Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」
(ワルター/フィラデルフィア管弦楽団1947年)


History  205243-303 Schubert

交響曲第8番ロ短調「未完成」

ワルター/フィラデルフィア管弦楽団(1947年)

Berlioz

幻想交響曲

ワルター/パリ音楽院管弦楽団(1939年)

History 205243-303 10枚組 2,180円で購入したウチの一枚

   History歴史的録音10枚組は「音源の流用が怪しい」とのことで、絶対に買わない方もいらっしゃるようです。たしかに、2003年6月に見かけた「クレンペラー10枚組」には、VOX録音と思われるウィーン響とのものがかなり含まれておりました。価格も上がり気味で、こりゃいったいどういうことか・・・閑話休題。

 手許にはクサるほど歴史的録音が眠っていて、時々思い出して取り出すのも楽しみ。「いまさら『未完成』なんて」〜小学生の時に聴いたバーンスタイン/ニューヨーク・フィルで出会って以来、(それも含めて)正直ピン!と来たものは少ないんです。せいぜい、ヴァント/ベルリン放響(旧西)の1989年ライヴくらいか、なんてワルターさん、ごめんなさい。いままで放っておいてすみません。

 オケが抜群に上手い。上手いのは当たり前の名人オケだけれど、ストコフスキーやオーマンディのオケでしょ?ここではもの凄く繊細で、きめ細かい味付けが隅々まで行き渡って、ドキドキものでした。ワルターって、あくまでやさしく、やさしく、そっと優しく歌って、時にほわっと息を抜いちゃう。ずいぶんとロマンティックな演奏で、例えば第2楽章のラスト、どんどん遅くなって名残惜しい、切ない、哀しい。でも、とても自然なんです。

 これがアメリカのオケ?っていうくらいトロ甘くて、しっとり。でもね、時代錯誤のような異形なるスタイルではなくて、センスに旧さを感じさせません。ヘップバーンの古い映画をいま見てもキュートでしょ?ちょうどあんな感じ。耳元でそっと囁いて、ちょっと涙も流して、許してね、といった風情の表現。うん、もういいよ、許すよ。もちろん全部。

 当たり前のことだけど、名曲を名曲たらしめる演奏ってあるんですね。「あほ、オマエだけだよ、知らなかったのは・・・」と言われそうな、そんな素敵な発見でした。音質もずいぶんと聴きやすい。


 「幻想」はそれほど好きな曲じゃないんです。しかし、ワルターの戦前の録音は拝聴すべき、切ない演奏に仕上がっております。もしかして、いままで聴いたウチで一番かも知れない。音質も想像よりずっと良好。第1楽章は、ゆらゆら揺れるようなはかなさが溢れました。これぞ”粋”といった感じ。オケも軽快で、やわらかく明るい。

 ワルツもニュアンス細かく、まさに踊るように優雅じゃないの。「野辺の風景」〜間延びさせず、夢見るように15分間訊かせてくださる演奏は希でしょう。「断頭台への行進」(早めのテンポでスッキリ)〜「終楽章」も抑制と上品さを失わない。打楽器と金管を強奏させないのはこの人のクセですか?やや迫力不足なのは録音故か?

 終楽章では金管が高らかに鳴るから、やはり確信犯でしょうか。オケの技量はたしかで、戦前のパリ音楽院のオケには名人が沢山いたのでしょう。ラスト、聴きものの鐘はピアノで代用かな?(もしくは何かを重ねている)これは逆にかなり不気味な雰囲気を醸し出しました。

(2003年8月7日)


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written by wabisuke hayashi