Mussorgsky 組曲「展覧会の絵」(ブール)
R.Strauss 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」(ライトナー)
Smetana「モルダウ」(ペシェク)
バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団


Smetana  交響詩「モルダウ」
ペシェク/チェコ・フィルハーモニー

Mussorgsky 組曲「展覧会の絵」(Ravel 編)
ブール/バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団

R.Strauss 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ライトナー/バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団

VIENNA Classics VIE-25  780円で購入。録音年不明

 この3曲とも昔馴染みだけれど、演奏云々のコメントが出来ません。「モルダウ」はカラヤン/ベルリン・フィル(東芝17cmLP)以来どんな演奏でも感動します。「展覧会の絵」は、リヒテルのピアノ版以外はすべてドングリの背比べ状態(自分にとって)。「ツァラ」は、この曲に限らずR.Straussはどれも縁が薄い気がする・・・・だから、以下、1999年頃自らの文書はいい加減すぎて「削除対象」としたいくらい、正直。ああ、いやだ。(でも・・・自戒を込めてそのままに)

 「ようわからん」(今回はこのパターン) 、「有名曲だけど苦手」〜これは結局、すべての謎を解明してくださるような素晴らしき演奏(おそらくは自分にとって)に出会っていないからだと思います。CDを湯水の如く購入するでしょ?全部が全部、感心するワケじゃない。でも、やがて自分の耳は成長している(・・・かも!?)し、かつてなにも感じなかった演奏が「!」となることも再々。だったらこのCDだって!

 「モルダウ」〜あと二曲との組み合わせはちょっとムリムリだな。これだけチェコ・フィルでしょ?録音の感じも全然違う。木管も弦も暖かく、そして泣いてます。指揮者・オケとも母国の音楽として、まったくの自然体のリズム。美しくないはずがない。各部分での表情の変化、テンポの動きも文句なし。聴き手の胸をアツクする民族の歌・・・・(これだけ独立して聴かないと・・・)

 「展覧会の絵」〜ああ、これRavel なんだね。ASTRE'EでブールのRavel は聴いていたけど、それはそれは緻密で甘さの欠片もない演奏でした。ここでの完成度もまったく見事で、常に緊張感に充ち、適正なテンポで明快。明快さは明るさや暖かさを生み出さないで、ニコリともせず淡々と進めていく感じが(おそらく)これはこれで支持率は高いのかもね。

 おどろおどろしくも怪しい表現、とは無縁で、正確にきっちり演奏していったら、自ずと作品本来の味わいは出るはず、といった確信。入念なるニュアンスは感情の表現としてではなく、情けはいらねえよ、といった非情なる美しさのために存在する解釈。パワーは熱を生み出さないから、音量が大きくてもうるさくはならない。

 上手いオケだね。一流大学出の高級官僚が上司の指示を、ひとつも漏らさず間違いなくこなす感じ。上手いとか、ヘタとか、自分の色を出すとか、そういう世界とはちょっと違うんです。嗚呼、非常に正確かつ的確な「展覧会の絵」を聴いた、といった印象を感じました。コレ、悪口じゃありません。

 「ツァラ」は、結局ライナーの新旧録音(コレずいぶん以前から購入していた)で、燃えるような節回しを目覚めました。ライトナーは、オケの色合いがずいぶんと繊細、やや神経質ながら、良く歌って下さって、詠嘆の表情が美しい。シカゴ響は、とてもチカラ強くて線も太かったが、こちらは微細なるデリカシーを感じられればOKか?

 威圧感はなくて(とくに金管)、ややおとなしい(というか地味めな)説得系。アンサンブルは優秀です。ま、この曲、腕に覚えのないオケは録音はしないだろうが。サワサワとしてクールな弦が常にバックに漂っているようであり、寒色系の色合いのオケの音色と、ライトナーの奇を衒わない表現(しかし過不足なし!)が似合っているでしょう。大規模オケの強奏でも響きは濁りません。ああ、少しずつ「ツァラ」は(我が方に)近づいてきたかな?

 録音はどれも優秀。少々驚きの水準です。(2003年8月15日)


 本屋さんで購入したものですが、海賊盤ではなくてEMIのライセンスと明記されており、この組み合わせではディスキー・コミュニケーションのライセンスだそうです。録音はインターコードのもので、たしかこの会社はEMIに吸収されたはず。

 ペシェクはまだ現役ですが、ライトナーは既に亡くなり、ブールの噂も最近聴きません。(もう亡くなったかも)
 ものすごく豪勢な選曲。「モルダウ」は本場チェコの指揮者であり、現代音楽を得意とする南西ドイツ放響のかつてのシェフであったブール。録音の少なかったドイツの巨匠ライトナーの録音がずらり。いわゆる「寄せ集め」ですが、曲、演奏家ともかなり豪華、かつマニアックなな「寄せ集め」。録音状態もなかなか良好。

 ペシェクはまだリヴァプール・フィルで頑張っているのでしょうか。一時このチェコ・フィルの指揮者もしていて、そのときの録音と想像されます。やや早めのテンポで、さっそうとした演奏です。細部まで緻密で、ていねいな仕上げ。いくらでも「泣ける」旋律は、意外と淡々と歌われていて、これはこれで説得力はある。

 ブールの「展覧会の絵」はものすごく精密な演奏。クールで、派手なパフォーマンスとは無縁。よけいな感情移入を排して、「イン・テンポ」といっても過言ではない。一つひとつの曲をていねいに描き分けていく、神経質で冷たい演奏。
 このオケはロスバウトの昔から技術的にも最高で、実力も迫力も充分。集中したアンサンブルが素晴らしい。管楽器など絶妙と思うのですが、セクシーな歌い回しは期待できません。ラスト「キエフの大きな門」の怒濤のラッシュまで、要所要所ツボは押さえていて、立派な演奏と保証しましょう。

 「ツァラ」は嫌いな曲ではないが、どんな演奏を求めるか難しい。自発性?愉悦感?前提として、勢いのあるオケじゃないとツマらない。ライトナーは日本でもお馴染みの指揮者ながら、録音は少なくて地味な存在でした。

 この演奏、結論からいって淡彩でオーソドックスなものでした。アンサンブルもよく整っているし、誠実に、どの旋律も流したところはない。でも、地味なんです。たとえばカラヤン/ウィーン・フィル、メータ/LAPO、オーマンディなんかの演奏で慣れてきたせいでしょうか、浮き立つような感情とか高揚感がやや薄い。録音も自然で悪くない。力強さも充分ながら。

 ブールのような冷たさはないし、オケのやや渋めの音色は魅力的で、こんな演奏を好む人も多いはず。おそらく実演では説得力は相当なものと想像されますし、聴き飽きないタイプでしょう。「展覧会」と同じオケだなぁ、と実感させるのはどのパートも(技量充分ながら)突出しないところ。

 このCD、組み合わせがヘヴィーすぎて3曲続けて聴くのは少々ツライ。演奏の方向も違う。インターコードは、EMIに吸収される前に格安でCDが出ていましたが、珍しいものばかりでした。最近見ないけれど探してみたいもの。(1999年?)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi