Mussorgsky 組曲「展覧会の絵」(カイエ編曲)
(オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団)


HISTORY 205236-303  Mussorgsky

組曲「展覧会の絵」(カイエ編1937年録音)

Dvora'k

チェロ協奏曲ロ短調 作品104(1946年録音)

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団/ピアティゴルスキー(vc)

HISTORY 205236-303  10枚組2,190円のうちの一枚

 オーマンディの「歴史的録音集」復刻なんて目の付けどころが渋すぎて、驚きの10枚組。しかも充分に安い。日本では人気は薄いはずだから、アメリカ辺りでは懐かしんで買う人も多いのでしょうか。ほとんどステレオ時代に再・再々録音があるレパートリーばかりで、「展覧会の絵」は彼の十八番でしょう。

 で、流れてきた音楽を聴いて愕然としましたね。ちゃんと説明書きを読まないで買っているから、まさか「カイエ編」とは。(外箱にはその旨載っていない)いろいろな版で聴いてきたけれど、この版はウワサばかりでCDではもちろん初めてでした。これは希少価値。

 静かな木管から始まるプロムナード、「グノーム」の多彩さはラヴェル盤を凌ぎ、古城前の吟遊詩人はオーボエで詩を語ります。「ビドロ」はオーマンディの真っ直ぐな表現のせいもあるが、速いテンポで突進します。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミーレ」における金管のしゃくり上げるようなこぶし、続く第5プロムナードの優雅な美しさ。

 全体にラヴェル盤より打楽器がやや控えめだけれど、重量感・厚みも充分で、傾向としては似ている傑作。おもしろさはストコ版のライヴに匹敵します。録音が新しければ、目も眩むような輝かしい響きが堪能できるはず。(想像以上に聴きやすい音だけれど)オーマンディはケレン味がないというか、スッキリとした余計な飾りがなくて好感が持てます。


 ドヴォルザークは音質がかなり良好。ピアティゴルスキーは1960年の録音(ミュンシュのバック)が有名だけれど、こんな録音があったことは知りませんでした。優雅で、まるで鼻歌混じりような節回しが軽快です。録音の加減か、低音が響かないが、威圧感がなくてよく歌って美しい。

 バリバリと腕が鳴るようなテクニックだけれど、懐かしい民謡調の旋律はあっさりめに表現されます。ロストロの濃厚な味わいに慣れていると淡泊にきこえるかも。でも、流れはとても良い。オーマンディはいつもながら合わせものは得意で、オケは抜群に上手くてソロにピタリと付ける。ま、上記「展覧会の絵」も含めて、このオケは大昔から上手かったということでしょう。

 同時期の録音である、トスカニーニ/クルツ(vc)盤に比べれば、たとえ技術的に完璧でも「歌心」が違います。この演奏には堅苦しさがありません。終楽章もノリが良くて楽しく聴けました。

 一般に、とくに「展覧会の絵」みたいな曲は良好な音質で聴くほうがよろしいでしょう。でもねぇ、この価格でしょ?わざわざ選んで買うようなCDじゃないかも知れないが、出会ったのもなにかの縁。存分に楽しませていただきました。(2001年3月30日)


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written by wabisuke hayashi