Mozart ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219(ヤンウク・キム(v))/
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466(岡田桂子(p))


Ikegami DC-0043 2枚組500円にて購入 Mozart

歌劇「フィガロの結婚」序曲

カール・ベーム/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(1963年)

ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219

ヤンウク・キム(金 永旭)(v)/エッシェンバッハ/ロンドン・フィル

ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466

岡田桂子(p)/マレック・セヴェン/ワルシャワ室内管弦楽団

Ikegami (ポニーキャニオン)DC-0043((p)1991) 2枚組500円にて購入(弐枚目)

 凝った選曲、音源選定がなかなかよくできた「コンピレーション」2枚組、Ikegamiという情報機器の会社が45周年記念で配布したもの。壱枚目は以前にサイトに掲載済み。

 ベームの「フィガロ」は1963年日生劇場(こけら落とし)での来日ライヴ音源からの序曲でしょう。このままオペラ本番に入ってくれぬか、と願うべき躍動と期待、4分が短いぜ。乾いた音質も臨場感高めております。

 2曲続く協奏曲はここ最近珍しくなった、穏健派浪漫の表現であります。

 ヤンウク・キム(金 永旭)は「アックス/キム/マ」のトリオで協奏曲や室内楽録音で著名だけれど、詳細経歴はネットで探せませんでした。このエッシェンバッハとの録音情報もわからない(ディジタル録音か)。おそらくは他数曲の録音も存在するのでしょう。

 ソロが登場するゆったりとした出足は、テンポのタメが思いっきりあって、やがて躍動するテンポ・アップへ。表現には床しい抑制があって、豊かなヴィヴラートだけれど朗々たっぷりと幅広い音色ではない。誠実で地味目の歌に充ちて、バックの雄弁と好対照であります。なんとなく隣国・日本風の演奏との一脈通じるような・・・そんな感じ。

 先入観かな?演奏個性的には第2楽章「アダージョ」の、ちょっぴり神経質な演奏が似合っているかも。終楽章は落ち着いて、穏健牧歌的な喜びに溢れました。

 変ロ長調協奏曲K.595にて「静謐と潤い」を感じた岡田桂子さんだけれど、劇性溢れるニ短調協奏曲K.466でも同様。マレック・セヴェンのオケは充実しております。ちょっぴり茫洋として芯が曖昧な音質だけれど。ウェットなタッチは、まさにこの作品のためにあるようなピアノであって、しっとり優しく、瑞々しく歌って、激しい劇性を強調したものではない。全体としてテンポはゆったり系。リズムはちょっと重いかな。

 ここ数ヶ月、Mozart は古楽器でばかり聴いていて、その古雅な響き、躍動する軽快なるリズムに魅せられておりました。でもね、稀代の哀愁名旋律でしょ、こんな名残惜しく後ろを振り返るような(時にタメがあり、立ち止まるような)表現ってぴたり!似合っていると思います。流麗な技巧ではない、むしろとつとつと誠実。

 古典的端正なる第2楽章「ロマンス」だって、穏健派浪漫の表現が入念すぎるほどていねいに刻印されました。古楽器系にはない大柄な世界有。終楽章も、あくまでテンポは急がず、そして叫ばない。ゆったりと幅広い、豊かな音色を駆使して、やはり”劇性を強調したものではない”。陰影に富んで(いや陰ばかりかな?すくなくとも軽快ではない)しっとりとした甘い世界が展開いたしました。

 ラスト、長調に転調するじゃないですか。ここもけっしてあわてない。ちょっと、時代遅れっぽい、でも得難い演奏だと思います。

(2009年9月4日)

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written by wabisuke hayashi