VIOTTI ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調
(アッカルド)/ボンコンパーニ/ローマ・フィルハーモニー)
VIOTTI
ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調
PAGANINI
ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 作品7「ラ・カンパネルラ」
アッカルド(v)/ボンコンパーニ/ローマ・フィルハーモニー
FIC(RCA) ANC-149 1962年録音 667円で購入
これ当時二十歳くらいだったアッカルドのデビュー盤だったはず。正規CDは、ここ最近見かけたことがないので貴重な存在かも知れません。ヴィオッティの作品は、ペーター・リバールなどの名演奏によって意外と昔から有名だが、
録音自体も少ないんです。ワタシはLP時代、ラウテンバッヒャーの立派な演奏で楽しんでおりました。(おそらくVOX録音。これもCD復刻されていないはず)
ヴィオッティは1755-1824で、MOZARTとほぼ同世代でしょう。イタリアの作曲家。NAXOSが録音計画を立てているようで一枚出ているが、なかなかこれ以外の作品を聴く機会はありません。第2楽章「アダージョ」が甘い旋律で有名、かつてFM番組のテーマ曲にもなっておりました。(あれはボベスコだったのかな?)
本来、もっと古楽器系の録音が出てもよいのでしょうが、アダージョの旋律を主眼に置いているためか、浪漫的に演奏されることが多いのです。アッカルドのヴァイオリンは、いつものように歯切れが良くて、明快で、イタリアの青空のような爽やかな音色、節回し。もう、ほとんど完成されていて、ま、若者が演奏しても、もともと精神的深刻さを要求するような曲じゃない。
肝心な「アダージョ」は清楚でデリケート。数あるヴァイオリン協奏曲の中でも、屈指の名旋律。
ところで、このボンコンパーニという指揮者、それと「ローマ・フィル」という団体、このCD以外では見たことがない名前だが、かなり酷いもんでした。もともとパガニーニ作品におけるオケは「伴奏専門」だが、ヴィオッティでも前奏から響きが濁りまくり、リズムは悪く、どうしようもない。「録音が悪いのか?」と、思っているとアッカルドの凛とした音色が出てくるので、結果、その対比がニクい演出になっている皮肉。
パガニーニはアッカルド得意のレパートリーで、デビュー盤で有名な第1番ではなく、「ラ・カンパネルラ」を持ってくるところが渋い選択。(いずれにせよ、そう違わない曲でしょうか?)バックは慣れのせいか、あまり気にならなくなりました。これがパガニーニ・マジック(って、どんなオケと共演しても、あくまでヴァイオリンのみが目立つ仕組み)か。
アッカルドの技巧の冴え、明るく、キリリとした美音は絶好調で、これほど気持ちの良い演奏は滅多に存在しないはず。シロウトが聴いていても「いかにも」という難しいフレーズが頻出しますが、見事にクリアしてくれます。たっぷり歌い、澄まし顔で演奏しているのが眼前に浮かぶよう。
パガニーニの旋律の魅力は、シンプルで、ありがちなイタリア・オペラのアリアを連想させるところでしょう。(これ誉め言葉のつもり)ただ、バリバリ弾きゃいい、というもんでもないんです。美声で、のどをよくころがしてくれないとダメ。おそらく、ハイフェッツのようにスルスルと演奏しても魅力半減で、いかにもアクロバテイックに、観客を冷や冷やさせてほしいもの。
第2楽章、「アダージョ」楽章のセンチメンタルな旋律はヴィオッティに負けない魅力有。終楽章は、リストの有名な「ラ・カンパネルラ」の旋律そのまま。ピアノでもそうとうな難曲だそうだが、その難曲ぶりをそのままヴァイオリンに移したような凄い楽章。パガニーニらしく、妙技をどんどん発揮する方向に広がっていって、楽しいこと限りない。(2001年6月1日)
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