Mozart 交響曲第31/32/33/36番
(バティス/マッケラス/スタンプ/ヘンヒェン)


BRILLIANT  99310
Mozart

交響曲第31番ニ長調K.297「パリ」

バティス/ロンドン交響楽団(1985年)

交響曲第32番ト長調K.318

マッケラス/イギリス室内管弦楽団(1992年)

交響曲第33番 変ロ長調K.319

スタンプ/アカデミー・オブ・ロンドン(1985年)

交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」

ヘンヒェン/オランダ室内管弦楽団(1990年ライヴ)

BRILLIANT 99310 40枚組9,500円で買ったMozart MasterWorksのウチの一枚。

 前回、交響曲第35/38/40番〜ヘンヒェン/オランダ室内管弦楽団を更新してから、6年経過。(月並みだけれど)光陰矢の如し。子供の頃から馴染みの我らがヴォルフガングの交響曲集だけれど、最近、大切に、ていねいに聴いていない・・・そんな罰当たり状態であります。ノーミソ前頭連合野の活動の衰え(=記憶力減退)は自覚しているから、ネット上に情報は確保しておいて、時に自ら情報検索して発見!〜そんな一枚がコレ。

 BRILLIANTは(今となっては)市場に確固たる地位を築いて、Mozart の”全集”にはヤープ・テル・リンデン/アムステルダム・モーツァルト・アカデミー(2001年)を収録。従って、この”借り音源集”は既に入手困難なる貴重なものになったのかも。ハルトムート・ヘンヒェン(1943年〜)は、第35番以降後期の著名作品を6曲残したんですね(ほぼライヴ)。このボックス中2枚余に収録されるが、問題は”それ以前の作品”でして、第25番以降チョン・ミュン・フンとかコシュラーとか、そしてこの”寄せ集め”風一枚となります。各曲すべて演奏が異なる。

 「パリ」は、”メキシコの爆演指揮者”エンリケ・バティスです。これが予想通り、というか、濃厚メリハリある表現を期待したが、まさにビンゴ!ロンドン交響楽団はあくまでオーソドックスな表現のまま、ひたすら明るくパンチがあって「パリの聴衆に、音の強弱で興味を惹き付けた作品」という趣旨にピタリ!こんな元気の良いMozart は久々に聴いたぜ、的感慨有。(この録音、バティス・エディション2に含まれます)そういえば、ロイヤル・フィルとの「フィガロ」序曲((p)1985 ASV CD QS 6076)もこんな感じだった。

 第32番ト長調(実態はシンフォニア/イタリア風序曲)は、名手マッケラスだけれど、プラハ室内管弦楽団(全集)とは別録音となります。これが躍動+やや粗野なくらいの勢い(ホルンの叫び!)と陰影に充ちて、まったく素晴らしい。(他の音源は残っていないのか?)

 リチャード・スタンプはいくつかの録音を(サイト上やらレコード屋さんにて)拝見したことはあるが、実際に音にして聴いたのは初めて。ロンドンには、実力ある室内アンサンブルがたくさんあるんですね。穏健派であり真っ当であって、整って溌剌清潔なるアンサンブルは見事であります。

 「リンツ」は独逸のヴェテラン・ヘンヒェン担当だけれど、会場の音質個性(残響豊か)か、オーケストラの特性かはわからぬが、ウェットかつ細かいニュアンスが、上記3曲とはかなり異なる個性を感じさせました。しっとりとやや重く、旋律の歌(木管のヴィヴラート、弦の囁き)が入念です。躍動感には少々欠けるかも知れないが、緩めのアンサンブルにも味わいがあって、これが欧州の伝統ですか?

 最近、滅多に見ない”寄せ集めCD”ながら、どれも音質優秀(個性各々有)でした。

(2006年7月7日)


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written by wabisuke hayashi