Mendelssohn/Bizet(ピターミック/ショルツ)


Mendelssohn

「真夏の夜の夢」より5曲

ピターミック/南ドイツ・フィルハーモニー

Bizet

「こどもの遊び」

マーガ/ニュルンベルク交響楽団

交響曲第1番ハ長調

ショルツ/ロンドン・フィルハーモニー

Mendelssohn

交響曲第4番イ長調 作品90「イタリア」
交響曲第5番ニ短調 作品107「宗教改革」

ショルツ/ロンドン交響楽団

PILZ 449272-2  2枚組250円で購入

 良いですね。まだPILZものは中古で流出していて、ときどき手に入ります。収録されたなかではオトマール・マーガ/ニュルンベルク響のみが実在。あとはかなり怪しい変名。「イタリア」はSOUND SOUNDCD2005-2という手持ちのCDでは「ショルツ/新ロンドン・フィルハーモニー」となっております。つまり、ロンドン響もロンドン・フィルも表示上でそうなっているだけで実体は何?ということです。

 ピターミックってだれ?試しにインターネットで検索を掛けてみるが、ワタシのサイトが出てきてなんの解決にもならない。海外まで検索を広げたが、すべてPILZ系の音源CDに限られていて、実在性は薄いと思われます。(のちに実在性を確認!)南ドイツ・フィルというのは、バンベルク響のメンバーを主体とした録音用のオーケストラらしいが、そうとも限らないところがツラい。

 閑話休題、演奏の方はかなりお粗末なんです。ワタシは「序曲」も「結婚行進曲」も大好きだけれど、躍動感溢れて溌剌、しかもテンション高くアンサンブルもピタリと決まって欲しいもの。テンポもリズム感もモッサリしていて、アンサンブルもゆるゆる、オーケストラも美しくないこと夥しい。録音も奥行き足りなく、平板です。

 マーガはPILZのみならずVOXにも登場するから、おそらく実在です。というか、日本にも数回来ていて指揮していて、東京辺りの方々は実演を聴いているでしょ。「こどもの遊び」の録音は意外と少ないし、これはちゃんとした演奏でした。やや厳つくて、ユーモアが足りないが真面目にていねいに演奏していて、悪くありません。

 Bizetの交響曲はなかなか立派ですよ。誰が指揮しているのか知らんが。この曲にはビーチャムの極めつけがあって、明るくエレガンスな希望溢れる演奏だったんです。木管にあまり魅力がなくて、やはりこれはロンドン・フィルじゃないでしょ。でも、勢いがあって、まとまりもあるし楽しめました。やや世代的に上の人は、第3楽章がニュース番組のテーマ曲になっていたのを記憶されているでしょう。

 Mendelssohnの交響曲は、SOUND盤の時から感心していました。「イタリア」は豊満で終始ゆったりとした余裕を感じさせるし、チカラ強さもちゃんとあります。木管の明るい響きも魅力的だし、弦の厚みに不足もない。正直、この曲で感動したのはかなり希な事例であって、どこのオーケストラかは別にして実力派に間違いはない。(ホルヴァート/オーストリア放響とのこと)

 「宗教改革」は何度も聴いているようで、じつは真剣に聴いたことがありません。これがゆっくりと幕が開いていくような冒頭から、しみじみと美しい。演奏がよろしいんですよ。弦も木管もしっとりと暖かいアンサンブルを作っていて、やや硬派で暗めの旋律を歌ってくれます。(有名なドレスデン・アーメン)ここでも、リキみ過ぎない姿勢が自然体で、なかなか楽しめました。

 第2楽章のひょうきんなリズム感も鮮度があるし、第3楽章アンダンテには、もう少々セクシーな響きを期待したいところだけれど、誠実な悲しみが迫ります。フルートはかなりのもの。ルター「我が神は賢き砦」を最終楽章に置いて、モダーンなバロック音楽のような魅力ある世界が広がりました。(2002年9月13日)


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written by wabisuke hayashi