Mozart 交響曲 変ロ長調K.74g (Anh.216/Anh.C11.03)
/音楽の冗談K.522/交響曲第33番ニ長調K.202
Mozart
交響曲 変ロ長調K.74g (Anh.216/Anh.C11.03)
音楽の冗談 K.522
パウル・カントシーダー/カペラ・イストロポリターナ
交響曲第30番ニ長調K.202(186b)
アルベルト・リッツィオ/モーツァルト・フェスティヴァル管弦楽団
CASCADE am@do clasiccs 01006「Mozart Pemium Edition 40枚組」2,980円にて購入
既になんどもサイト上で言及している2006年に登場した驚異の、過去最強の廉価盤ボックスより。PILZ系音源は1990年頃からずいぶんと集めたつもりだけれど、こんな形で再発されるとは・・・同一メーカーでBeethoven も出ていて、感慨深く(転居荷物整理ということもあって)既存CDを処分したものです。(オークションではほとんど売れなかったので、図書館に寄付)
パウル・カントシーダー(またはカンチーダー)は、オーストリア・インスブルック出身の指揮者。カペラ・イストロポリターナはスロヴァキア共和国ブラティスラヴァの室内管弦楽団(現代楽器)でして、初期NAXOSにたくさん録音があるし、来日もしております(2006年)。しかし”リッツィオ/モーツァルト・フェスティヴァル管弦楽団”は、どこかの音源を勝手に名付けたもので、実在の指揮者団体ではないそう。
交響曲 変ロ長調K.74g (Anh.216/Anh.C11.03)とは、第54番とも通称されるものであって、全集第6版では偽作(疑作?)として取り上げられておりません。手持ちのハンス・グラーフ全集にもなく、(市販では)ホグウッド全集に入っているくらいか?とにかく(音として聴くには)貴重なる存在として、この「Mozart Pemium Edition 40枚組」に収録され、それだけも有り難いと感謝しなければ。14分ほどの作品。楽器編成はオーボエ2/ホルン2+弦楽。
シロウト耳には我らが馴染みのヴォルフガング・サウンドそのもの。第2楽章「アンダンテ」出足がHaydn「時計」にそっくりなんです。オーボエ・ホルンが歌い交わして美しい。第3楽章「メヌエット」もゆったりとした舞曲になっており、これはカントシーダーのニュアンス豊かな表現故の印象でしょうか。
終楽章の上品な昂揚も、たっぷり堪能いたしました。名曲ですな。カペラ・イストロポリターナは素朴で落ち着いた味わいと言うべきか、やや元気が足りないかも知れません。地味ながらしっとり優雅なサウンドであり、音質も自然で聴きやすいもの。
「音楽の冗談 K.522」は別名”村の音楽家の六重奏曲”とされ、生真面目に演れば演るほどおかしさがいや増すばかり。これも「交響曲」かな?(全4楽章22分ほど)作曲技法上やってはいけないシロウト技はワタシには理解不能(妙に堅苦しい第1楽章)だけれど、ホルンが大幅に音を外す(というか、そういうように楽譜に表記される/第2楽章)辺りから誰でも楽しめる不協和音が連続します。第3楽章「アダージョ」はまさに天上の美しさで始まるのですが・・・
最後の瓦解はケッサク!最高です。
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交響曲第30番ニ長調K.202(186b)は馴染みの快活な作品であって、やや肌理の粗い響きながら躍動と勢い、明るい表情の演奏であります。音質だってそう悪くない。晴れやかで平明なる味わいは、まるでセレナードを連想させます。オーボエ、ホルンのみならず、トランペットを編成に含んでいることが華やかさを増しております。第2楽章「アンダンテ」は弦のみで演奏されておりますね。
古典的で屈託のない第3楽章「メヌエット」、終楽章はトランペットの活躍が目立ちました。虚心に耳を傾ければ、所謂”廉価盤用三流演奏”ではないことが理解できるでしょう。PILZオリジナル(?)では第21番イ長調 K.134/第33番 変ロ長調 K.319との組み合わせでした。(PMG CD 160 114)こんなところで再会するとは・・・
(2007年6月29日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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