R.Strauss 「薔薇の騎士」より/「サロメ」より/ブルレスケ
(ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/モスクワ・フィル/リヒテル(p))


YEDANGCLASSICS  YCC-0023R.Strauss

歌劇「薔薇の騎士」より管弦楽組曲
歌劇「サロメ」より「7つのヴェールの踊り」

ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/モスクワ・フィル(1966年)

ブルレスケ ニ短調

スヴャトスラフ・リヒテル(p)/ロジェストヴェンスキー/ソヴィエット国立交響楽団(1961年)

交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」

ダヴィッド・オイストラフ/ソヴィエット国立交響楽団(1966年)

YEDANG CLASSICS YCC-0023 すべてライヴ録音  10枚組3,324円にて購入したうちの一枚

 YEDANGCLASSICSらしい”寄せ集め”だけれど、いずれも聴き応え充分。音質はモノラルながら意外と(まぁまぁ)聴きやすいもの。どれも濃厚で彩り鮮やかな(と、いうより極色彩)表現で、たっぷり愉しめる一枚です。粋で颯爽、といった世界とはちょっと遠いけれど。やや田舎臭いリズムな感じはあるけれど。

 「薔薇の騎士」「サロメ」は予想通り、隈取りとメリハリがはっきりとした表現であって、ロジェストヴェンスンキーらしい骨太、賑々しいサウンドが繰り広げられます。陰影というか、彫りの深い、濃い味付け(ホルンの妖しいヴィヴラートは期待通り)だけれど、肌理の粗い音質がその印象をいっそう助長しております。強奏で響きは濁るけれど、滅多に聴けない非・洗練系爆発と、オツにすました部分が混在して、なかなか厭きさせぬ世界であります。ヴァイオリン・ソロの大仰なるヴィヴラートも滅多に聴けない。

 濃厚なるワルツ(「薔薇の騎士」)〜リズム強烈なる「サロメ」へ。打楽器前面、金管ぎらぎら、オーボエは蛇使いの大道芸人風ですな。所謂”爆演”だけれど、R.Straussだったら、たまにはこんな世界も悪くないんじゃないか。非洗練系・ド迫力は夏バテのスタミナ料理であります。

 「ブルレスケ」に於けるリヒテル強烈!強靭に叩き付けるタッチが壮絶であって、この技巧のキレは並じゃない。優しい旋律を硬質なタッチで表現して有無を言わせぬ説得力。例のLisztを思い出しましたね。自然体で粛々とした世界が好き・・・なんて、ふだん言っているけれど、この迫力にはぐうの音も出ない。30歳のロジェストヴェンスキーは上記管弦楽作品と変わらぬ、非・洗練系味付け濃いバックであります。

 少々の音質の不備、なんのその。「ブルレスケ」なんて・・・と思っていたが、名曲を名曲に相応しい水準に仕上げる名匠のマジックであります。脱帽。

 指揮者・オイストラフをあまり好んで聴くことはないけれど、この「ティル」は鮮やかなる推進力に溢れたものでした。上記ロジェストヴェンスキーよりアンサンブルの仕上げは細部ていねいであり、しかも露西亜のオケらしい骨太迫力+ユーモアも感じさせて立派なもの。先の「薔薇の騎士」に於けるヴァイオリン・ソロとは大違いの切々とした”美しい”もの・・・指揮者の御指導でしょうかね。

 金管はお見事!勢い余って少々ピッチが上がる部分も期待通りの華やかさ。やはり”洗練と粋”には縁遠いが、聴いていてスカっとする朗々とした演奏でありました。これが一番音質がまし。

(2009年8月21日)

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written by wabisuke hayashi