Rossini 歌劇序曲集(ビーチャム/C.デイヴィス/ガリエラ)


Rossini  序曲集 Rossini 歌劇序曲集

「結婚手形」
「どろぼうかささぎ」
ビーチャム/ロイヤル・フィル

「幸せな間違い」
マクシミウク/ポーランド室内管弦楽団

「ブルスキーノ氏」
C.デイヴィス/ロイヤル・フィルハーモニー

「セヴィリャの理髪師」
「ランスへの旅」
サージェント/ウィーン・フィルハーモニー

「絹のはしご」
「アルジェのイタリア人」
「ウィリアム・テル」
ガリエラ/フィルハーモニア管弦楽団

UNESCO CLASSICS DCL 706452  1960年前後録音?  @300で購入

 こういった「コンピレーションもの」(演奏家的に、もちろん収録曲的にも)の魅力は筆舌に尽くしがたい。モノラル期〜ステレオ初期のEMIに膨大な協奏曲伴奏録音を残したガリエラは、もともとイタリア・オペラを得意としていたけれど、残りの方々は少々Rossiniとは縁が薄そうで、なんともいえない顔ぶれでしょ。上記は、収録順じゃなくて、演奏家ごとにまとめなおしたもの。アバドの序曲集もヨロしいが、演奏家の個性を較べる悦びを味わうべきCDでしょうか。

 全曲録音があったとは思えないものばかりだから、序曲のみで録音したはず。ま、あんまり真面目腐って演奏にコメントするような作品じゃないと思うので、(いつもの如く)駄文を少々すみません〜ビーチャム/ロイヤル・フィルは彼の時代(〜1961年)が黄金時代であって、その優雅で厚みのある響きに魅了されますね。(ホルン!誰ですか?)同じオーケストラのコリン・デイヴィスは、当時若手のホープとしてEMIにそれなりに録音がありました。(Mozart など溌剌として魅力的)

 「ブルスキーノ氏」って、指揮棒みたいのが「コン・コン」と鳴ってユーモラスですよね。あとは(ま、どれをとっても似たようなものだけれど)どんどんクレッシェンドが掛かって”楽しさ増量中”という作品であり、演奏ぶり。音質も優れもの。
 奈良のT様から早速教育的ご指導が・・・「ブルスキーノ氏序曲のあの何かをたたく音は、本来は、第2ヴァイオリンの弓で譜面台をたたけという指示だったと記憶してます。ですが、手持ちの アバド〜LSOのCDは、大太鼓の縁をかたいバチのようなもので たたいているような音がしますし、シャイーのは、もしかしたら楽譜通り でやってるような感じもします。この曲、大好きで何度かオーケストラの選曲に 出したのですが、弓が傷むからという理由で却下されました。。。。(ーー;) 」

 もう一人注目したいのがサージェント。ウィーン・フィルではSibelius 作品集の録音が残っております。想像通り、ややまったり、ゆっくり目の演奏でした。リズムが少々緩め、アンサンブルがちょとまったり・ラフなのも彼らしい。ウィーン・フィルのRossini序曲というのも珍しいかな?ホルンのくぐもった音色がひときわ個性的で、頼りない感じもタマらない。ま、想像通りの響きの豊かさはあります。「セヴィリア」ではけっこうスピード・アップして、ノリノリでした。

 ガリエラは、フィルハーモニア管の明るく、引き締まった音色を活かして魅力的。溌剌としたキレの良い響きは収録中出色のRossiniへの相性を感じさせます。オーケストラの音色にクセ(個性ともいう)を感じさせなくて、まさに軽妙とはこのこと。音の立ち上がりがシャキっとしているんです。切れ味抜群。「ウィリアム・テル」のシミジミとした情感も聴かせ上手。

 きっとマクシミウクのみ、少々新しめの録音と想像されます。録音は一層鮮明だし、小編成のオーケストラは見通しのよい響きで悪くありません。嗚呼、なんかこんな下らぬコメントなど必要なくて、アタマ空っぽで軽快な流れに身を任せたいな。(2003年12月26日) 


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written by wabisuke hayashi