Mendelssohn 交響曲第3番イ短調 作品56「スコットランド」
序曲「フィンガルの洞窟」作品26
(オットー・クレンペラー/バイエルン放送交響楽団1969年ライヴ)


DISQUES REFRAIN DR-930052  250円 Mendelssohn

交響曲第3番イ短調 作品56「スコットランド」(終楽章クレンペラー編)
序曲「フィンガルの洞窟(ヘブリディーズ諸島)」作品26

オットー・クレンペラー/バイエルン放送交響楽団

DISQUES REFRAIN DR-930052 1969年ライヴ

 購入2002年12月中古@250也。当時、一発で痺れ”深遠なる陰影に驚いた”とのコメント有。

しっとりほの暗い雰囲気に支配され、リズムと呼吸のしっかりとした重量感+躍動に溢れるが、馴染みの作品が別の作品に聞こえる・・・のは実際に終楽章をかなり書き換えているから(相当劇的)・・・だけではありません。こうしてみると、クレンペラーは旧世代だけれど、サウンドが明晰なのはフィルハーモニア管弦楽団の個性ばかりじゃないんですね。ずず暗く、厚い明晰だけれど。でも、過度に”重く、粘着質”ではない。子供の頃から馴染みの「フィンガルの洞窟」だって、ツマラん作品かな?と不遜な感想を抱いていたが、この演奏だと練り上げられた深い響き+巨大なるスケールに感慨深いもの
 ・・・12年前かよ。こんなCDが棚中に生き残っていたとは・・・EMIは消滅して往年のクレンペラー録音は(音質改善され)まとめて格安再発されております。ま、もとよりパブリック・ドメインだけどね。これはかつてEMIでも発売された、かなり良心的な音質のライヴであります。「イタリア」と「真夏の夜の夢」は(再)拝聴したけど、「スコットランド」(1960年)はこれから〜その前に在庫を再確認しておこうかな、と。

 これは第4楽章終結部、コラール風明るい旋律登場して雰囲気一変するけれど、ここではクレンペラー独自に暗く、寂しいまま終わります。ま、こちらド・シロウトは馴染みの通常版が良いと思うけど、珍しい版であるのは事実、閑話休題(それはさておき)。第1楽章「Andante con moto」遣る瀬なく、暗鬱しっとりと始まりました。”練り上げられた深い響き+巨大なるスケール”、バイエルン放送交響楽団のほの暗く、そっと暖かくも低音に厚みのある響き(金管が目立たない)。浪漫でんなぁ、この辺りの旋律は最近、ようやく感慨深く受け止めるようになったもの。慌てず、ゆうゆうとした歩みは盤石の貫禄であります。テンポの落とし方、ニュアンス絶品。ティンパニが加わって、嵐のような激情もみごとな迫力。

 第2楽章「Vivace non troppo」全曲アタッカで楽章をつないで、演奏者は40分タイヘンでしょうね。軽妙に明るく平易な旋律、弦に乗ったクラリネットを始め、木管のめまぐるしい音型も美しい。ここもしっとり、デリケートであって、上滑りではない適度に微妙な”濃さ、タメ”を感じさせるもの。サウンドは重厚ですよ。第3楽章「Adagio」は纏綿として泣かせる旋律、Mendelssohnってどれも素直、わかりやすいですよね。若い頃は素直に受け止められなかった。葬送行進曲風に激昂する第2主題も品を失わない。清明な第1主題との対比も悠々とした貫禄表現であります。詠嘆に大爆発しても響きは濁らず、冷静な視点を失わない。

 さて問題の終楽章「Allegro vivacissimo」開始。切迫する悲劇、低弦の刻むリズムには微妙なスウィング+厚み+幅広さ有。旋律の呼吸にコクもある。大音響に余裕を感じるのはバイエルン放響の実力でしょう(クーべリック時代)。フィナーレに相応しいスケールを感じさせ、テンポはやや遅め(もたついた印象なし)・・・って、いろいろ書いたけど他の「スコットランド」ってほとんどまともに聴いたことはないんです。なんだったら最終盤合唱団登場!でもおかしくない、雰囲気一変のコラール風明るい締め括り、ここには登場せず、油断すると「スコットランド」って寂しい、消え入るようなラストなのね、そんなふうに信じていたかも。

 「フィンガルの洞窟」って、冒頭の弦の主題がいかにも!的揺れる波。子供の頃から馴染みすぎて、好んで聴くこともありません。クレンペラーの手に掛かると、雄大な情景が広がって、ぐっと深みが増しておりました。

(2014年8月9日)


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written by wabisuke hayashi