Beethoven ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための協奏曲ハ長調 作品56
トスカニーニ/ニューヨーク・フィルハーモニック/ピアストロ(v)/シュスター(vc)/ドルフマン(p)


HISTORY 20.3193-HI Beethoven

ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための協奏曲ハ長調 作品56
トスカニーニ/ニューヨーク・フィルハーモニック/ピアストロ(v)/シュスター(vc)/ドルフマン(p)(1941年5月1日ライヴ)

Dvora'k

チェロ協奏曲ロ短調 作品104
トスカニーニ/NBC交響楽団/エドモンド・クルツ(vc)(1945年1月28日ライヴ)

* 両曲ともソリストのクレジットなし

HISTORY 20.3193-HI 10枚組3,350円で買ったウチの1枚

 いかんなぁ、協奏曲ならフランセ辺りで行こうと思っていたのに、いつもお馴染みの曲ばっかり聴いてしまう。新しいものに興味を失ったら、もう一気に脳の老化の始まりか。しかも、わざわざ旧い録音でね。トリプル・コンチェルトは、冒頭凄い針音で(SPから勝手に復刻したのかな)少々たじろいだものの、演奏は火の出るようなド迫力。あれ?ヴァイオリンはハイフェッツだったっけ、とスリーブをひっくり返してみてもクレジットがない。

 どれか雑誌に載っていたはず、と、あちこち手持ちの資料でひっくり返してみるが、確認できない。この記憶の飛びかたも「老人力」はつきはじめた証拠か。両親は健在なのに、息子がこんなんでどうする。インターネットで調べてようやくわかりました。オケの団員でしょうか。

 Beethoven の協奏曲は、ヴァイオリン協奏曲が別格に素敵で、ピアノ協奏曲は少々(第5番はかなり)苦手。トリプル・コンチェルトは、世評は低いけれど、ワタシ好きなんです。シンプルで、小細工のない旋律がなんとも言えない。だから手元にCDもけっこうある(はず。ちゃんと数えていない)。

 トスカニーニは、あまり量的に聴いていません。(LP時代に廉価盤が少なかったせいか?いや、LPでも1,000円盤はあったような・・・?フルトヴェングラーは怪しい廉価盤がいっぱいありましたね)少ない経験では、ニューヨーク・フィルとの(というか、NBC響以外との)録音のほうが楽しめます。(中学生時代に、Beethoven の第7番と「ハフナー」交響曲を聴いて以来の確信)このCDの2曲でも、トリプル・コンチェルトのほうが音質は落ちるけど、オケに深みと柔らかさが感じられる。

 速いテンポでグイグイ進んでいくけれど、せき立てるような焦燥感は感じさせず、弾むようなリズムが魅力的です。いわゆる「一見イン・テンポ」演奏でしょうが、機械的・無機的拍子じゃなくて、よく歌ってノリノリの熱い演奏。音の悪さはすぐ忘れます。いつも不思議なんですけど、どうして歴史的演奏って「別耳」(甘いものは「別腹」・・・と女性がよく言う、あれからの造語)なんでしょ?ちゃんと「音楽」は聴こえるナゾ。ハデな針音も愛しいもの。

 ソリストの上手いこと、超特急のパッセージを難なくこなしていく快感。華やかで、軽やかで、音色がとびっきりで、細部の弾き飛ばしなんかもあるはずもなく、ひたすら流れに没入して、ピッタリと息が合って。この地味目の曲が「ヴィルティオーゾ名曲」に変身している驚き。もう、ちょっとそこらの「品揃え」的演奏は聴けないなぁ。(すまん。PILZの無名演奏家よ。許してくれ)全曲で30分切ります。

 ドヴォルザークのほうは、クルツという人のソロで記憶がありました。(どんな人なのかは知りません)音は少々マシ、いつもながらの真っ直ぐな演奏ぶりは健在ながら、響きに硬さを感じるのは先入観でしょうか。技術的には完璧だし、演奏全体を支配するテンションの高さは申し分なし。但し、ロストロの雄弁さや、フルニエの上品な歌に馴染んでいると、やや一本調子に聴こえるのは、やむをえないことでしょうか。(2000年6月16日更新)


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written by wabisuke hayashi