴いたことがない。馴染みの作品だけれど、金管、ピッコロの強調が華やかで新鮮でした。 (2009年1月8日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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