Hunperdink/Brahms /Dvora'k スラヴ舞曲集/序曲「謝肉祭」/
交響曲第8番ト長調(コンスタンティン・シルヴェストリ)


Disky Communictions BX 707452 Hunperdink

歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲(フィルハーモニア管弦楽団1959年)

Brahms

ハンガリー舞曲第5番ト短調/第6番ニ長調

Dvora'k

スラヴ舞曲第1番ハ長調/第2番ホ短調(以上パリ音楽院管弦楽団1962年)

序曲「謝肉祭」(1961年)
交響曲第8番ト長調(1958年)

コンスタンティン・シルヴェストリ/ロンドン・フィルハーモニー

Disky Communictions BX 707452

 聴き手(=ワシ)は年々草臥れ華麗なる加齢街道まっしぐらだけれど、音楽は永遠に若いのだな。コンスタンティン・シルヴェストリ(Constantin Silvestri, 1913年5月31日-1969年2月23日)の10枚組を入手8年ほど?棚中CDの顔ぶれはがらりと替わり、ネットからデータ・ダウンロード→自主CDが幅を利かせております。シルヴェストリはどちらかと言えばテンション高い個性前面の”爆演派”〜ワタシの嗜好からちょっぴり外れるから、これは久々の拝聴。ま、ちゃんとCDは売らずに生き残っていたということですよ。以前のCDはとっくに処分済。

 一見寄せ集め、オケも録音時期もバラバラながら、一枚のCDとして収まりが良いというか、聴き通して違和感ありません。サウンドも音質も少しずつ様子が異なるけれど、概ね音質良好な(少なくとも音楽を愉しむのに不足はない)ことに気付きました。ちょっと驚き。我が貧者のオーディオと相性よろしいのか。

 「ヘンゼルとグレーテル」って、欧州では”子供に初めてのオペラ”みたいな位置付けなんだそうです。お伽噺ですもんね。真剣に聴いたことはない(たしか棚中にはスイトナーの抜粋があったはずだけれど・・・)”平易で明るいWagner”的感触有(タンホイザーに似てませんか、シロウト談義だけれど)なかなか深みのある素敵な旋律だ。冒頭のホルンからエエ味で鳴ってますよ。さわさわと静かに弦、そして木管が絡んで森の情景が広がっていく・・・そんな風情か。けっこう感動いたします。

 パリ音楽院管弦楽団で舞曲集、というのも珍しいんじゃないの?音質もオケのアンサンブルもややラフであって、ハンガリー舞曲に於けるテンポの揺れはそうとう恣意的です。ま、個性的と言えばその通り。響きは濁って、喧(やかま)しく、パリのオケ起用の意味がようワカラん感じ。スラヴ舞曲はそうとう華やかでした。「謝肉祭」は重量級の演奏であって、テンポは思ったより走らないが、貫禄と奥行き充分の聴き応え。ややどんよりとした音質ながら、自然な音場奥行きはちゃんとあります。

 さて、メインの(美しい)交響曲第8番ト長調。これが一番録音が旧いんだけれど、意外やかなりエエ感じの音質であります。(3年後の「謝肉祭」より良好)”ロンドン・フィルは快調に鳴っていて、キモチのよろしい演奏です。メリハリが効いて、旋律の節回しもドロ臭く決まっております。土俗系Dvora'k”とは、かなり昔のワタシのコメントだけれど、なるほど。溌剌として、緻密精密というより”勢い重視”といった表現方向か。洗練され颯爽とした〜みたいな風情ではないけれど、けっこう細部きちんと歌い込んで、爽快な爆発連続!その対比の素晴らしいこと、切迫感の見事なこと。

 この作品のキモは第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ」〜哀愁の歌なんだけど、ちょっとさっくり粗削りかな?途中のワルツのところはたっぷり、朗々たる歌が聴かれます。弦に木管が自在に絡むでしょ?ロンドン・フィルは美しいですよ、ほんま。終楽章はトランペットのファンファーレから期待通りの貫禄、チェロの深遠なる主題は意外や抑制気味であり、次に登場するヴァイオリンのテンションの高さとの対比くっきり〜やがて期待通りの全奏爆発!金管活躍はもちろん(気持ちエエっすよ!)だけれど、フルートの妙技もお見事(な指の回り具合)。

 表現がドロ臭い、というのは当たっているかも。細部雑なんじゃなくて、もとより磨き上げる気がないんだな、きっと。現在のワタシはノイマン/チェコ・フィル(1982年)辺り、オーソドックスかつ穏健な演奏を好むけれど、シルヴェストリはCD時代の刷り込みです。ヴェリ・ベスト!と声高に主張できないけれど、なんか一番フィットする昔馴染みと出会ったような気持ちになりました。

(2011年3月18日)

Dvora'k 交響曲第8番(シルヴェストリ)
Mendelssohn 交響曲第4番(ワルベルク)


Dvora'k 交響曲第8番(シルヴェストリ)/Mendelssohn 交響曲第4番(ワルベルク) Dvora'k

交響曲第8番ト長調 作品88

シルヴェストリ/ロンドン・フィルハーモニー(1957年録音)

Mendelssohn

交響曲第4番イ長調 作品90「イタリア」(1962年録音)

ワルベルク/フィルハーモニア・プロムナード管弦楽団(輸入盤では「フィルハーモニア管」の表示)

EMI(新星堂) SAN7  1,000円盤だけれど中古で600円で購入

 2004年ハインツ・ワルベルク逝去。81歳。スター指揮者ではなかったかもしれないが、日本の音楽ファンには馴染みの存在でした。録音はたくさん存在する(オペラが多いのか)が、現役では少ないかもしれません。ワタシは彼のナマ演奏にも接する機会がなかったし、録音でも熱心な聴き手ではありませんでしたね。手持ちCD在庫、そしてワタシのサイトを探すとこのCDが出てまいりました。(もっとも初期の文書か)再聴して、ささやかな追悼を捧げましょう。

 残念ながら、ワタシは「イタリア」交響曲の佳き聴き手ではない。この作品、嫌いではないが、正直「どれを聴いても同じ・・・」的思いにとらわれがち。「惜しむらくは録音の水準が落ちて、響きが濁るんです。第2楽章は流しすぎて潤いに欠け、第3楽章は単調」「やや調子悪く、雑なフィルハーモニア」〜これ6年ほど前の感想だけれど、こうして再聴するとまったく的外れ、いい加減な一文を公表していたもんだなぁ・・・と反省しきり。(LP時代は「真夏の夜の夢」数曲と一緒に出ていたそうです)

 ワルベルク39歳の録音ですよ。同じオケ(だと思う)クレンペラーの定評ある録音が1960年。(これはまったく味わい深い)次世代の若手にもチャンスを与えよう、という(景気の良かった)レコード会社の配慮ですな、きっと。今は昔。(サヴァリッシュなんかも、そんな中で育った人か)たしかに、こちらは「タメ」とか「味わい」に少々不足するものの、明るく、さわやかな勢いがありました。

 終楽章のテンションの高さ、全力疾走の魅力〜これは文句ないでしょう。第2楽章は少々紋切り型、というか、面白みが欲しいところ。第3楽章の優雅な歌もさっぱりし過ぎて、やや落ち着きが足りません。でも、若いからこれで良いんです。でも、そんじゅそこらのヘロ演奏の水準ではない。但し、クレンペラー盤と同じオケであるとすると、細部歌い込みの彫琢に大きな違いはある。星の数ほど名盤揃いの「イタリア」交響曲中、特異な個性を誇るものではないかも知れません。

 合掌。

 シルヴェストリ盤はLP時代から定評のあるものでして、DISKYの10枚組ボックス(DB 707432〜数年前、あまりの人気のなさに投げ売りを目撃!)にも収録されております。(つまりダブり買い)ロンドン・フィルは快調に鳴っていて、キモチのよろしい演奏です。メリハリが効いて、旋律の節回しもドロ臭く決まっております。土俗系Dvora'kとでも言いましょうか。

 下品とかというこではなく、骨太である、全力で弾いている、ということです。洗練されてはいないが、第3楽章は泣かせる”歌”に溢れました。最終楽章冒頭のトランペットは(いま聴けば仰け反りはしないが)インパクト充分だし、続くチェロだって妖しげな深みを誇ります。そしてヴァイオリンはテンション高く・・・そして、金管が爆発する。

 知的計算・・・方面ではなく、感興の赴くまま、といったノリノリの演奏です。厚みと奥行き、低音に芯もある録音も好ましい。このあとにワルベルクの「イタリア」収録!というのが違和感あるんです。(2004年10月2日)以下は1999年頃の文書。

 

 名曲中の名曲。カラヤン/ウィーン・フィル〜美しいですね。セル/クリーヴランド〜アンサンブルの極地の中に、懐かしさも溢れる。クーベリック/ベルリン・フィル〜言うことありません。で、このシルヴェストリ盤、「いきいき」どころではなくて「生々しい」音楽です。痺れます。強烈。音質良好。EMIにしちゃ上出来。

 LPOはやや腰が軽いけれど、時々大爆発することもあります。(ボーンマス響よりずっと上手く、洗練されている)第1楽章からノリが尋常の水準じゃなくて、かなり強引に飛ばします。車体が軽いのに、無理して大きなエンジンを付けた車みたい。この推進力を聴いてしまうと、病みつきになりそうな魔力。シェルヘンのベートーヴェンに一脈通じるが、あれほど異常ではありませんのでご安心を。(好きずき)

 金管が快調で、全開で絶叫しても響きが濁らず細部まで明快なのは録音のせいもあるでしょう。でも、このインパクトは強烈。試しに、最終楽章冒頭のトランペットを聴いてみてくださいよ。仰け反りますから。静かな部分で、よく歌う節回しもなかなかですが、このCDはボリュームを上げて楽しみたいもの。それとティンパニも決まっている。

 終楽章は、もうお祭り騒ぎで金管楽器の大運動会状態。たとえば第1楽章の弦の旋律、第2楽章のしみじみとした情感、第3楽章の民族色溢れ泣かせる旋律、終楽章の堂々たるチェロの主題。どれもみごとにクサくテンポも揺れ、聴かせ上手だけれど、金管の大判振る舞いこそこの演奏の魅力でしょう。


 「イタリア」。第1楽章のノリはシルヴェストリに負けないテンションの高さ。ただ、惜しむらくは録音の水準が落ちて、響きが濁るんです。第2楽章は流しすぎて潤いに欠け、第3楽章は単調。両端楽章は説得力充分の勢い。

 このオケが問題で、輸入盤では「フィルハーモニア管」となっているのも見かけました。でも、この録音はLP時代からこの「プロムナード」表記だったはず。アンサンブルの印象として「やや調子悪く、雑なフィルハーモニア」といった感じです。弦のアンサンブルが美しくないのは怪しく、木管の明るい響きはそれらしく納得。

 ワルベルクも地味な指揮者で、あまり注目されません。日本に何度も来ているし、けっこう録音もあるんですよ。職人的な上手さがあるけれど、アンサンブルはラフで緻密さが足りません。へんな曲の組み合わせですが、これはこれでいいんです。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi