Mozart アダージョK.411/K.580a/ノットゥルノ/嬉遊曲ハ長調K.188
(ヘンク・デ・グラーフ他)


Mozart  アダージョK.411/K.580a/ノットゥルノ/嬉遊曲ハ長調K.188(ヘンク・デ・グラーフ他) Mozart

アダージョ 変ロ長調K.411/ヘ長調K.Anh.94 (K.580a)

Henk de Graaf/Laura Rijsewijk(cl)/Jan Jansen/Diede Brantjes/Romke Jan/Romke Jan Wijmenga(bh)

ノットゥルノ(夜曲)(ソプラノ、アルト、バス、2本のクラリネット、バセットホルンのための)

K.346 (439a) 「優しき光、美しき光」 ヘ長調
K.438 「いとしい人よ、君が遠くにいると」 変ホ長調
K.439 「かわいい2つの瞳」 ヘ長調
K.549 「もはや見当たらず」 変ロ長調
K.436 「いざ恐るべき時が来た」 ヘ長調
K.437 「無言のうちに悲しむ」 ト長調

Vries(s)/Shcolte(a)/Ranselaar(b)/Henk de Graaf/Laura Rijsewijk(cl)/Jan Jansen(bh)

12のホルン二重奏曲 ハ長調 K.487 (496a)

Allegro 2/4
Menuetto : Allegretto 3/4
Andante 3/4
Polonaise 3/4
Larghetto 2/2
Menuetto 3/4
Adagio 4/4
Allegro 2/4
Menuetto 3/4
Andante 2/2
Menuetto 3/4
Allegro 2/4

Merwe/Buurman(hr)

嬉遊曲第6番ハ長調K.188

Zon/Wieringa/Steeghs/Heuvelman/Hoornweg/Groenendijk(tp)/Randy Max(tp)

BRILLIANT 92627/16 2001年録音  23枚組全諸経費込みで3,500円程でオークション入札したウチの1枚

 昨年2006年に入手した「全集よりのバラ購入」(素っ気なくも紙袋のみ収納/外箱なし)でして、ま、@152だし、たっぷり愉しませていただいております。満足。この一枚はオランダのクラリネット奏者ヘンク・デ・グラーフ(ロッテルダム・フィルの主席であった〜現役かどうかは不明)を中心とした、少々マニアックな選曲の一枚となります。正直なところ、演奏者の読み方さえ予想が付かないが、オランダ・ロッテルダムでの録音とのこと。全体としてクラリネット+バセットホルンを中心とした作品であり、+声楽、そしてホルン・デュオ+下記K.188の組み合わせ、いずれ茫洋たる味わいの、含蓄深い作品連続であります。”オトナ買い”しないとなかなか出会えない作品群也。

 じっくり聴くキッカケとなったのは(順不同ながら、ラスト収録)「嬉遊曲第6番ハ長調K.188」でして、ロバート・ジョンソン/ニューヨーク・フィロムジカ(VOXBOX1971-75年録音)との出会い/比較でした。リンク先作品情報によると、5本のトランペット+ティンパニ、更にフルートが2本加わるとのことで、実際VOX盤ではそう演奏されます。(エラくノンビリ牧歌的な雰囲気ともかく)こちらはフルートがないんです。演奏的にはもっと溌剌と楽しげであり、ま、結果的に甲乙付けがたい各々の魅力有・・・10分弱のほんの短い、ほのぼのぼんやり愉しむべき作品です。愛するヴォルフガングだけれど、この年齢(とし)に至って初めて出会った、素朴な作品也。

 アダージョ 変ロ長調 K.411 (484a)って、知っている作品だな?と数日考えて、「フリーメイスンの音楽」に含まれていたことを思い出しました。「荘厳なる入場のための作品」だそうで、そう言われるとなるほど、曰くありげ陰影たっぷりな風情もあります。K.580aのほうは作品解説(リンク先)によると「未完成」とのことだけれど、ここではちゃんと完成されていて、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」風の旋律から始まって、明るい表情に移り変わって、ゆったりと味わい深い。

 ノットゥルノはクラリネット+バセットホルンの茫洋とした響きに+歌が乗ります。敬虔なる三重唱であって、言葉の意味など分からないが、安寧の色濃い作品であります。どれも短くて、あっという間に終わるんです。清楚な歌声に、精緻な器楽アンサンブルが絡んであくまで静謐。

 12のホルン二重奏曲 ハ長調 K.487 (496a)は、リンク先解説によると楽器指定が曖昧らしい。DGではプリンツ/シュミードルらクラリネットによる録音が出ておりますね。PHILIPSではバセットホルン〜もしかしてホルンによる録音は貴重ですか?やはり作品的に、茫洋としてのんびりとした味わいあるけれど、CDとしてはクラリネット+バセットホルン→ホルン二重奏と色合いの変化が出て配慮があると思います。どれも短くて、屈託のない、しかし名人芸が要求される作品であります。

 ・・・で、ラストは嬉遊曲第6番ハ長調K.188〜何故フルートが省かれているのかは不明。トランペットは伸びやか溌剌だけれど、やはり(どこか)のんびりとした雰囲気はあって、ティンパニの合いの手がユーモラスなんです。

 いやはや、このセレナード/嬉遊曲/舞曲集計23枚分はずいぶんとたっぷり、じわじわと愉しめます。油断していると、一生出会えなかった作品との遭遇こそ至福の時であります。

(2007年6月22日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi