Tchaikovsky バレエ音楽「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」抜粋
(オーマンディ/フィラデルフィア管)


Tchaikovsky バレエ音楽「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」抜粋(オーマンディ/フィラデルフィア管) Tchaikovsky 

バレエ音楽

「白鳥の湖」作品20(抜粋1961年録音)
「眠りの森の美女」作品66(抜粋1961年録音)
「くるみ割り人形」作品71(抜粋1963年録音)

オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

海賊盤(CBS) CULTURE  CCD1015  350円で購入(\2,800って印刷してあるけど、ご冗談)

 2005年再聴。しかし別に、新機軸を発見したワケじゃありません。以下のコメントは「1998年」となっているがほんまでしょうか。このCDは出張時、新宿駅の地下で購入した記憶がありますね。1990年頃かな、当時としては出色の安さだったし(中古ではない。でも海賊盤の在庫処分だったんだろうな)お気に入りオーマンディの録音だったし、喜んで持って帰ったはず。

 ワタシは「大曲こそクラシック音楽の真骨頂である!」的発想はなくて、むしろ気軽に楽しめる小曲も好きです。この著名なるバレエ音楽も(こども時代より)長い付き合いでして、「白鳥の湖」は渡辺暁雄/日本フィルの17cmLPだったと思います。これには震えるほど感動しました。(第二幕「情景と白鳥の女王の踊り」)「美女」との遭遇はマゼール/ベルリン放響(コンサートホール・レコード)か、「くるみ割り人形」になると記憶曖昧で、もしかしたらクナッパーツブッシュでしたか?

 それ以来、ちゃんと集中して聴いたことはないかも知れません。「ファンタジア」(ストコフスキー大活躍の旧いほう)で「くるみ割り人形」にはすっかり魅了されました。(たしか、それがキッカケでロジンスキーの全曲盤を購入した記憶がある。アブラヴァネルの「白鳥の湖」抜粋が併録)カラヤン/ウィーン・フィル(1960年代前半。英DECCA録音)も聴きました。(ちょっと粘着質)ストコフスキー/ニュー・フィルハーモニア管(「白鳥の湖」抜粋1965年)の語り口が饒舌、雄弁、賑やかな演奏も楽しみました。

 で、結論的に「こんな演奏であって欲しい」という自分なりの基準が未だにできない、という情けない事実であります。でも正直、どれを聴いてもそれなりに楽しい。「オーマンディのCBS録音はアンサンブルが雑である」旨のサイトをどこかで拝見したが、そんなことはないでしょ、と思う前に、それほど演奏の質に言及するほどの、こだわりはないという事実。

 オーマンディの演奏は、当たり前のように安定していて、ツボを押さえて充分美しいですよ。ちょっと収録足りないですが(「白鳥の湖」は5曲。ワタシお気に入りの「情景と白鳥の女王の踊り」も「チャルダッシュ」もない)、充分豪華(ゴージャズ)でした。きっと音質だって正規復刻CDだったら、もっとちゃんとしていることでしょう。(このCDでは、各々音質の様子がかなり異なります)

 「究極の名演奏」「至高の名盤」を求めるのは、各々楽しんで探されることも一興。でも、「三大バレエ」ってそんなに目くじら立てて「名演奏」を探さなくても・・・それより、ワタシはナマで「白鳥の湖」の舞台を見たことが、とても貴重なる経験でした。(みんなバカにするけど)あれは美しく、楽しいものです。ほとんど内容のないコメント、ご容赦。(2005年5月14日)


 昔ほどこの曲は人気がないようですが、どうなのでしょう。

 「クラシック業界」はすっかりヲタク化(ワタシも)していて、「通俗名曲」(=死語)は「ヒーリング音楽」とか「アダージョ云々」方面に移行して消えてしまったんでしょうか。まして、このCDは忘れ去られた(もともと日本では人気がなかった)オーマンディ、旧いCBS録音、おまけに海賊盤、新宿のバッタ屋の投げ売りですからねぇ。どうだ!350円。もってけ泥棒。

 オーマンディはチャイコフスキーは得意にしてたようで、録音も多い。。恣意的なルバートはほとんどないのですが、自ずからにじみ出る歌心が曲本来の美しい味わいを引き出しています。オーケストラの響きが思いっきり豪華で瑞々しくて、眼前に華々しいバレエの舞台が浮かぶよう。(ま、あくまでコンサート用でしょうが)

 チャイコフスキーの旋律はなんか気恥ずかしくて、聴くのがためらわれた若き日。最近じょじょに「老人力」が付いてきて、虚心になって甘い響きに耳を傾けられるようになりました。

 誰もが知っている白鳥の「情景」(白い衣装のお姉さんと、悪役の黒い衣装のお姉さんがわかりやすい)。ディズニーのアニメでお馴染みの「眠りの森の美女」。幼い頃絵本で見た「くるみ割り人形」・・・・そういえばディズニーの「ファンタジア」も楽しかったな。E.L.&P(ELTじゃないよ)のロック演奏もいまとなっては懐かしい。どこをとっても懐かしく、わかりやすい曲ばかりです。名曲です。

 構えて聴くような音楽じゃないので、クセのない優秀なオーケストラの演奏で聴くのが一番。このCDは骨太で、ツボは抑えてあって、いうことない演奏でしょう。有名な「花のワルツ」なんて、これほどウキウキさせてくれる華やかな演奏は滅多にない。

 録音も思いの外聴きやすくて、なぜか「眠りの〜」だけノイズっぽいですがそんなに気になりません。

 そういえば最近は、この音源はあまり見ないかな。アンセルメやストコフスキーのバレエ音楽ははときどき「海賊盤」で見かけますけどね。それも安かったら買い、と思います。(1998年)


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written by wabisuke hayashi