Mozart 交響曲第39/40/41番
(エーリヒ・ラインスドルフ/フィルハーモニック・シンフォニー・オブ・ロンドン)


MCA 	MCAD2-9818B(Westminster原盤) Mozart

交響曲第39番 変ホ長調 K543
交響曲第40番ト短調 K550
交響曲第41番ハ長調 K551「ジュピター」

エーリヒ・ラインスドルフ/フィルハーモニック・シンフォニー・オブ・ロンドン

MCA MCAD2-9818B(Westminster原盤)  1955年頃録音 1,000円

「GT1034 ウェストミンスター キングレコード株式会社 世界の名曲1000シリーズ
*モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調
 ラインスドルフ/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

 39番は、第1楽章の冒頭からフィナーレの最終音まで、全く本当に絵にかいたような平凡さ。この曲はモーツァルトの交響曲第39番ですが、モーツァルトの交響曲第39番はもっともっと愉しい曲です!」

〜ホラぼやさんのサイト(リンク切れ)に載っていました。懐かしいキングの1000円盤LPに、シェルヘンのHaydnとともに収録されていたとは気付きませんでした。(オーケストラの実体はロイヤル・フィル)

 いやぁ、それにしてもクソミソですねぇ。以前、第36/37/38番を掲載したときも読者の反応は厳しいものだったんです。Mozart の演奏はほんまに難しいと思うし、この演奏が「じつは極めて優れている」と強弁するつもりもありません。でもねぇ、「Mozart 交響曲の全集!」(しかも生粋の旧Mozart 全集。繰り返し一切なし!)なんて、それだけで貴重でワタシにはありがたい。なんのまちがいでCD化されたか知らんが、二度と再プレスされるとも思えないし。

 LP時代の「ワタシの標準」はベーム/ベルリン・フィルでした。初Mozart 交響曲は17cmLPの「ハフナー」だったし、のちにはちゃんと全集も買いました。ベームのはコンセルトヘボウとの録音も揃えたんですよ。そろそろ、あの几帳面で厳格な世界に戻ろうかなっ〜て、ラインスドルフのお話しでした。いや、LPベーム全集売り払って買ったのがこのCD。「絵にかいたような平凡さ」?いえいえ、平凡じゃありません。これぞ「疾風怒濤風」Mozart 。ワタシは養護し続ける録音。(誰もしてくださらないので〜理由はそれだけ

 たしかに「優雅」でもない、「軽快なるハズむリズム」でもない、急ぎ足で素っ気なく進む音楽〜それでも名曲は名曲。メリハリ付いているようで、じつは変化に乏しい各楽章の表現。第39番 変ホ長調交響曲は第三楽章の牧歌的なメヌエット〜クラリネットがキモです。うん、なるほどMozart はこんな素敵な音楽を書いていたんだね、とちゃんとわかる。聴き手(自分のこと)はもっと努力して音楽の悦びを聴け!終楽章の推進力を味わえ!いくら素っ気なくても。

 おお、第40番ト短調交響曲はステレオ録音じゃないの。(ほとんど気付かないけど)この切なくも遣る瀬ない旋律は、その存在だけで人々を感動させます。淡々と、よけいなる感情を込めずに、そつなく進めてもその魅力は減じない!・・・はず。ましてやこの演奏に”激情”を感じ取ることは容易でしょう。管楽器のニュアンスが不足する?贅沢言うでない。罰当たり者めが。(もちろん自分のこと)

 希代の名曲「ジュピター」〜出ました、この叩き付けるような落ち着きのないリズムと、余韻とデリカシーの不足。奥行きのない録音がその印象に拍車を掛けるでしょう。わずか26分〜手早く全曲の感動を味わうのに最適でしょう。シューリヒト/パリ・オペラ座管の演奏があるでしょ?(SCRIBENDUM SC011-7)←これだって相当ひどい録音とオーケストラ。だけど、けっこう・・・どころか「!」状態〜「なんでだろう?」と深く考えさせられる問題提起録音。

 ああ、楽しかった。誰かこのCDを見つけてコメントを下さる勇者はおらぬのか?(2003年10月5日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi