Debussy 牧神の午後への前奏曲/夜想曲/月の光/イベリア
(レオポルド・ストコフスキー)


EMI 6985552/10枚組 総経費込3,100円ほど Debussy

牧神の午後への前奏曲

管弦楽団(1957年ニューヨーク録音)

夜想曲

ロンドン交響楽団/BBC(女声)合唱協会(1957年)

月の光

管弦楽団(1957年ニューヨーク録音)

管弦楽のための映像〜「イベリア」

フランス国立放送管弦楽団(1958年)

レオポルド・ストコフスキー

EMI 6985552/CD3 10枚組 総経費込3,100円ほどでオークション入手

 レオポルド・ストコフスキー米CAPITAL時代の録音を集めた10枚組が安価で出ております。LP時代、そしてCD時代に入っても単発でいくつか購入していたが、この際棚中に残(ダブ)ったものすべて処分して再入手、連日痺れております。記憶より音質が大幅に改善されていること、収録にも配慮があって、こうしてDebussyばかりで一枚仕上げて下さいました。半世紀以上を経て現役で聴くべき水準であります。アンサンブルはどの作品も優れ、音質テイストが均一なのは録音スタッフの力量なのでしょう。

 「牧神」と「月の光」はニューヨーク録音だから、RCAヴィクター交響楽団、コロムビア交響楽団など様々変名で使われた録音用オケなのでしょう。フルートは名手ジュリアス・ベーカーはアメリカ往年の名手であって、このあと1965〜83年にニューヨーク・フィルの首席を務めました。これが官能系ヴィヴラートじゃなく、太く豊かな音色がエエ感じです(「月の光」でも活躍)。ストコフスキーはまさに雰囲気たっぷりで、かつての埃っぽくも大味な印象から濃密な集中力へと変化しております。オケはじつに上手い。自分の耳もエエ加減なものだ。「月の光」は初耳だったかな。色彩的かつ華々しく盛り上がる大柄な編曲であります。

 「夜想曲」はRavel の「スペイン狂詩曲」とともにロンドンで録音されたもの。これは初耳だったか?記憶がありません。洗練された響きで(これも)しっとり神秘的な雰囲気たっぷり、「祭り」にて少々アクセントにタメが出るけれど、概ねまともな表現でしょう。BBCの女声コーラスと奥行きあるオケの響きはぴたりマッチして、これほどの効果を上げているものはあまり聴いたことはない。あまりにムーディと評する人はいるかも知れぬが、ゴージャスかつ洗練された味わいに溢れました。

 「イベリア」は本場・仏蘭西のオケの担当であって、速めのテンポで颯爽とキレの良い演奏。表情付けは少々大仰であって、粋よりヴィヴィッドな躍動を重視した「街の道と田舎の道」(Par les rues et par les chemins)。夜の薫り(Les parfums de la nuit)は気怠くも怪しく、甘いテイストに溢れます。例の如しで雰囲気たっぷりだけれど、細部迄明晰な響きでもあります。オケには仏蘭西らしいカルさちゃんと有。祭りの日の朝(Le matin d'un jour de fete)は明るく、華やかな昂揚が見られました。ラスト、期待の(少々クサい)タメ=大見得も登場。

 先ほど「記憶より音質が大幅に改善されている」と書いたが、カスタネットを先頭に、打楽器類の多彩な音色が細部迄ちゃんと確認できます。けっこう鮮度抜群。

(2010年12月24日)

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written by wabisuke hayashi