Schumann ピアノ協奏曲イ短調(アントン?・カンパー(p))/ 
Brahms ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調(エドゥアルド・ムラツェク(p)) 
(ハンス・スワロフスキー/ウィーン国立歌劇場管弦楽団)
 
 
Schumann  
ピアノ協奏曲イ短調 
アントン?・カンパー(p) 
Brahms  
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 
エドゥアルド・ムラツェク(p) 
ハンス・スワロフスキー/ウィーン国立歌劇場管弦楽団 
LPからのステレオ音源 The American Record Society録音? 
 秋がやってきて、ようやく心安らかに音楽を聴ける季節となりました。これはネットから入手した怪しい音源。 
 Schumannを担当するAnton Kamperって、コンツェルトハウス弦楽四重奏団のヴァイオリニストでしょ?同姓同名のピアニストが存在したのか、じつは名ヴァイオリストはピアノも達者であった!?のか、たんなる誤記なのか。LP時代の情報には間違いなくそのピアニスト名が記されております。いろいろ調べてみるとWalter Kamper(1931-2015墺太利)である、との情報も出てきました(未確認)。演奏は技巧に優れ、思わせぶりな揺れやらタメのない勢い、たっぷり浪漫の熱気に充ちて流れの良いもの。良質なステレオ録音は1960年前後か、13:56-4:40-10:28の時間配分は標準的なテンポでしょう。これは立派な演奏です。 
 名伯楽とされたHans Swarowsky(1899ー1975洪牙利)の音源そのものが怪しいのが多くて、ウィーン国立歌劇場管弦楽団もほんまに彼(か)のウィーン・フィルのメンバー?フォルクスオーパーかもしれないし、録音用寄せ集めの可能性もあります。 
 Eduard Mrazek(1929ー2001墺太利)のほうは往年のピアニストであり、教育者でもあったとのこと。リカルド・オドノポゾフ(p)との録音も存在します。Brahmsも音質良好なるステレオ。お気に入りの作品は期待を込めて拝聴いたしましょう。 
 ピアノの技量に不足はない芯のある音色タッチ、オーケストラの優雅な響きもしっとり、迫力にも不足しない・・・なのに不思議にあっさりと淡々、素っ気ない演奏。第1楽章「Allegro non troppo」(15:05)第2楽章「Allegro appassionato」(7:40)第3楽章「Andante」(9:44)第4楽章「Allegretto grazioso - un poco piu presto」(8:38)のタイミングは”やや速め”、スケールの大きさ、重厚、思わせぶりな詠嘆とか、そんなものとは無縁なほとんど機械的にイン・テンポな表現。それはスワロフスキーの真骨頂か、甘美な余情など不要!楽譜を忠実になぞって、音楽はさっさと進む!そんな風情。 
 浪漫から遠く離れて妙にモダーンというか、かつて経験したことのない”乾いたBrahms”、21世紀だったら絶対に発売されぬ個性かと。こんな大昔の音源発掘もヲタク趣味の愉しみでしょう。 (2019年9月22日) 
 
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