Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調(ヴァン・クライバーン(p)/
ピエトロ・アルジェント/スイス・イタリア語放送管弦楽団/1962年ライヴ)


Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調〜ヴァン・クライバーン(p)/ヌシオ/スイス・イタリア語放送管弦楽団(1962年ライヴ)
Tchaikovsky

ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調

ヴァン・クライバーン(p)/ピエトロ・アルジェント/スイス・イタリア語放送管弦楽団(1962年ルガーノ・ライヴ)

幻想序曲「ロメオとジュリエット」

レオポルド・ストコフスキー/スイス・イタリア語放送管弦楽団(1968年)

DOCUMENTS/membran(AURA) 223603-CD4 10枚組1,770円にて購入したウチの一枚

 ”貧しき者こそ幸いなれ”〜若い頃に廉価盤(それでも800円くらい)としてERMITAGE、AURAレーベルをぼちぼち集めていたものです。人生に音楽を聴くべき時間、集中力は限られている(もちろん経済的にも!)から、それで幸せだったんです。2006年だったか?DOCUMENTS/membranという廉価盤の雄が、スリムパック激安でボックス・セットを再発した時にはショックを受けました。購入漏れ音源も含め、10枚”オトナ買い”してもレギュラー一枚の価格に充たない・・・ワタシは既存所有単発CDを@300でオークションにて処分し、その対価(余りがあった)で再発ボックスを再購入したものです。なんとなく、邪道のような、誤った選択をしたような・・・堕落したかな?後ろめたい気持ちがある・・・

 ヴァン・クライバーン(p)(1934年〜)は1958年チャイコフスキー・コンクールで優勝、当時東側であったキリル・コンドラシンを伴ってアメリカに凱旋帰国、彼のレコード(Tchaikovsky/Rachmaninov )はミリオン・セラーであったそうな・・・このライヴは、いけいけどんどんで大人気だった頃の録音であります。スタジオ録音だって、その眩しいほどの輝きに希望を見出すこと文句なしだけれど、音質(モノラルだけれど、なんとなく広がりを感じるような・・・)含め、こちらの演奏だって充分に楽しめます。

 おそらくは売れ筋レパートーリー従えて、全世界を回っていた記録でしょう。明るく開放的で、キラキラ明快なる骨太タッチ、熱気と推進力、前向きな希望と活力・・・現代社会に失われてしまったもの、すべてがここに具現化されていて、物質的豊かさってなんだ?とシミジミ考えさせられました。このCDが新品@177である、ということくらいか。肝心なる聴き手の感性がすり切れてしまっては仕方がない。

 テクニックが優れているのはもちろんだけれど、集中力は神経質に向かわない。刺激的な攻撃性ではない、陰影に乏しいかも知れないが、楽天というより恐れを知らぬ若さと勢いと鮮度が怒濤の如く噴出する・・・終楽章、一気呵成に畳み込んで、聴衆は音が消えるのを待ちきれずに喝采を送ってしまう・・・某国の演奏会のような、心のこもらぬ”フライング・ブラーヴォ”とは意味が異なる熱狂と共感。佳き時代だったのか。

 フィル・アップは幻想序曲「ロメオとジュリエット」〜ストコフスキー・・・86歳のご高齢爺さんの余技じゃないですよ。大見得たっぷりのテンポの揺れもピタリ!決まっていて、スケールが大きい。このオケらしからぬ、アクたっぷりで鳴りもよろしい。ティンパニの迫力も存分。アンサンブルの精度も高い。アツい。なにより音楽の姿がわかりやすいのは彼の特質でしょう。音質も悪くありません。拍手がないから、放送用スタジオ録音か?

 全54分、フィル・アップ的にもよくできた一枚でした。

(2007年11月30日)


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written by wabisuke hayashi