Mozart a Paris (2)
(フェルナン・ウーブラドゥ/ウーブラドゥ室内管弦楽団)


EMI 7243 5 73590 2 3 Mozart

大序曲 変ロ長調 K.311a(Anh.8)
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調K.299
交響曲第31番ニ長調K.297「パリ」 (4楽章版)
レチタティーヴォ「テッサリアの人々よ」アリア「不滅の神々よ、私は求めず」K.316

フェルナン・ウーブラドゥ/フェルナン・ウーブラドゥ室内楽団/フランソワ=ジュリアン・ブラン(fl)/リリー・ラスキーヌ(hp)/アニック・シモン(s)

EMI 7243 5 73590 2 3 1955年録音

 Fernand Oubradous(1903-1986仏蘭西)はバソンの名手であり、仏蘭西室内管弦楽の嚆矢となった人。20年以上前に「Mozart a Paris (1)」を聴いていて、 これはMozartが巴里滞在時に作曲した作品を集めたCD4枚組の2枚目。一気に1955年に録音され、モノラルでも音質かなり良好。古楽器スタイルが本格化する遥か以前、浪漫の風情より明るく軽快、夢見るような音色とアンサンブルが続いて古さを感じさせません。

 大序曲 変ロ長調 K.311a(Anh.8) は現在では疑作とされているもの。
ゆったりとした夜明けのように優しい光を感じさせ「Andante Pastorale」(1:41)から、ヴィヴィッド明るい勢いに快活に走り出す「Allegro Spirtoso」。Mozartの真作ではないにせよ、フルートとファゴットの掛け合いがとても愉しい。(6:27)

 フルートとハープのための協奏曲 ハ長調K.299はギャラントに優雅な名曲。華やかにウェットにならぬ、からりとした音色のFrancois-Julien Brun(1909-1990仏蘭西)はフルートの神様モイーズの弟子なんだそう。Lily Laskine(1893-1988仏蘭西)はおそらくは近代ハープ最高の名手でしょう。いったいこの作品はいくつ録音があるのでしょうか?いつものように華麗にしっとりした演奏を聴かせてくださいました。ホルンの浮き立つようなヴィヴラートがいかにもお仏蘭西風(Pierre del Vescovoでしょうか/1929-2021仏蘭西)Allegro(11:13)Andantino(9:53)Rondo(9:42)

 交響曲第31番ニ長調K.297「パリ」 は本格的な二管編成にクラリネット+ティンパニも入って賑やかな作品。通常は三楽章で演奏され、ここでは「Andante」と「Andantino」ニ種緩徐楽章が録音されております。華やか軽快な勢いにヴィヴィッドな演奏でした。
 第1楽章「Allegro vivace」湧き上がるような感興と跳躍に充ちて元気一杯の始まり。Mozartは巴里の聴衆の好みをわかって、演奏前から受けると確信していたそう。(7:27)
 第2楽章「Andantino」こちらのほうが馴染んでいるゆったりとした緩徐楽章。ホルンは魅惑のヴィヴラートが響きました。(7:38)
 第2楽章「Andante」こちら初版はシンプルに牧歌的。弾むようなリズムに陰影もあります。(4:15)
 第3楽章「Allegro」細かい音型にそっと始まって、聴衆を驚かせる爆発的な躍動がやってきました。強弱の強調が巴里の聴衆に受けたのでしょうか。(3:48)

 K.316のレシタティーヴォとアリアはアロイジア・ウェーバー(Aloysia Weber/1760?ー1839独逸)のための作品。後に妻となるコンスタンツェの姉、Mozartは彼女の歌にぞっこんだったそう。伊太利亜語歌唱、伴奏はob-1/fg-1/hr-2/b-1/v-2/va-1/vc-1。清楚なソプラノ(かなりの高音と技巧必須)が哀しく劇的なレシタティーヴォ「Popoli di Tessaglia!」(4:27)から、美しい器楽アンサンブルを挟んで(ここは夢見るよう)敬虔な明るいアリア「Io non chiedo, eterni Dei」(6:37)へと続きました。Annick Simonの詳細情報は探せませんでした(1930年前後の生まれと類推)。ドラマティック・ソプラノなんだそう。

(2026年7月18日)

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written by wabisuke hayashi