Sibelius 交響曲第7番ハ長調(オッコ・カム/コペンハーゲン・フィル)
+管弦楽作品集


Sibelius  交響曲第7番ハ長調(オッコ・カム/コペンハーゲン・フィル)+管弦楽作品集 Sibelius

交響曲第7番ハ長調

オッコ・カム/コペンハーゲン・フィルハーモニー(1994年)

交響詩「フィンランディア」
「カレリア」組曲

チャールズ・マッケラス/ロイヤル・フィルハーモニック(1994年)

交響詩「エン・サガ」
「トゥオネラの白鳥」「悲しきワルツ」

ジョナサン・カーニー/ロイヤル・フィルハーモニック(1994年)

QUADROMANIA(membran) 222172-444 4枚組1,490円のウチの一枚

 QUADROMANIAのシリーズは玉石混淆状態収録で、既に処分してしまったものもかなりあります。出始めに慌てて購入した(2004年10月購入との記録有)挙げ句、相場が980円に落ち着いたのでややガックリ〜ま、そんなことは枝葉末節なこと。Sibelius の新しい録音も、旧い録音もいっしょくたになった”寄せ集め”4枚組(手持ちダブりはヌヴーのヴァイオリン協奏曲+ビーチャムの「タピオラ」のみ。被害最小也)だけれど、なかなか愉しめます。

 単一楽章による幻想曲である、交響曲第7番ハ長調はワタシのお気に入りであります。その歴史たるや小学生の頃(マゼール/ウィーン・フィル)から。爾来30数年の風雪に耐え、愛しい存在である続ける驚異的事実よ。第1回カラヤン・コンクールに優勝し、メジャー・レーベルに録音を開始しつつも、結局自国中心での地味な活動を選択したスペシャリスト・オッコ・カムの録音なら看過できないし、ましてやコペンハーゲン・フィルって、そんな団体知らんから一度聴いてみたい!のはワタシの趣味嗜好であります。

 これが鬱々として、冷涼荒廃とした雰囲気タップリの”鳴らない”ジミなオケであって、期待通りでした。これは誉め言葉でして、Sibelius に朗々と雄弁、華やかに鳴り渡る管弦楽は必須条件ではない。(そうであって悪いわけでもないが/オーマンディが念頭に有)「鬱々として、冷涼荒廃とした雰囲気タップリ」これぞポイント!オケは流麗ではないが、カムの統率力故か細部まで配慮の行き渡ったアンサンブルを聴かせます。

 集中力とか、各パートの自発的な妙技は期待できないが、作品が進むにつれ、暗鬱なる気分いや増すばかり。しかも、”チカラ”が足りない。盛り上がりがちょっと足りない、というか、もがいている感じ。北国の吹雪はいつまでも続いて、ラスト、ようやく弱々しい遠慮がちの太陽が顔を出しました。それもSibelius らしい、美しい表現でしょう。まるで全編、息を潜めているような、遠慮がちな世界が続きました。

 これはマッケラス/ロイヤル・フィルとの対比でいっそう際立ちます。この2曲は、本来(一枚目に収録される)交響曲第2番ニ長調にフィル・アップされるべきであって、豪放と清涼が両立する、みごとな証明になっております。(交響曲は、ワタシにとってヴェリ・ベストを争う)好調時のロイヤル・フィルの金管は、やはりコンペンハーゲン・フィルの比ではなくて粗野に鳴り響きました。マッケラスは骨太で、響きに悲痛を感じさせます。存分に雄弁、強力であります。「カレリア」組曲だって、賑々しい、浮き立つような躍動が素晴らしい。

 さすがロイヤル・フィル!〜でも、指揮者が大切なんであって、ジョナサン・カーニー(この人はもともとヴァイオリニスト?)による交響詩「エン・サガ」は少々厳しい出来か。スケールとかメリハリなど不足気味であって、旋律の扱いが野暮ったいのも気になります。この作品を全曲見通しよく演奏するのはけっこう難しいものですな。「トゥオネラの白鳥」「悲しきワルツ」は小ぶりな作品だし、悪くないと思いますが。

(2007年3月9日)

 

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written by wabisuke hayashi