Sibelius 交響曲第1番ホ短調/第4番イ短調(ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団)


EMI 7243 5 67299 2 6 5枚組 2,280円也 Sibelius

交響曲第1番ホ短調 作品39(1966年)
交響曲第4番イ短調 作品63(1969年)

ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団

EMI 7243 5 67299 2 6 5枚組

   2012年夏も猛暑。幸い体調は悪くないが、精神的には少々お疲れ気味でして、音楽に対する集中力はますます減少しております。【♪ KechiKechi Classics ♪】への執筆も滞りがち〜こんなド・シロウトの一文でもけっこうテンションが必要なんですよ。音楽は嗜好品であり、各々好き勝手に自分のご贔屓を賞賛したらよろしいし、世評やら、一部エラい評論家の言を鵜呑みにする必要もなし。ましてや、聴き手の”耳”(=実際はノーミソ)はどんどん変遷します。大好きなSibelius 、しかもバルビローリでしょ?5枚組をムリして入手したのは10年ほど前だったのか、久々の拝聴となりました。

 ケース中に書き殴ったメモが残っていて、曰く

(第1番)溢れる自信、輝かしいカンタービレ、蕩々と歌うスケールの大きさ。テンポの遅さ、存分なる節回しは冷涼であり、アツい。これ以上の演奏は滅多になし。
 久々の拝聴に上記、基本異議なし。この演奏に不満など!あるはずは・・・細部にこだわって、悠々たる風情に溢れて、馴染みの横流れバルビローリ節のタメ、間を堪能いたしました。ところが華麗なる加齢を重ね、傲岸不遜すれっからしの(やや)オールド・ファンはちょっと文句言いたくなりました。アンサンブルが粗い、オケが上手くない、縦の線が合わぬことはそう気にしないが、リズムのテンションが緩くて、時に推進力が落ちます。

 それでもバルビローリの決然としたテンポの揺れ、力強い歌心、激しい打楽器、叫びに充分な熱気+感動を感じます。上手いけどさらさらと安易に流れてしまうスタイルとは対極、希有なるスケール、作品に対する共感がひしひしと伝わって素晴らしい個性。しかし、渾身の凄演にて最終楽章まで辿りつくと、聴き手はすっかり疲労してしまいました。響きの濁りもちょっぴり気になります。すっかり聴き手は傲慢になって+集中力が続かなくなっているだけかも知れません。

 交響曲第4番イ短調はド・シロウトが思い浮かべる交響曲とはすっかり風情を異にした、個性的な作品です。重苦しくも幻想的、ゆったりとした歩みの第1楽章 「テンポ・モルト・モデラート、クワジ・アダージョ」。この辺りからつかみどころがない、というか、なかなか全体構成を見極めることが困難なる開始。こういった作品はバルビローリはじつに捌くのが上手い(わかりやすい)んです。第2楽章 「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」はスケルツォ楽章らしく、軽快軽妙繊細な木管と弦が絡んで可憐なテイストでした。先の第1番に感じたオケの弱さとか、アンサンブル云々も感じさせぬみごとな演奏。

 第3楽章 「イル・テンポ・ラルゴ」この緩徐楽章もつかみどころがない、迷路にはまり込んだような開始。1分20秒辺りにホルンの合奏が朗々と美しく、やがてチェロが絡んで、あちこち、きらきら美しい場面が出現するけれど、やはり難解でしょう。第4楽章 「アレグロ」は、チューブラーベルではなくグロッケンシュピール(鉄琴)が使われているようです。この楽章はチェロも活躍しますね。最終楽章は軽妙な味わい+スケールがわかりやすく、バルビローリの仕上げも上々の出来、盤石の自信と感じました。音質もこちらのほうがよろしい。

 Sibelius ってじつに難物!第5番+7番への数年前コメントも残っております。

(2012年7月29日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi