20世紀ピアノ協奏曲集 第2集(Schulhoff/Antheil/Gershwin/ミヒャエル・リシェ(p))


ARTE NOVA 74321 91014 2 Schulhoff

ピアノと小管弦楽のための協奏曲(1923年)

ガンサー・シュラー/中部ドイツ放送交響楽団(ケルン1993年)

Antheil

ピアノと管弦楽のためのジャズ交響曲(1927年)

Gershwin(1925年)

ピアノ協奏曲ヘ調

ウェイン・マーシャル/ベルリン放送交響楽団(2002/3年)

ミヒャエル・リシェ(p)

ARTE NOVA 82876 51051 2 580円にて購入

 前集のコメントが2003年、このCD入手は2005年3月6日とのメモが残っておりました。わずか数年前迄真面目というかマメというか、こうして新しい音楽に日々挑戦しておったのだな、と感慨も深い。最近の堕落ぶりはなんだ!とくに1960年以前の音源がパブリック・ドメインに至った、ということもあって、安易に馴染みの作品、昔懐かしい音源ばかりでお茶濁しの「音楽生活」に至っております。RCAの出資を受けたヴェンチャー企業であったARTE NOVAも、OEHMSと分裂?挙げ句、肝心のRCAレーベルはSONYに売り払ったから、こんな骨のあるCDもおそらく消えたことでしょう。残念。

 この第2集のテーマは「ジャズ」。

 Erwin Schulhoff (1894-1942)って、(リンク先情報によると)悲惨なる生涯だったのだな。ドイツからプラハに戻る頃の作品らしい。静謐、幻想的な3楽章18:42の作品であり、終楽章に「Allegro alla Jazz」との表記有。第1楽章はシンプルなピアノのアルペジオが木管を呼び込み、やがて安寧かつ浪漫的甘美な旋律へと発展いたします。この時代、既にBartokがかなり活躍していたことを考えるとやや保守的耳当たりの良い作風か。それでも第1楽章終盤に向け(小管弦楽とはいえ)かなりの迫力、ちょっとハメを外した絶叫がありました。

 第2楽章。とぼとぼと歩むような寂しげなピアノの「音符の数」はそう多くない、静謐な開始。やがて(ここでも)甘美流麗なる旋律へと至って(カンデツァ?)なかなか管弦楽は出現しません。ようやく4:40ころから木管+ヴァイオリン・ソロ(クルト・ギュンター)が幻想的に絡み合って妖しい雰囲気高まります。アタッカで冒険活劇風原始のリズムもわかりやすい「alla Jazz」へ。ま、専門の方だったら「旋法がどーの」というところなんだろうが、ド・シロウの耳にはJazzには全然聞こえまへんな。

 どんどんスピードを上げ、熱を加えて、打楽器も華々しく参入、暗く盛り上がる音楽。途中に和風な旋律も登場し、ユーモラスにヴァイオリン・ソロと絡み合います。ここもけっこう静かなんだな。ピアノも管弦楽も至極仕上げはていねい、乱暴だったり、技巧をぎらぎら披瀝するようなテイストじゃありません。けっこう名曲。

 Antheilの「ジャズ交響曲」最高。ウェイン・マーシャルってたしかGershwin辺りを得意としていて、ノリノリのシンフォニック・ジャズに山下洋輔勝手に乱入!(ウソ)的、自在なピアノ・ソロ絡みます。金管のスウィングは”いかにも”なんだけど、バンジョーってこんな使い方あるのか?というくらい本来の雰囲気とは異なる旋律弾かせております。全13分弱、4分過ぎくらいから破壊的シンプルな繰り返し始まって、ま、Stravinskyテイストでっせ。これがどんどこ音量上げて、打楽器徐々に参入して、やがってエッチなジャズ・トランペット〜加藤茶「ちょっとだけよ(タブー)」の雰囲気〜出現。再び勝手に山下洋輔風ピアノ破壊的に呼応して(ここにまったく怪しいバンジョーも入っておる)、やがて”妙に懐かしいまともな”ピアノ・ソロ(ワルツ)に至って、大団円・・・かなと思ったら?

 「ペトルーシュカ」クリソツ場面出現して、”妙に懐かしいまともな”ワルツに戻って終了。

 Gershwinのピアノ協奏曲はお馴染み。聴く機会も多いのに、この一枚の存在はすっかり忘れておりました。マーシャルのオケは速めのテンポ、雰囲気もリズムのノリもたっぷり、しかもムーディに美しい(ベルリンのオケなのに)。ミヒャエル・リシェのほうは細部迄きっちり、生真面目に描き込んで”クラシック音楽”としての則を崩しません。技術的な不備はないけれど、繊細際だって賑々しい雰囲気ではない第1楽章。

 第1楽章「アダージョ」は気怠い雰囲気+妙に高級に洗練された響き際立つオケが凄い。ピアノが参入する3:20辺りまでの集中力が素晴らしい。そのテイストのままピアノが静かに、上品に参入。クール、ニュアンス豊か。静謐。なんか今迄聴いていた演奏とはちゃうなぁ、これも有だけど。硬派のクラシック・ファンはこちらのほうが好きなんじゃないか。

 終楽章は頑張ってもらわぬとアカンところ。ここでも”高級”路線変わらず。ずいぶんと上品なGershwinでしょう。子供の頃から「亜米利加」演奏に馴染んできたワタシには少々隔靴掻痒感ありました。ラストの”決め”はみごと。第1集も再聴しなくては。

(2012年3月11日)


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written by wabisuke hayashi