Ravel ピアノ協奏曲ト長調/夜のガスパール/ソナチネ
(マルタ・アルゲリッチ(p)/クラウディオ・アバド/ベルリン・フィル)


POCG-9787の海賊盤CC1078
Ravel

ピアノ協奏曲ト長調
夜のガスパール
ソナチネ

マルタ・アルゲリッチ(p)/クラウディオ・アバド/ベルリン・フィル

駅売海賊盤CC1078(DG録音)1967/74年録音

 小学生時代に出会った音楽とのお付き合いも半世紀を数えました。永遠のド・シロウトは日々心安らかに音楽を拝聴して、今や集め過ぎた音源物量に呆然、処分整理を旨とする日々。中古屋には昔懐かしい姿そのまま(状態のよろしい)LPがたくさん並んでおります。おそらくは熱心な愛好家が逝去され、家人が置き場所に困って処分したものでしょう。遠くない将来の自分を想像しました。この駅売海賊盤は2006年5月中古入手@250也、【♪ KechiKechi Classics ♪】 も長く継続すれば購入時期検索は可能だけど、ちゃんと聴いた!肝心の記憶は蘇りません。ローカルなサウンド、無名の個性を求めて、メジャーな演奏を避けがち、やがて世代は一巡して原点帰りも悪くないでしょう。

 半世紀前、アルゲリッチが20歳代、アバドも30代前半、当時期待の若手の協奏曲録音でした。別に本場もんを称揚するつもりもないけど、21世紀は”巧い演奏”ばかり、少々技術的に危うくても粋な味わいある演奏が聴きたくなる今日此頃。いずれ演奏云々より、まず名曲をしっかり愉しみましょう。(でも、音質は気にするようになりました)

 第1楽章「Allegramente(明るく、楽しげに)」。鞭の開始は寓話みたいな意味があるのでしょうか、それとも乗馬の疾走(しないけど)合図かも。例の如し弾けるピアノの躍動は輝くばかり、カラヤン時代のベルリン・フィルの技量サウンドの厚み洗練に文句はないけど、あまりに緻密スムーズかも。剽軽な明るさ+ジャズの風情満載、金管のつぶしも絶品に上手くて、きっちり縦線が揃っているのも驚くべきこと。元気のよろしいお嬢さんのピアノを支えるのは、このくらいがよろしいのかも。大活躍のトランペット・ソロはどーもイメージと違う生真面目過ぎ。

 第2楽章「Adagio assai」。Satie風静謐瞑想(Wikiによるとサラバンド風とか)ですよね。若手女流がここまでしっとりと弾いてくだされば文句ないでしょう。ソロが3/4拍子、伴奏は6/8拍子とか、きっと演奏側はタイヘンなんやろなぁ。木管やら弦はたっぷり艶々セクシーな音色、情感のうねり、盛り上げ方、ソロとオケの息もぴったりであります。終楽章「Presto」。このお祭り騒ぎ(トッカータ風)はやはりSatieやらStravinskyを連想させて+統率色彩といった賑々しさ華やかさ。これは時代の産物だったんですね。花火のようなピアノの炸裂、いつもは冷静なアバドも煽られて燃えるベルリン・フィル。ファゴットの細かい音型はド・シロウト耳にも超絶技巧?変拍子、金管のグリッサンド、変幻自在な名曲を堪能させてくださいました。(22分)

 音質現役。駅売海賊盤でも。

 「夜のガスパール」(Gaspard de la nuit第1曲「オンディーヌ」第2曲「絞首台」第3曲「スカルボ」)はベルトランの詩集(見たことないけど)からインスパイアされた作品とのこと。先の協奏曲とは対極なほど内省的な情感漂って、かなり難解な作品かと。正確な技巧のキレ(「スカルボ」はまともに弾ける人は珍しいそう)ハジける情熱の高まり、爆発はほとんど壮絶。(22分ほど)「ソナチネ」は古典的衣装をまとって、夢見るように可憐、平易な旋律です。アルゲリッチは流れるように、デリカシーたっぷり。(10分ほど)

(2017年3月20日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi