Sibelius 交響曲第1番ホ短調
(レオポルド・ストコフスキー/ナショナル・フィル1976年)


SONY SB2K 63260 2枚組1,180円(総経費込)にてオークション入手 Sibelius

交響曲第1番ホ短調 作品39
交響詩「トゥオネラの白鳥」

レオポルド・ストコフスキー/ナショナル・フィル(1976年)

ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47

ジノ・フランチェスカッティ(v)/バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(1963年)

SONY SB2K 63260 2枚組1,180円(総経費込)にてオークション入手

 RCAがSONYに吸収されていっしょのボックスに収録されたり、PHILIPSレーベルが消えて「DECCA」になっているのには違和感があります。レーベルには各々個性とか味とか色、匂いがあったものです。CBSがSONYに吸収され、国内盤LPが出たのは1960年代後半だったはずだけれど、当時ハイ上がりで盤質ノイズに閉口した記憶有(子供の記憶だから怪しいが)。ストコフスキーが長寿95歳で亡くなる前年、ロンドンでの録音はLP時代より愛聴しておりました。入手したのは2008年1月のことだけれど、これほど音質演奏とも素晴らしかったのか!と驚きの再会となりました。

 ナショナル・フィルはロンドンの録音専門オケであって、非常に優秀なるアンサンブルを誇ります。腕利きばかり。Sibelius 演奏は難物であって、馬力のある重厚なるオケ、勇壮なる表現が効果的であるとは限らない。クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団の全集(1970年代)の世評は高いようだけれど、ワタシは少々勘違い方面の演奏と感じました。カラヤンも同類だけれど、彼の場合何を演奏しても”カラヤン”ですから。アメリカ物量明快オケは、作曲者が望んだサウンドらしくって、オーマンディやらバーンスタインの録音はけっこう愉しんでおりました。

 94歳、爺さんの作るスケールの大きな、しかも清潔な音楽に痺れました。ストコフスキーといえば、グラマラスで異様にデフォルメされたスタイルを連想するが、ここではまったく”まとも”、最初っから最後までテンションの高いアンサンブルが持続します。第1楽章から呼吸深く、清涼なる表現が馴染みの旋律に乗って広がっております。力みはなくて、要らぬ重みを伴わない。オケは明快に鳴り渡ります。

 第2楽章「アンダンテ」の抑制もニュアンスに溢れて文句はない。テンポ設定にもムリはなくて、切ない盛り上がりへの移行もスムース。ピツィカートとティンパニ炸裂!する、スケルツォのリズム感に老齢の衰えは感じられません。ヒステリックな焦りも皆無。終楽章って、Tchaikovskyの香りたっぷりですよね。細かい音型が連続する悲劇的な旋律は、颯爽として引き締まっております。そして勇壮なる歌が回帰する。ラスト、クライマックスの疾走と迫力も存分の勢いであります。響きに濁りはない。枯れてもいない。

 「トゥオネラの白鳥」も雰囲気たっぷりの静謐と奥行き、洗練であります。イングリッシュ・ホルンのソロはマイケル・ウィンフィールドとのクレジット有。

 バーンスタインのSibelius (但しニューヨーク・フィルとの旧録音)は、溌剌として好きな演奏です。但し、ストコフスキーと一緒の収録には少々ムリがあるのかも。初めてこの演奏を聴いたときには、Sibelius にしては少々浪漫が勝ち過ぎたか、と賞賛に保留条件を付けた記憶有。アッカルドの明るく、歯切れ良い演奏には違和感があったんです。旋律的にはかなり難解浪漫なんだけど、ここはやはり”清涼クール・ビューティ”でいっていただきたいな、というのがワタシの勝手な嗜好。

 久々の再聴は、ヴァイオリンが気品があって良く歌うし、バーンスタインの熱狂の対比にもそう違和感なし(ちょっと走りすぎ、急ぐところもあるが)。素晴らしい技巧の冴えですね。爽快なる空気に充たされ、フンランチェスカッティ61歳まだまだ現役の実力でありました。

(2009年1月23日)

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written by wabisuke hayashi