Vivaldi ドレスデン協奏曲集(1)
(アルベルト・マルティーニ(v)/アカデミア・イ・フィラルモニチ)


NAXOS 8.553792 Vivaldi

ヴァイオリン協奏曲ハ長調RV170
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調RV383
ヴァイオリン協奏曲ト短調RV319
ヴァイオリン協奏曲ト長調RV314a
ヴァイオリン協奏曲イ長調RV341
ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調RV366「Il Carbonelli」
アルベルト・マルティーニ(v)/アカデミア・イ・フィラルモニチ

NAXOS 8.553792 1995年録音

 Bachは大好きだけど少々立派過ぎ、出来の悪い息子(=ワシ)が説教されているような気持ちになることもあります。ここ最近、大音量管弦楽団拝聴には女房殿の厳しいチェックが入るので頻度は落ち気味、こんなVivaldiだったら心安らかに、爽やかに聴けますよ。出会いは中学生時代、懐かしいLPデザインイ・ムジチの四季」(フェリックス・アーヨ(v)1959年)は当時、永遠のベストセラーでした。豪華見開きジャケットに+スコア付き、熱心に心躍らせて幾度聴いたことでしょう。

 やがて幾星霜。聴き手はあっという間に還暦に。数少ない30cmLPを大切に聴いていた少年は「四季」に限らずVivaldi作品は種々たくさん、モダーン楽器古楽器問わず聴けるようになりました。アーヨ盤は(21世紀の耳にどう響くか)ちょっと怖くて、しばらく聴いておりません。(←駅売海賊盤ですんまへん)

 Vivaldiってどれを聴いても同じよう?NAXOSはやや知名度の低いモダーン楽器団体(イタリア)を起用して録音しておりました。自由自在に音楽を聴けるような身分環境に至って、真面目に聴いてあげましょう。作品の経緯はようワカラんけど、当時弟子のピゼンデル(Johann Georg Pisendel/1687ー1755)が師匠の作品を写譜してドレスデンの宮廷オケに持ち込んだもの?(自信ありません)NAXOSではCD4枚分の録音があって、これが1枚目。

このアンサンブルはいくつか聴いていて曰く

流行りの過激なリズムを強調するスタイルに非ず、しっとり瑞々しい落ち着きがありました。各々ソロはヴィヴラート少なめ、キンキラ華やかな音色に非ず、味わい深い穏健さであります(「音楽日誌」2017年1月)
・・・このコメントに尽きて、特別に追加することありません。「ヴィヴラート少なめ」というより「控え目」かな?もちろん時代掛かったルバートなどありません。通奏低音(チェンバロ?)はほとんど聞こえないなぁ、どれも緩急緩の3楽章、各々10分前後のわかりやすい作品ばかり。音質極上。

 ヴァイオリン協奏曲ハ長調RV170は快活に明るい「Prest」〜ほの暗く哀しげな「Largo」〜自在に優雅な「Allegro」、たっぷり残響に充たされて瑞々しい響きが続きます。アーノンクール辺りから激しいリズム感や強弱を強調する快速演奏が多いけれど、なんともしっとりデリケートなヴァイオリン・ソロは優しく、優雅そのもの。ちょいとおとなし過ぎるくらいか。ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調RV383は・・・ま、どれも(ステキで)変わらんのです。第1楽章「Allegro」はヴァイオリン・ソロが二本?絡み合って、陰影も豊か。第2楽章「Largo」は懐かしく切ない。第3楽章「Allegro」はさらりとした快速に力みはありません。やや暗めな旋律、もうちょっと劇性は欲しいところ。マルティーニのソロに技術的な不足はないけれど、やや線は細め。

 ヴァイオリン協奏曲ト短調RV319。第1楽章「Allegro」高音系の弦から不安げな表情に始まって、やがて低弦が緊張感を増して魅惑の短調の旋律であります。第2楽章「Lento」も哀しみに溢れて足取りは浪漫的。第3楽章「Allegro」は「調和の霊感」(Bachが編曲したもの)に似て、劇的な表情であります。ヴァイオリン・ソロはあくまで突出せず優雅そのもの。ヴァイオリン協奏曲ト長調RV314aは第1楽章「Allegro」から晴れやか快活な表情にスケールも大きく、ソロも華やか、暗転もあります。リズムがちょっと変則的かな?第2楽章「Adagio」は通奏低音とヴァイオリン・ソロのみ、切なく清楚に歌います(「春」第2楽章クリソツ)。第3楽章「Allegro」は堂々たる弦楽アンサンブル〜晴れやかな(超絶技巧)ソロは陰影豊か、ここはいっそう元気よく演って欲しかったところ。

 ヴァイオリン協奏曲イ長調RV341は第1楽章「Allegro」はしっかりとした足取りも華やか、リズミカル。高音を多用する技巧的なソロとなります。第2楽章「Largo」は細かいリズムにソロが浮遊するような不思議な幻想感有(低弦は休み)第3楽章「Allegro」は一転、合奏が賑々しくソロと華やかに掛け合いました。ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調RV366「Il Carbonelli」って「Charcoal(炭)」のこと?題名の由来はわかりません。第1楽章「Allegro」は低弦の上昇音型も躍動的、そこにヴァイオリン・ソロが表情も技巧も華やかに参入〜というのはパターンですね。第2楽章「Adagio」はしっとり哀愁のソロが通奏低音に支えられて歌います。第3楽章「Allegro」は型通りの伴奏にヴァイオリン・ソロがとことん歌って腕を披露する・・・どれもあまり変わらないかな?途中躊躇いがちのテンポダウン有。どれも愉しく拝聴いたしました。

(2017年6月25日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi