Brahms 交響曲第1番ハ短調(コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス管弦楽団)


Ars Vivendi	MRC023
Brahms

交響曲第1番ハ短調 作品68

Mozart

アダージョとフーガ ハ短調 作品68

Beethoven

大フーガ変ロ長調 作品133

コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス管弦楽団(ライプツィヒ)

Ars Vivendi MRC023 1960年頃録音? 970円(当時の税込みで1,000円)で購入

 ・・・・・いい加減なことばかり書きやがってよ、ちっとも感動していないクセに。その筋には熱心なファンもいるから遠慮したのか?もっと正直に、書かなきゃダメよ、自分のHPなんだから>って、ワタシのこと。

 この曲、日本じゃ人気ナンバーワンだそう。ここんところ、HindemithとかShostakovichとか、Scho"nbergなんかの難解な音楽もスルスルと耳に入るし、こりゃ一発苦手なSchumannでも〜と、交響曲第1・3番(ショルツのPILZ盤)も無事クリア、いよいよBrahms 攻略だな、とこのCDを棚から取り出し。でも、見事に躓きました。

 結局、Brahms の交響曲にはなにを求めたらよいの?カッコ良さ(これチェリビダッケのイタリア放送ミラノ響で〜あれ?再聴してみたら妙に表面的)、トコトン優美で美しい演奏(ワルター/ウィーン・フィルだな、こりゃホンマモン)でしょう。もういいです、質実剛健倹約節約は。豊かな時代になったし。「渋さ」ってなに?やっぱり「燻し銀」でしょ?キンキラと安っぽい輝きじゃなくて、使い込まれ磨き込まれた鈍くも奥行きある輝き。コンヴィチュニーのこの演奏はそんなんじゃないですよ。アンサンブルの精度も低いし。

 珍しくライヴなんですって?どうりで音が悪いと思った。ナマならではの勢いもそうあるとは思えません。ダメ演奏とか、ヘロ・アンサンブルとは言わんが、美しくない、カッコ良くない。グダグダと曇りがちの演奏。終楽章のホルン、これはよろしいですよ。甘い音色。朗々として男らしい。続くフルートも努力賞、おお、そしてシミジミとオケの面々が集いながらささやき合う場面へと。

 そして「歓びの歌」もどきが、素朴なドイツの学生歌のようではないか。地味さも度を超すと、ひとつの価値となって聴き手を誘惑するのでしょうか。時にテンポも揺れちゃって、ウームと唸りたくなる。ラストのタメも凄いっすよ。終楽章はそれなりに説得力もあって、これは聴き終わった後に、なんとなくまた聴きたくなる・・・なんてことはありません。しばらく遠慮します。

 あとの2曲は、まったく美しくなさが徹底して、少々聴いていてツラい。でも、どうしてコンヴィチュニーBOXにはこの録音は含まれなかったんでしょうねぇ。不思議。

 以下、1999年頃のホラ話はそのまましたに掲載しました。なにが「ドイツ的」だい。ビンボー臭い響きなだけですよ。嗚呼、恥ずかし。(2002年1月17日)


(追加)この文書を更新したらBBSに書き込みがありました。

「さて、コンヴィチュニーのブラ1ですが、ウチのBBSでの情報によりますと、Ars Vivendi のCDよりも、ギンペルのヴァイオリン協奏曲と詰め込まれた廉価盤LP(GTシリーズ)の音のほうが低音がしっかりして良い音がすると言われていました。 当方はCDを持っていないので聴き比べはできませんが、LPを聴く限りクリアとはいえないまでも締まったしっかりした音でズシリときます。」(安田さん)

 これ、LP時代の「キング世界の名曲1000シリーズ」でして、ワタシも昔所有しておりました。カイルベルトのBrahms もLP時代とは全然雰囲気が違ってガッカリしたし、CD復刻も難しい。


 ウワサの録音なのに、たしか、まだベルリン・クラシックスでは再発されていないはず。ときどき「求む!」の広告も見かけますね。そんなに貴重な録音なんでしょうか。むかし、B面にギンペルのヴァイオリン協奏曲が組み合わされた超徳用LP廉価盤を持っていました。(キング世界の名曲1000シリーズ。考えても見れば、よくもまぁ詰め込んだもの)新宿駅だったかな?これは、なんの気なしに買ったものです。1990年代はじめの頃の話し。(ホントの「駅売り」ですよ)

 1962年には亡くなっていたのに、意外と録音があるコンヴィチュニー。(アル中だったのはホント?)ベートーヴェンの交響曲全集なんて、人気があるのか、なかなか安くならないので買えません。(ベルリン・クラシックなら、録音の新しいブロムシュテット盤のほうが安い)一種独特の、手堅く、地味で、重く、無骨な響きが現代にはかえって新鮮かも。

 収録された曲が、いかにも、じゃないですか。Brahms はライヴ録音だそうで、このひとには珍しい。

 高音が出ない、かなり古臭い音質であるのは、LP時代からの印象。ややゆっくりめのテンポ、弦主体の地味なオケの音色。管楽器群の淡彩な音色、しみじみとしたうたい口、がっしりとした構成感。

 冒頭から腰が据わっていて、抜群の安定感。「Brahms はこうでなくっちゃ」といった、納得できる音、テンポ。これがドイツ的(便利な言葉)ということなのでしょうか。技術的に特別とは思いません(むしろ細部のツメが甘いところはある)が、音色がやたらと古色蒼然としているのは、録音のせいだけではないかも知れません。

 ワタシはコンヴィチュニーの熱心な聴き手ではありませんが、LP時代の印象では端正で正攻法、やや面白み少なし、といった先入観でした。ライヴ録音が残された経緯はわかりませんが、けっこう熱く、旋律の節回しにリキが入っている。(提示部を繰り返してくれないのは個人的に残念)

 アンサンブルは少々ラフではありますが、それを補って余りある勢いを感じさせて、久々に「ノリ」、そして「間」を感じる「ブラ1」でした。うん、聴けば聴くほどどんどん引き込まれていく感じ。

 オーボエのしみじみとした、ほのかに震える音色、クラリネットの控えめで透明な歌、ホルンはヴィヴラートがかかって、しかも渋い。オケの音色を堪能したいなら第2楽章でしょう。弦の練り上げられた調和。

 第3楽章の、思い切った引きずるようなテンポの揺れも決まっています。最終楽章は、ものものしい雰囲気の開始から、朗々とした(森にこだまする狩りの合図か。奥深くから鳴っている)ホルン、しみじみとしたフルートに引き継がれ、やがて弦の渋い(中低音主体)音色で例の「第9風旋律」が。

 金管が目立たない不思議なオケ。ローカルな響きを楽しみたいなら、確固たる個性がここにある。あわてず、騒がず、じっくりとした歩み。風格。スマートさ皆無。

 モーツァルトはやたらと深刻すぎて、やや重すぎか。ベートーヴェンの「大フーガ」は、曲調とオケの雰囲気が似合っていて、抜群の迫力。音の状態は相変わらず・・・と、いいつつ例の音色は充分楽しめます。

 想像だけど、我がボロ・オーディオながら以前に聴いたときより(真空管アンプに替える前より)、印象がずいぶんと違う感じ。だから、現代技術の粋を集めてリマスターしたら、もっと違うかもしれません。(アラも目立つかな?)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi