Mussorgsky/Gliere/Rimski-Korsakov/
Tchaikovsky/Bolodin
(レオポルド・ストコフスキー/シンフォニー・オーケストラ)


CACD0546 Mussorgsky

交響詩「はげ山の一夜」(ストコフスキー編曲)
歌劇「ホヴァーンシチナ」組曲〜前奏曲「モスクワ河の夜明け」/ペルシャの女たちの踊り/放されるゴリーツィン公の出発

Rimski-Korsakov

序曲「ロシアの復活祭」(男声ソロ入)

Gliere

バレエ音楽「赤いけしの花」より「ロシア水兵の踊り」

Tchaikovsky

歌劇「エフゲニ・オネーギン」より「ポロネーズ」

Bolodin

交響詩「中央アジアの草原にて」
歌劇「イーゴリ公」より「だったん人の娘たちの踊り」(女声合唱/ストコフスキー編曲/これのみ1950年録音)

レオポルド・ストコフスキー/シンフォニー・オーケストラ

Cala CACD0546 1953年録音

 Leopold Stokowski(1882ー1977英国)はクラシック音楽の普及のため、生涯を捧げたサービス精神旺盛な指揮者だったのでしょう。残された録音は膨大、これはモノラル時期の記録、どれも音質良好+大仰なる個性的表現意欲に痺れております。どれも著名な懐かしい旋律ばかり、クラシック音楽フリークも病膏肓に至ると”こんな通俗大衆音楽!? ”的扱いになりがちなのを反省、聴衆を楽しませるために手段は選ばぬ意欲、デーハーな表現に脱帽して、思いっきり新鮮に受け止めたものです。

 交響詩「はげ山の一夜」はもともとRimski-Korsakovが編曲したものが一般に知られていて、オリジナルもなかなか粗野でエエ感じなのは知っておりました。ここではストコフキーの編曲、旋律配置はRimski-Korakov版をほぼ踏襲しつつ、旋律担当パートを種々変更して打楽器も種々加えてデーハー(ドラとか)たっぷりテンポも動かして、ときどきほとんど立ち止まるほど。サービス精神旺盛、ほとんど怪獣冒険映画音楽風。オケは上手いですね。(9:47)

 歌劇「ホヴァーンシチナ」組曲元になっているオペラも、Rimski-Korasakov、Stravisnky、Shostakovichの版がある未完の作品とか。「展覧会の絵」辺り多彩な編曲もあって、Mussorgskyは”編曲したい!”魅力があるのかも知れませんね。エキゾティックに妖しくも壮大なスケールを感じさせる前奏曲「モスクワ河の夜明け」、これもドラが効果的。(6:22)「ペルシャの女たちの踊り」優雅な風情が切々と歌って、やがてテンポ・アップに熱気を帯びて、元の落ち着きに戻ります。(6:03)第2幕反逆を狙う、摂政皇女ソフィアの寵臣ワシーリー・ゴリーツィンの占い結果は「失脚と流刑」その辺りの音楽でしたっけ?「放されるゴリーツィン公の出発」はなんかズズ暗い、重苦しい深刻な音楽でした。(4:49)

  序曲「ロシアの復活祭」は吉幾三「酒よ」旋律酷似(←幾度使ったネタ)三管編成+6種の打楽器+ハープも入る多彩な管弦楽。これも思いっきりテンポを動かして、いつになく極色彩ゴージャスな響きに旋律をたっぷり歌わせます。途中バリトンによる勇壮なモノローグが入って、これはストコフスキーの編曲でしょう。言葉の意味はわかりません。オケもヴァイオリン・ソロも素晴らしく上出来、ノリノリ。(13:40)

 「ロシア水兵の踊り」は正確には「ソヴィエット水兵の踊り」。「赤いけしの花」は1927年露西亜革命を賛美する最初のバレエ音楽だったとのこと。わかりやすい民謡風旋律、陰影に富んで徐々にテンポアップする情熱的な音楽。(3:22)「ポロネーズ」は単独でも演奏会に時々取り上げられる、明るく闊達、例の符点のリズムに溢れて優雅高貴な作品。舞踏会の華やかな風情を感じさせる名曲ですね。(4:14)

 誰でも知っている哲学的な交響詩「中央アジアの高原にて」は9:13!激遅纏綿まったりと歌うシミジミ表現は彼の真骨頂、録音用オケ も充分上手い。ラスト「だったん人の娘たちの踊り」はおそらくはBolodin一番人気、かと思ったら可憐にデリケートな娘たちの合唱から始まって(もちろん言語意味不明)やがていつも馴染みの熱気溢れるリズムが躍動しました。この対比、編曲の絶妙なこと!やがて娘たちの懐かしい合唱がやってきて、個々のテンポの落とし方入念な節回し、テンポアップの対比もストコフスキーの真骨頂でしょう。ラスト熱狂的な声楽とオーケストラの掛け合いもお見事な一大絵巻物風編曲。(17:47)

(2021年4月30日)

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written by wabisuke hayashi