Schumann 交響曲第3/4番
(フランツ・コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス交響楽団)
Schumann
交響曲第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
交響曲第4番 ニ短調 作品120
フランツ・コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
CCC 0002172CCC-4 1960/61年録音 11枚組3,290円で購入したウチの一枚
コレ購入したのはもう三年前(2001年)か・・・光陰矢の如し。Beethoven 、Brahms 辺りの有名交響曲スランプで数年苦しんだけれど、ここ最近ずいぶんと楽しめるよう精神的に回復しました。ところがSchumannが苦しい〜ピアノ作品とか、室内楽だとあれほど楽しいのに、交響曲になると大苦戦・・・それでも2003年録音のジンマンの新しい録音を聴いてみたり、馴染むべき努力は惜しみませんよ。さて、Beethoven でも悩ましかったコンヴィチュニーとは久々のご対面、如何なもんでしょうか。
明るく勇壮で前向きな旋律が、ひたすら重苦しくも押しつけがましい「ライン」〜響きは混沌の渦に埋もれ、ワタシにとってこの曲は「嗚呼、うるさい」(なんて罰当たりに感じちゃう)作品なんです。(すみません)だから、ちょっと抜いて、鼻歌でも歌うように気楽に軽快に、すっきり整理された演奏が望ましい〜けど、なかなかそんなんありませんよね。(ジンマンの演奏だってだって、軽快だけれど鼻歌まじりじゃない)
各界の評判も上々なコンヴィチュニーは、まず録音がよろしくない。1962年に亡くなった方だから時代的に仕方がないが、いくつかかなり優秀な録音(Bruckner 交響曲第5番など)もあるし、残念です。(Brahms の交響曲第1番でも、そこは気になった)それはコンヴィチュニーの責任じゃないでしょ。
じゃ、アンサンブルがかなり粗いのはどうか。別にマズア時代のさっぱりとまとまったアンサンブルを推奨したいわけでもないが、これはずいぶんとオーケストラの響きが濁って、ただでさえSchumannのオーケストレーションって少々問題有、とのことだし、なんかワタシの求める「気楽すっきり」方面とはどんどん縁遠くなってきて不安です。いえ、洗練された軽快な演奏は「コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス」に求めちゃいけないんでしょうけど。
表現的には実直、率直、着実。重心は低い演奏。フレージングは旋律の末尾までちゃんと句読点を打つ!ああ、この音質なんじゃい、アンサンブルも乱れちゃってさぁ・・・オーケストラ、あんまし上手くないんじゃないの?なんてブツクサ言いつつ聴いていると、やがて根負けして、こういうの好きな人いるだろうね、服装やら見た目カッコ良くない時代遅れだけど、存在感も説得力もある・・・二世代前くらいの日本人なら。ちょっと説教クサイか。
美しくない演奏でしょ。でもワシ、毎日一生懸命お仕事しているけんね、的誠実さに溢れて、少々の響きの濁りには目をつぶって下さい。気をたしかに、テンションを維持して「ライン」第5楽章までちゃんと拝聴いたしましょうね。墨痕鮮やかな極太楷書だけれど、紙質がよろしくなくて滲みがひどい・・・そんなことを連想しました。でも、やっぱりワタシにとってこの作品は「嗚呼、うるさい」曲だこと・・・。
第4番ニ短調は、作品的にずっと好きなんです。「悲劇的」なんて名付けたいところ。ゴリゴリとした低音が、次々と崖っぷちに追い込んでいくような緊張感がたまりません。演奏は「ライン」と変わりません。剛直清貧(そう、豊かな感じじゃない)この道一筋。表面を飾ることを拒否した挙げ句、どろどろに(響きが)汚れてしまった感もあります。
でも、作品的にはこちらのほうが似合っていて、演奏時間も24分程度だし、楽章の切れ目はないし、で、一気呵成に聴けますよ。あちこちの楽章に静かな対比が出るでしょ?第2楽章「ロマンツェ」のヴァイロン・ソロとかフルートとか。特別にドキドキするほど美しいとは思わないが、全体的に「やかましい」(ごめん)ので、そういった部分は嬉しいものです。
さて、Schumann交響曲克服への道はなかなか険しい。(2004年6月11日)
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