Saint-Sae"ns ピアノ協奏曲第2番ト短調
(ギレリス(p)/ベルグルンド/ソヴィエット国立交響楽団1976年)/動物の謝肉祭


YEDAGCLASSICS YCC-0066/ジャケット写真がシャフランであるのは謎?だいたい題名が「Shafran & Gilels」って、シャフランは3分弱の「白鳥」のみの出番じゃない Saint-Sae"ns

ピアノ協奏曲第2番ト短調

エミール・ギレリス(p)/ベルグルンド/ソヴィエット国立交響楽団(1976年ライヴ)

組曲「動物の謝肉祭」

カール・エリアスベルグ/ソヴィエット国立交響楽団/ギレリス+ヤコブ・ザク(p)(1951年ライヴ)

Brahms

幻想曲集 作品116

エミール・ギレリス(p)(1983年ライヴ)

YEDAGCLASSICS YCC-0066 10枚組2,990円セット購入したうちの一枚

 米PIPELIN原盤によるYEDAGCLASSICS(ボックス)は、数年前”オトナ買い”しました。ま、安かったし、演奏家に興味があったし、即消えるだろうな、と(実際消えた)。コンピレーションが珍妙であること、やや硬質なるプラ・ケースともかく、更に紙パックをかぶせるというのは少々(取り扱い的に)鬱陶しいが。CDの作りとしては上質でしょう。その後、似たような企画はBRILLIANTで復活しつつあります。あちらのほうが音源編集的には筋が通っている。

 閑話休題(それはさておき)、これはギレリスを聴くべき一枚(題名ともかく)。とくに「動物の謝肉祭」が貴重なる存在でしょう。

 Saint-Sae"ns ピアノ協奏曲第2番ト短調は、ルービンシュタイン/ミトロプーロス(1952年)の激演で目覚めたが、いかんせん音質に問題有。こちらライヴながら良好、ギレリスの重心低いピアノがクリアで説得力深いものです。きちんとして真面目、硬質なピアノだけれど、楷書の表現であり流れの自然な快演でした。終楽章に於ける超絶技巧の冴えと、流れの良いノリには舌を巻くばかり。ベルグルンドもいつもながら骨太な響きが好ましいですね。(おそらくは)馴染み薄いオケを自在にコントロールして、力みがどこにもない。

 トータルで考えれば、かつて聴いた中ではヴェリ・ベストの水準か。(YEDAGCLASSICSのパターンなんだけど)聴衆の熱狂的拍手を、あっさりカットするのは少々興ざめでした。次の作品に移行するまでの「間」にも不足します。

 「動物の謝肉祭」は全体としてテンポは遅めであり、無骨、堂々として貫禄充分(!?)でした。驚くべき几帳面かつ剛直強面なる演奏でして、名人ピアニスト二人はもちろん(驢馬の疾走!)だけれど、象に於けるコントラバスの豪壮かつ正確なリズム(スタッカートの刻みの几帳面なこと)は驚くべきテクニック!カンガルーを表現するピアノの繊細さも特筆すべきでしょう。水族館はこの作品中白眉の幻想的風景だけれど、これほど味の濃い演奏には出会ったことはない。

 「森の奥のカッコウ」には哲学的深淵を覗かせます。「ピアニスト」の練習曲は上手過ぎか。「化石」は噛み締めるようにテンポが遅い。「白鳥」ソロが名手シャフラン担当。名曲ですなぁ。フィナーレのメリハリも強烈!モノラルながら音質も良好でした。カール・エリアスベルグって1950年代に主に協奏曲に録音を多く残しているが、情報少ないですね。

 ラストにBrahms のピアノ小品が7曲収録・・・嘆き、静けさ、晩年に到達した諦念が伝わりました。が、やはり前曲との間合いが(収録時間的に)足りない。コンピレーション的に違和感はあります。これが一番新しい録音(既にディジタル時代)だけれど、やや散漫なる音質も残念です。これはこれで立派な演奏だけれど、YEDAGCLASSICSの編集方針には(いつも)違和感有。

(2007年7月27日)

 


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written by wabisuke hayashi