Tchaikovsky 交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」
(ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団1960年)


SONY Classical MYK37768 このCDは処分済 Tchaikovsky

交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

1960年録音 パブリック・ドメイン音源をネットより入手

 生来の三日坊主体質、飽き症、気が短くて移り気、落ち着きはない・・・クラシック音楽は小学生の時から聴いてLP→CD、そしてネットへ聴き継いで幾星霜、ここ最近嗜好の変化、気紛れいっそう著しいと自覚いたします。太古歴史的音源、1960年前後の定評ある音源も時に悪くないけど、もう良いじゃないの、散々聴いたし。もっと嗜好に沿ってマニアックに、そして若手、現役ぴかぴかの演奏を聴くべきじゃないか、最近そんなことを考えております。

 オーマンディによるBeethoven 交響曲全集を揃えるのは夢だったけれど、願い叶う状態に至った21世紀、もうエエかな、肝心の聴き手のほうが意欲減退。(以前書いたように)オーマンディの「悲愴」全4種中ステレオ3種、どんどこ処分して一番新しいのを残しました。Tchaikovskyには以前ほどのアレルギー消えて、心安らかに、ちょっぴり恥ずかしい、甘美な旋律を堪能できるようになっている今日このごろ。

 オーマンディのTchaikovsky交響曲全集は1970年辺りのRCA録音で復活しました。ある日・・・1960年録音はパブリック・ドメインへと至ったことに気付きました。LP時代、かつての記憶では、かなり刺激的なサウンドだった?はず・・・現在の(華麗なる加齢を迎えた)耳、オーディオ環境ではどんなふうに聴こえるんだろう?これだったら聴いてみたい。”もうエエじゃないか”言った先から前言撤回。

 暗鬱なはずの第1楽章「Adagio - Allegro non troppo - Andante - Moderato mosso - Andante - Moderato assai - Allegro vivo - Andante come prima - Andante mosso」〜長い!からゴージャス、 オーソドックスなバランス感覚、表現にムリムリなあざとさがない。瑞々しいサウンドは、けっしてキンキンしておりません。溢れる情熱!苦悩と悲哀に充ちた情感!から、かなり隔たった(ある意味手慣れた)美しい演奏。オケは鳴り切って、余裕の厚み、最高。テンポの揺れも適度に違和感なし。精神性(の、ようなもの)を求めるのだったら、それはお門違いでしょう。

 第2楽章「Allegro con grazia」。中途半端な5拍子ワルツがこれほど優雅に、ほんまのワルツのように響くのも初耳、鈍く輝く厚手のシルクを連想させ、フィラデルフィアの弦はたっぷり瑞々しくムーディ。これは耳の快感であります。テンポは常に中庸、異形な設定を採らぬオーマンディ、当時61歳。指揮者だったら現役バリバリでっせ。

 第3楽章「Allegro molto vivace」。弦の細かい弱音旋律にも前楽章同様の厚み有、そして着実なリズムの切れ、低音の迫力にも文句はありません。余裕綽々、力んだり前のめりの勇み足皆無でっせ。ここもゴージャス華やかななサウンド、たっぷり満喫させていただきました。後半に行くほど、そのパワーに圧倒されること必定也。

 ムラヴィンスキーの「悲愴」を初めて聴いた時、終楽章「Adagio lamentoso - Andante - Andante non tanto」冒頭のニュアンスに充ちた弱音に驚いたもの。こちらもっと淡々、やや素っ気ないフツウに朗々とした表現なんです。ちょっぴりテンポは速め(というか標準的11分ほど)、ようわからん世間の表現を借りれば”純音楽的”かも。テンポを上げて絶叫しても、それはあくまでサウンドの快感、耳当たりよろしいもの。音質は驚くほど良好、それは”どら”の存在感からも証明されるでしょう。

 最晩年1981年録音より、こちらのほうがエエじゃないか。優秀なオケの豪華な響きを堪能いたしました。また、懐古趣味に陥ってしまった。1968年RCA録音も聴きたくなりました。

(2014年5月17日)

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written by wabisuke hayashi