Sibelius 交響曲第7番ハ長調/「クオレマ(死)」/
「夜の騎行と日の出」(ネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団)


BIS CD-311 1985年録音 1,500円ほど(送料諸経費全部込)でオークション落札/送料梱包料で430円だと!エエ加減にせい Sibelius

交響曲第7番ハ長調
劇音楽「クオレマ(死)」作品44/62
交響詩「夜の騎行と日の出」作品55

ネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団

BIS CD-311 1985年録音 1,500円ほど(送料諸経費全部込)でオークション落札

 2005年に大半の交響曲CDを入手(@500)し、昨年2007年に清水の舞台から飛び降りるような出費で落札したラスト一枚となります。ワタシはSibelius を愛していて、聴く機会も多いんだけれどコメントは難しいもの。このサイト更新だって、意外と数は多くない・・・このCDには速めのテンポ、ストレート系でさっぱり、流れの良い演奏とのエエ加減ちょろ言及があるのみ。

 1980年代CDが定価3,600円だった頃、”ヤルヴィ”も”エーテボリ響”も名前を初めて聴いたものです。やがてこのコンビは売れ筋に育ったから、録音のマジックだけではないのでしょう。中低音が充実し、自然な奥行き、適度な残響も好ましい音質です(会場もエエらしいが)。オケの厚みに不足はなく、アンサンブル洗練も、鳴りっぷりも悪くない。スウェーデンの地方都市に、こんな立派なオケが存在したんですね。ひとえにネーメ・ヤルヴィの薫陶の成果か。DGにて新録音が出ているが、こちらだって音質は良好です。旧録音はけっこう人気があって、オークションでは必ず入札があります。(ワタシもそのひとり)

 この作品に限らぬが、Sibelius は独墺系の、がっしりと厚ぼったい響きで構築されると台無しな音楽だと思うんです。明るくバリバリ爽快元気に演って下さるのは、時に成功すること有(オーマンディ/バーンスタイン辺りか)。できうれば清潔、気品高きサウンドにてひんやり〜こそワタシの嗜好方向にぴたり!なのがこのヤルヴィ盤であって、しかも線が細かったり、弱かったりということはないんです。サウンドに”芯”はちゃんと有。

 交響曲第7番ハ長調は、朗々と雄弁たる20分の幻想曲。自信と確信に充ちたフレージング。詠嘆にテンポが揺れる、ということはないから”速めのテンポ、ストレート系”ということなんだろうが、素っ気ないことはないんです。憧憬に溢れ、涼やかなる旋律がちゃんと浮き立ち、昂揚します。アンサンブルの集中、洗練に於いてエーテボリ響は一流であります。響きは濁らず、非力さを感じさせない。弦は磨き上げられ、金管の迫力に不足はない。木管の繊細なるニュアンスだってローカルオケとは思えぬ水準也。

 それにしても、(シロウト耳には)起承転結のはっきりしない”交響曲”ですなぁ。短い作品だから、全編丸ごと作品に没入して”一気聴き”集中できないと愉しめません。これは聴き手をしっかり惹き付ける、魅力に充ちた演奏、作品でした。Sibelius は母国別格として、英国と日本で人気があるのは何故か。ワタシがこの作品と出会ったのは中学生ですよ。大昔。LPが贅沢品であった頃。

 ヤルヴィの旧全集(単売)は、「交響曲1曲+管弦楽作品」という構成になっていて、これは配慮ある配置だと思います。おそらくは作曲年代などの配慮があるんだろうが、ワタシには理解できません。劇音楽「クオレマ(死)」作品44/62は、第1曲目の「悲しきワルツ」のみ有名だけれど、「鶴のいる情景」「カンツォネッタ」〜いずれも静謐と静寂が支配する美しくも暗鬱なる作品です。ラスト「ロマンティックなワルツ」の明るく優しい表情にほっとします。ワタシはしっとりとしたアンサンブルの精査を楽しんだけれど、専門の方によると”これが最もシベリウスのスコアに正確であるように思える”とのこと。

 交響詩「夜の騎行と日の出」は、一転、かなり切迫感リズムの開始(「騎行」主題)であり、それが木管による「騎士の主題」に引き継がれます。これは交響曲第2番ニ長調終楽章に似た旋律。やがて木管の繰り返し音形が絡み合って、切ない弦の嘆きへ。後半は明るい夜明け(ホルン+弦によるコラール風旋律にて)であり、この辺りは交響曲第7番ラストを彷彿とさせますね。木管、金管と引き継がれて光の広がりを実感できます。

 なんと爽やかで厳粛なる作品。これも全貌がちょっとわかりにくい15分・・・かな。ヤルヴィは真摯に表現して下さいました。

(2008年6月20日)

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written by wabisuke hayashi