Mozart ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334(320b)
(ハミルトン・ハーティ/ロンドン・フィル1934年)


Columbia SP Mozart

ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334(320b)より
第1楽章「Allegro」ー第2楽章「Tema con variaciones」ー第3楽章「Menuetto」ー第6楽章「Rond-Allegro」

ハミルトン・ハーティ/ロンドン・フィル

Columbia SP 1934年録音

 Hamilton Harty(1879ー1941英国)はほとんど歴史的な存在、音源を実際に拝聴できるのは貴重であり、初めてでした。第4楽章「Adagio」第5楽章「Menuetto」が収録されないのはSP収録の時間的制約でしょう。音質はかなり鮮明。これは各パート一人に非ず室内オケでの演奏。ハズレのない名曲ずらり揃ったMozart中これは傑作中の傑作、弦楽+ホルン2本によるウキウキ優雅な旋律連続。大好きなMozartだったら作品は全部聴きたい!かつてCDを一生懸命集めてフローリアン・ヘイエリック/マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団(2002年)を拝聴、それは珍しく棚中数少ない現役生き残りでした。他幾種も聴いているお気入り中のお気に入り作品也。

 闊達優雅に歌って、モダーンなセンスに旧さを感じさせません。当時のロンドン・フィルの技量はたいしたもの。第1楽章「Allegro」浮き立つように湧き上がる感興、テンポの頻繁な揺れも語りかけるように表情豊か。さっぱりと気持ち速めのテンポに流れるような開始。サウンドに奥行きと色彩を加えるホルンは音質的にあまり際立ちません(高音が伸びない)。なんという優しい名曲!(6:59)

 第2楽章「Tema con variaciones」寂しげな足取りの主題から、次々と優雅に姿を変えて、風情は浪漫でしょう。基本表現はさっぱり、深刻に過ぎぬ味わい表情豊かに纏綿と歌います。明るく朗々と歌うホルンはテンポを落として雄弁でした。各変奏ごとにかなりテンポが動くのは、SP録音がばらばらだったからかも。(6:29)

 第3楽章「Menuetto」は”モーツァルトのメヌエット”としてあまに有名でしょう。この牧歌的なテイストは傑作中の傑作、切ない暗転も出現する天才の創作。途中ヴァイオリン・ソロの妙技が披露されて、これは傑作中の傑作でしょう。(4:07)

 いきなり最終第6楽章「Rond-Allegro」へ。優雅に流れるようささやきに軽やかな疾走が続いて、表情は晴れやかでしょう洗練された風情はほぼ90年!の時空を越えてセンスはモダーン、熱気と勢いを感じさせるフィナーレでした。(7:15)

DG LPMozart ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334(320b)〜ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル(1965年)・・全曲聴けないのは残念なので、たまたまカラヤンの旧録音を取り出しました。第4楽章「Adagio」に於けるたっぷり纏綿と甘い官能サウンドを聴いていると、この作品中カラヤンが一番こだわったのは、この楽章だったのか、そう類推できる陶酔、極限のデリカシー。(7:58)第5楽章「Menuetto」もまったりと粘着質なレガート際立つ、やや重い、大きな表現でした。(9:33)7:05-8:44-5:58-7:58-9:33-8:40。上記ハミルトン・ハーティと比較すると悠々としたテンポ設定の違いははっきり、ホルンは思いっきり雄弁。自分は室内楽スタイルとか、古楽器演奏を好むけれど、名曲は名曲、スタイルを選びません。
(2021年7月23日)

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written by wabisuke hayashi